将棋の昇級制度について
藤井七段の所で、昇級について書きましたが、簡単に言うと、クラス分けされた順位戦を1年間(1シーズン)掛けて対局し、上位者(成績優秀者の2人から3人)が上のクラスに上がる制度です。一番上のA級まで上がって、そこで成績1位になった人が名人に挑戦出来ます。
因みに、名人の最年少記録は 「21歳2ヶ月」で獲得した 谷川九段です。C2(現在と名前は違いますが)は2期掛かりましたが、その後は全て1期抜けして、さらに1期目で名人に挑戦して獲得しています。
谷川九段も中学生棋士でしたが、そのぐらいのスピードで駆け上がらないと、最年少は達成できないということになります。
飛び級はありませんので、順調に行ったとしても、藤井七段はA級に上がる頃は 19か20歳になってます。
さらに、A級まで出世した人たち10人と対局して、成績トップになる必要がある・・
でもそれは、名人挑戦の切符を手に入れただけです。
一時的な勢いではなく何年も結果を持続する実力が必要になるので、昇級は本当に大変です。
因みに、藤井七段は 順位戦に3期参加して、ここまで(2020年1月16日現在)戦って、27勝1敗という安定した成績を残しています。
クラス
名人に挑戦できるA級を頂上として、B1組、B2組、C1組、C2組の 5クラスがあります。順位戦に参加しない「フリークラス」というのもありますが、今回は説明を省きます。
ちなみに対局ですが、人数の少ない AとB1は、総当たりです。
人数が多いB2以下は、組み合わせを抽選(公正にする為)で10局を決定します。
昇級
昇級は、B級1組以下での1位〜 2もしくは3位が上がります。
B級1組 上位 2名
B級2組 上位 2名
C級1組 上位 2名
C級2組 上位 3名
勝ち数が、同じだった時は 順位が上位の人が優先となります。
順位は前期の成績を基に作られます。
昇級したばかりの人は一番下あたりの順位になります。
降級
A級・B級1組では、リーグの下位2名は降級します。
B級2組、C級1組、C級2組は、リーグの下位者がすぐに降級するわけではなく、降級点が付きます。
B級2組とC級1組では、降級点が2回で降級、C級2組では降級点が3回で、フリークラスへの降級となります。
降級点がつく人数
B級2組以下では、リーグ参加者の5人に1人の割合で成績下位者に降級点がつきます。人数は、この計算式に始めると、次の通りになります。
B級2組 下位 5名(リーグ参加者25名)
C級1組 下位 7名(リーグ参加者36名)
C級2組 下位 10名(リーグ参加者52名)
降級点に関しては、救済措置が用意されていて、ある一定以上の成績を収めると、消すことが出来ます。
ある一定以上の成績を収めるとは、リーグ戦で「勝ち越し」あるいは 「2回連続で5勝5敗」(指し分け)です。
C級2組に関しては、最初についた降級点は消すことは出来ません。降級点が消えるのは、C級1組に昇級した時、あるいはフリークラスへ降級した時となります。
三枚堂七段の言葉が印象的でしたので、最後に引用します。
三枚堂七段自身も実力は折り紙付きで毎期昇級候補ですが、上がることは出来ずC級2組です。
選ばれた精鋭の棋士の中で勝ち抜いていくのは大変ですが、それでも棋士になれたことへの「感謝」を忘れないという姿勢は尊いと思いました。
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