龍の湧き水で喉を潤した日
福島県磐梯町は、かの会津磐梯山の伸びやかな山麓に広がる自然豊かな町です。
町内のあちこちから清水が湧き、滝が注ぐ「名水のまち」としても知られています。
中でも、わたしが大好きなスポットは、「龍ヶ沢湧水(りゅうがさわゆうすい)」と名づけられた歴史ある清水です。
「道の駅ばんだい」からほど近く、それでいて神秘的な山水の気配を感じ取れる、類いまれな場所。
加えて、ゆっくりめのペースで歩いても、駐車場(史跡慧日寺跡の駐車場を利用)から1時間足らずで往復できる、初心者に優しいトレッキングコースとなっています。
では早速、龍ヶ沢湧水へ向かってみることにしましょう!
小さな沢水を飛び石伝いに渡ったり、ときどき立ち止まっては首周りの汗を拭ったりしながら、緩やかな勾配の山道を登ります。
シャワシャワシャワシャワと聞こえてくる水音が、森の奥に隠れた清水の在処を教えてくれます。
龍ヶ沢湧水の水は、弱酸性の軟水で、各種ミネラルがバランスよく含まれているとのこと。
こんこんと湧き続ける清水を眺めながら、水筒に汲んだ水を口に含み、喉を潤せば、
「ああ、水って、こんなにも美味しかったんだ!」
と驚くこと請け合いです。
会津盆地を見晴らしながら、初夏の風に苗を揺らす田んぼ。
蔵人が醸す清き酒。
世界にその名を轟かすカメラ・レンズメーカーSIGMA。
どれも磐梯山麓の水の恵みがもたらした宝物だな、と感じ入るのでした。
(訪問日:2023年6月7日)