曼珠沙華 天界から降り注ぐ吉兆を表す花
曼珠沙華 (マンジュシャゲ)
キジカクシ目、ヒガンバナ科、ヒガンバナ属分類
の多年生草本で、彼岸花(ヒガンバナ)の名称が
最も一般的な呼び名の植物。
日本では秋の風物詩としてよく見られるものだが
もともとは中国から伝わった植物である。日本に
渡来してきたのは、奈良時代に薬草の目的として
伝わり、特に田んぼの畦道などに植えられる事が
多くなった。
この植物の根が持つ猛毒より、農作物を『土竜』
(モグラ)や『鼠』(ネズミ)などの害獣による
被害から守る為に植えられていたものである。
そんなヒガンバナであるが、これは田んぼ周りに
だけではなく、墓地にも多くが植えられるように
なった。
その墓地植えの理由には、いくつかの理由がある。
その壱、動物避けの目的
ヒガンバナは全草にアルカロイド系の有毒成分が
含まれている為、これが田んぼにおけるモグラや
ネズミなどの農業害獣を遠ざける効果がある事は
前述の通りだが、墓地に植えられてきたのもまた
墓の遺体や遺骨などが動物に掘り返されることを
防ぐ目的からのものである。
その弍、彼岸との関連
ヒガンバナは、秋のお彼岸の時期(9月中旬)に
咲く事から『彼岸』と深く結びついているもの。
仏教に於いて『彼岸』とは死者が安らかに過ごす
場所を指し、彼岸花が墓地に咲く事で死者の魂に
捧げる象徴的な花として見られている事となる。
彼岸の時期に咲く花であり、墓地に植えられる事
で死者を偲ぶ花ともなったものである。
その参、触れてはならない花
彼岸花はその美しい見た目にもかかわらず、毒性
があり、毒の強さ事から「触れてはならない花」
という教訓的な意味も持っていた。墓地に植える
ことで、安易に触れたり持ち帰ったりしない様に
警告の意味も込められていたと考えられている。
これら理由から、彼岸花は墓地に多く植えられる
ようになり、現在でも墓地で見かけることが多い
花となっているのである。
一方では『曼珠沙華』(マンジュシャゲ)とも
呼ばれており、これは仏教の経典に由来する。
サンスクリット語での言葉の『マンジュシャカ』(MANJUSAKA)を漢訳したもので、赤や白の
美しい花を指したものとされている。仏典では
天界から降り注ぐ吉兆を表す花として描かれて
おり、特に『幸せをもたらす花』という意味合い
を持っているもの。
日本に於いて『曼珠沙華』として知られる植物は
秋の彼岸(お彼岸の時期)に咲いてその鮮やかな
赤い花が目立つ為『彼岸花』の名前が与えられた。
仏教的には吉兆の意味を持つ名前だが、彼岸花が
しばしば墓地や仏教行事と関連する為、日本では
不吉な花とも見なされる事があり、独特の二面性
があると言える。
つまり『曼珠沙華』の名は、仏教の象徴的な花に
由来しつつも、日本の文化では彼岸花の見た目や
咲く時期と結びつき、独自の解釈が発展している。
今年もこの花はもう終わってしまい、また来年の
再会の時までお預けである。その時はどこかでの
群生する姿を撮影しに行きたい。
和名 彼岸花 (ヒガンバナ)
曼珠沙華 (マンジュシャゲ)
地獄花 (ジゴクバナ)
死人花 (シビトバナ)
幽霊花 (ユウレイバナ)
洋名 レッドスパイダーリリー
(RED SPIDER LILY)
学名 リコリス ラジアータ
(LYCORIS RADIATA)
分類 キジカクシ目、ヒガンバナ科、
ヒガンバナ属
種類 多年生植物
有毒植物
草丈 30cm
開花 夏〜秋
花色 赤、白、黄、斑入
花径 10〜15cm
毒性 リコリン
原産 中国南部、長江の下流域
渡来 奈良時代(薬用目的)
言葉 悲しき思い出
あきらめ
独立
情熱
撮影 丹波篠山の畦道
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