ランタナ トリフォリア 房状実をつける珍品発見!
ランタナ トリフォリア
(LANTANA TRIFOLIA)
主に中南米のネオトロピカル地域の熱帯地域
や亜熱帯地域に自生しており、アメリカ大陸
や西インド諸島がその主な原産地となる。
一部はアフリカのコスタリカ地方の熱帯地域
にも分布している。
シソ目、クマツヅラ科、ランタナ属の低木、
または亜低木となり、樹高は100〜150
cm程に成長。学名にある『トリフォリア』
の名が示すのは、3枚の小葉が纏まって付く
特徴からきている。この葉は粗い質感を持ち
ややザラついた仕上げとなる。
花は他のランタナと同様にバーベナ系の形の
小さな紫色の花を咲かせる。球形の集合花序
を形成し、香りがあり、その鮮やかさは目を
惹く美しさをもつのは他のランタナと同様の
特徴である。ランタナ属特有の鮮やかな花色
は、蝶やハチなど花粉媒介者を集めるもの。
このランタナトリフォリアは、実の付き方が
独特であり、花は球形集合花序形成するのに
対し、実は葡萄の房状に迫り出した形となる。
こんな実の付き方をするものは見た事がなく
植物ガイドツアーに参加している植物の猛者
とも言えるご婦人方もざわつき始める。
『花は確かにクマツヅラ系だし、花の付方も
ランタナよね。でも、この房状の実が付くのは
初めて見るものだわね』
皆がこのランタナらしき植物をスマホや一眼
で撮影している。なので上記にあるデータは
ワクワクしながら、海外からの情報を纏めた
ものである。その時間と労力こそが私にとり
何よりも楽しいのである。
この実は、花同様に鮮やかで美しい紫色だが
黒紫色になると食べ頃サイン。この実は鳥に
よって食べられ広範囲に分散されていく。
ランタナの実は、人にとっては有毒な成分が
含まれているもので、特にランタニンや他の
有毒なアルカロイド性の物質が含まれている
もので、これら物質は人間の肝臓や消化器官
で分解されにくく、摂取してしまあと中毒の
症状を引き起こすことがある。主な症状には
嘔吐、腹痛、下痢、さらには重篤な場合には
肝臓や腎臓の損傷などが挙げられる。
一方で、鳥はランタナの果実を食べても毒の
影響を受けない。何故そんな事が起きるのか
その理由は、彼ら鳥の消化器系が毒性の物質
を効率的に分解・排出できる為である。鳥の
体内では、ランタニンなど有害物質が速やか
に代謝され、毒が体に蓄積される事がない。
また、鳥は一般的に消化が非常に速い事から
毒素が体内で長時間滞留する事がないという
点も、無害である理由の一つとなっている。
このような違いは、植物と動物が進化の過程
で相互作用してきた結果とも考えられるもの。
ランタナの様な植物にとって、果実を食べて
も害のない鳥によってその種は遠くに運ばれ
分布範囲を広げる事ができるのは有益な事。
一方、果実を食べる事で種子を胃の中で消化
してしまう哺乳類や人間に対しては、毒性を
持つことでその実の摂取を避けるメカニズム
が形成されたのである。
植物にとっても子孫を残す事は重要な課題で
あり、範囲拡大に貢献してくれる有益な鳥類
には果実を提供し、その役に立たない哺乳類
にとっては毒となる。それがランタナの戦略
なのである。
だが人の場合はランタナの花の美を賞賛する
目がある。これが結果としては、園芸植物と
して世界中へと流通させる事から植物の範囲
拡大の一助を担っている。美しく咲き誇る花
もまた種の存続と繁栄に役立つ武器となる。
ランタナは痩せた土地でも育つ生命力をもち
近くの植物を枯らすアレロパシー物質の放出
という武器をもっており、侵襲性に長けてる
植物でもある。
美しく咲き、その実は有毒で、周囲の植物を
淘汰する、これらどれもがランタナなる植物
の優れた武器なのである。
和名 七変化 (シチヘンゲ)
洋名 ポップコーン ランタナ
(POPCORN LANTANA)
学名 ランタナ トリフォリア
(LANTANA TRIFOLIA)
分類 シソ目、クマツヅラ科、ランタナ属
種類 低木、亜低木
アレロパシー放出植物
草丈 100〜150cm
開花 5〜10月
花色 紫
花径 5〜10mm
原産 中南米、ネオトロピカル地域
アフリカ、コスタリカ地方
西インド諸島
言葉 厳格
協力
心変わり
撮影 大阪公立大学附属植物園
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