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50歳を目前に、昔の日記を開いてしまった件③

クリスマスパーティーの数日後、どうしてもアイツのことが忘れられず、なんとなく心にメモしてた固定電話番号に思い切って電話した。

アイツが出たら、パーティーで寝落ちしそうになってる時に、お互いに何度もふざけて起こし合った時のように「Wake up〜ッ!!」と言って、電話を切ろうと目論んでいた。(幼いね・・・汗)

でも、残念ながら番号は違って「現在使われておりません」で、焦ったけど、数字の組み合わせを変えてもう一度かけてみたら、アイツがいきなり出た。

固定電話にかけるから家族の誰が出るか、いつもドキドキだった昭和の頃。タイミング良かった!

「もしもし」と、電話に出た声は確実にアイツのようだけど、一応こちらから「どちらさんのお宅でしょぉか?(原文ママ)」と聞いた。ん〜ッ。

「え?XX(苗字)ですけど。」とアイツ。

「やっぱり、そうよね、XXさんのお宅よね」などと私が言っていたら、アイツが「そっ、その声はめんだな?!」と私だと声ですぐにわかってくれた。

・・・と、それから6年続く電話のやり取りの一発目は、実は私からだったことも、日記で思い出した。

数日後にアイツの誕生日だと聞いてはいたが、電話口でアイツが誕生パーティーすると言うので「私も行きたい〜!!」とお願いしたら「いいよ、多い方が楽しいし。いいよ来て・・・って言うか、来てください」と言ってくれた。

誕生パーティーは、私のクラスメイトの女子の家でするらしく、その子(Uちゃん)も、先のクリスマスパーティーには来ていたし、私とUちゃんは、クラスでもまぁ仲が良いと言えば良い方だったが、近しい友人の輪は違っていた。

実は、その時点では知らなかったけど、当時、Uちゃんの友達Kちゃんがアイツの彼女だったらしい。

「Uちゃんに電話してお願いしてみたら」とアイツに言われて、なんだか友達の輪が違って場違いかもしれないし、いきなりUちゃんにアイツの誕生パーティーに行きたいなんてお願いするのは、いくら無邪気で自由奔放な高校生とは言え、気を遣うレベルの図々しさを感じた。

でも、そんなこと言ってらんない!

絶対行きたい!

またアイツに会いたい!また、いっぱい話したい!

・・・と思い切ってUちゃんに電話して、行きたいとお願いした。

当日、また親に嘘をついて(今度は本当に女友達の家だったけど。放任主義のうちの親には、ホント感謝だ!)、泊まる手筈もまた整えて、またまた10km以上離れたUちゃんの家へ自転車で、嬉しさでビュンビュン飛ばして行ったのだった。

確かに最初は、いつもの私の友達の輪と違う人達の集まりで、すんごい場違いで、「調子わりぃ〜」と感じた。

しかし、お酒が入ったらその気まずさも何処へやら、その誕生パーティーでも、私とアイツはさらに話とフィーリングが合いまくりで話が盛り上がり、二人でずっと話してふざけ合ってた。

途中、アイツの彼女のKちゃんが機嫌を悪くして部屋を出て行った。

アイツもKちゃんを追って外へ出た。Kちゃんは泣いていたらしい。

二人きりの世界を作ってるのを見て、私は二人は付き合ってるのかな?と思った。

でもアイツはすぐに戻ってきて、それからも変わらず皆も交えたり、私と二人だけだったりで喋りまくり、またまた色んな面白おかしいアイツの話に時を忘れて、徹夜で楽しんだのだった。

翌朝早く、家に帰ろうとタクシーを呼んだら、アイツも一緒に乗り込んできた。(私、Uちゃんの家に自転車置いて行ったのだろう)

こうして二人きりになったら、案の定、早速、電話番号の話になり「無言の電話かける(冗談)から教えて」としつこく言われた。

内心嬉しくてたまらないのに、私は「電話帳で私の苗字で調べたらいいよ、うちの親父は変わった名前だからすぐわかるよ」と。

「面倒〜!教えて!」とアイツ。

「どうせ覚えられないでしょ」と私。

「そのためにこれがあるんだよ〜」と、コンピューター(と私が日記に書いている。ブラックベリーの前身のようなハンドヘルド、コンピューター?!)を取り出し、私の電話番号を書き込んだらしい。

この場面の日記を読んで、2020年の私は”コンピューター”の部分が気になった。

今となっては、その”コンピューター”が、一体どのような見た目だったのかも覚えていない。当時、明らかに、そこに私のフォーカスは全くなかった。

昔の電子辞書のようなものだったのだろう。

今でもガジェット好きの私をさらに先を行くアイツだったんだなと、今さらびっくりした。

当時、1988年だったんですけど。

私が以前使ってたブラックベリーだって、2000年以降ではなかったかな?アイツ、実はすごいハイテクだったんだ!と今さら気づいた。

1週間後くらいに平成に元号が変わる、昭和の終わりも終わりの頃。

ケータイはおろか、一般家庭にパソコンもない、アナログ最後の頃。

そして、ちょうどその頃、必死のアイプチで瞼の調教と、寝る前の目を押さえて押さえてやる「二重にきっとなる!」の儀式のおかげで、二重が固定しはじめ、お目々パチクリになってきて、自分の見た目にどうにか自信も出てきてた私。

この時、アイツに教えたウチの電話番号。

それから6年間、この電話番号にアイツが数え切れないくらい何度も電話してくることになろうとは・・・

これでアイツとしっかりさらに繋がれた感があり、その時は、ただただ嬉しかった。

ユーミンのこの曲が、出会いの頃の二人の思い出の曲だった。(続く)


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