沢桔梗
沢桔梗 (サワギキョウ)
キキョウ目、キキョウ科、ミゾカクシ属、
サワギキョウ種の多年生植物となる。
猛毒植物のひとつとなる。
横溝正史の原作である小説『悪魔の手毬唄』
の中で人を殺害する毒草として登場する事で
その名が知れる様になった植物である。
だが、同作品の映画化されたものでに於いて
映画の中で毒草は違う植物へと差し替えられ
沢桔梗(サワギキョウ)の名が日本中に毒草
としての代名詞になるチャンスは訪れないで
終わったのである。
巷で、保険金殺人に使われた毒草として台頭
に上がったのが鳥兜(トリカブト)だった為
で、日本において他者に毒を盛るイメージの
代表はトリカブトとなった事からその植物の
知名度アップも叶わない事となったのだ。
この沢桔梗(サワギキョウ)、いかほどの毒
を有しているのだろうか。麻酔用に知られる
朝鮮朝顔 (チョウセンアサガオ)から実際に
全身麻酔での国内初の乳癌摘出手術に成功の
話を以前にも書いた事があるが、この植物の
中にも麻酔成分があるのだが、同用途に使用
するにはリスクが高すぎるものと断念する程
毒が強いものである。
その毒成分とはアベリン、アルカロイド系の
中でも強いとされる成分がこの植物には全草
にわたって含まれているもの。これを誤って
誤食すると、頭痛、嘔吐、下痢、呼吸困難、
意識朦朧、心臓麻痺、致死となる。
横溝正史は、銀行を一年務めた後に大阪大学
の薬学部へ進学して薬剤師免許を取得した後
神戸市中央区にて薬局も営んでいる。それら
知識を使って、金田一耕助シリーズの小説を
手掛けて、それらにはありとあらゆる毒物が
登場する。もちろんだが、毒による症状など
毒草により変わるものでそれらの描写も知る
知らぬでは違うものとなる。ミステリー小説
の世界の頂点を極めた横溝正史氏の小説には
科学や薬学の知識に裏打ちされた推理などの
表現が読者を前のめりにさせる臨場感があり
私もであるが、その後に輩出される推理物の
お手本となったのである。
この映画の中でサワギキョウが外された事は
原作者としては、葛藤があったものと考える。
サワギキョウに付けられた花言葉にはその毒
を表す言葉として『悪意』『特異な才能』が
含まれている。その立ち姿の美しさに対して
『高貴』の言葉もついている。
和名 沢桔梗 (サワギキョウ)
丁子菜 (チョウジナ)
洋名 ロベリア (LOBELIA)
学名 ロベリア セシリフォリア
(LOBELIA SESSILIFOLIA)
分類 キキョウ目、キキョウ科、
ミゾカクシ属、サワギキョウ種
種類 多年生植物
草丈 60〜120cm
開花 夏〜秋
花色 紫
原産 日本、朝鮮、中国
言葉 高貴
悪意
特異な才能
撮影 六甲高山植物園
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