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カカオ 口溶け温度32〜34℃の成分は医療利用もされている
カカオ (CACAO)
アオイ目、アオイ科、カカオ属の常緑樹
カカオポッド(CACAO POD)、これがカカオ
の実となっており、これはカカオの樹に直接
ぶら下がっているものとなっている。
この様に、幹の表面上に直接花を付けて実が
成る植物を指して『幹生果』(カンセイカ)と
呼ばれているもので、幹に小花が無数に並び
咲く姿はとても美しく、過去に花姿の写真は
ここでの記事に載せた事もある可愛いもの。
この花の受粉協力はアリなど小型の昆虫類が
そのお手伝いをしてくれる。
カカオの樹木は薄暗い環境を好む為、太陽光
を直に花に受けての赤外線反射による飛来型
昆虫のハチ、アブ、チョウなどの吸蜜誘引の
手法が役に立たない事から、樹に直接、花を
咲かせる様にしてアリなど地を這う昆虫類を
受粉協力者に選んだのである。ここにも植物
の生態系のカタチが垣間見え楽しい。何より
チョコレートが大好きなアリが受粉協力する
という事実がまた面白い。
幹に多くの花を咲かせるものだが、結実率は
低いと言われていて、花を100個咲かせど
果実になるのはたった1個程度なのである。
だが、実際にカカオの樹木をみるとブラブラ
とカカオポッドが沢山ぶら下がる姿をみると
少ない様に思える結実率も計算されている様
にも思えてくる。
『カカオポッド』のポッド(POD)は、『鞘』
(サヤ)を表す言葉。ポット(POT)の言葉
は、湯沸容器を意味する為『カカオポット』
表記をネット等でよく見るのだが、これは
間違いである。
このカカオには、医療の世界ではとても重要
な利用方法に使われていて一般には知られて
いないものがある。
ご存知の通り、カカオを主成分に作られるは
『チョコレート』(CHOCOLATE)であるのは
周知の事実だが、この菓子の特徴となるのが
その口溶けである。チョコレートをお口の中
に入れた途端に、柔らかく溶けていく食感は
この口溶けの温度がとても重要なのである。
カカオポッドの中にある、カカオ豆を圧搾し
採れた油脂分が『カカオ脂』(カカオシ)なる
ものであり、これの融点は32〜34℃で
ある。これが口の中へと頬張るとやんわりと
トロリと解けていくのが楽しいものであるが
ヒトの体温に適合している。
これの何が医療利用に適しているかというと
我々のもうひとつの入口、いや、出口の方が
正しいのだが、肛門へと使用される『坐薬』
(ザヤク)に、この人肌温度で溶ける油脂分が
利用されているのである。女性用に使われる
ものも大切な器官を修復や殺菌をするために
この体温で溶ける事がその役割を担うものと
なっている。この様に薬用に用いられた歴史
は18世紀に入ってからの事で、その時代に
座薬の基剤は既に生まれ、利用されている。
最近では、それ以外にカカオの種子に多量の
ポリフェノールが含まれており、抗酸化作用
をもつ食品として改めて注目されている。
このチョコレートの歴史は紀元前2000年
の古代メキシコにまで遡り、裕福な貴族だけ
にしか、これを食べる事を許されなかった事
から『神の食べ物』との異名がついたもの。
日本では明治時代の1877年に初めて製造
されて一般の人も口にする事がかなったのは
その歴史が始まってから3800年以上もの
隔たりの後に、その味が知られたのである。
こんな記事を書いていたら、私の口が甘くも
ほろ苦いチョコレートを欲している。最近は
甘いものを口にしてなかったなと思う。
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和名 加加阿 (カカオ)
洋名 カカオ (CACAO)
学名 テオブロマ カカオ
(THEOBROMA CACAO)
分類 アオイ目、アオイ科、カカオ属
種類 常緑樹
草丈 4〜8m
開花 夏
花色 白、クリーム
花径 15〜30mm
花弁 5枚
原産 メキシコ、コロンビア、ペルー
言葉 神聖、親切、片想
撮影 色んな場所にて
備考 種子はチョコレートやココアの原料。
幹から花が直接生え、果実も同様である
学名テオプロマは『神の食べ物』の意味
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過去にカカオを特集した時の記事たち
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