大島紬 その繊細なる絵柄に目を奪われて
大島紬 (オオシマツムギ)
大島紬は日本の伝統的な絹織物の一つであり
主に鹿児島県の奄美大島やその周辺地域にて
生産されているもので、独特の美しい光沢と
手触り、繊細で緻密な模様が特徴となる。
大島紬は『絣』(カスリ)という染色技術を
用いて織られ、非常に高度な技術と手間暇が
掛かる事から高級品としても知られているもの。
その製造工程とその特徴を簡単に教えて頂いた。
『泥染め』
大島紬の最大の特徴は染めの工程で『泥染め』
を使用する事にある。染料には奄美大島特有の
車輪梅(シャリンバイ)が使われ、その染料に
何度も浸した後、鉄分を含んだ泥に繰り返して
浸けることで、深みのある黒色が生まれる。
この工程が織物に独特の光沢と耐久性を与える。
『絣技術』
大島紬は、絣(カスリ)という技法を使って
模様を織り出すもの。絣とは、あらかじめ模様
に沿って糸を部分的に染め、その糸を使って
織り上げることで模様を作る技術。大島紬の
場合、この絣の糸を非常に精密に揃えておいて
複雑な模様を再現するのが特徴となっている。
この技術には高度な職人技が必要なもので
実際に話を聞かせて貰いながら複雑な模様を
作る大変さが伝わったものである。
『軽量性』
着物というと重いイメージを私は持っていたが
この大島紬は、非常に軽くて丈夫なことから、
着物としても日常的に着用できる織物として
重宝されるもの。特に防寒性や通気性にも優れ
四季を通じて快適に着られる事が魅力である。
『歴史』
大島紬の歴史は古く、8世紀には奄美大島にて
紬が織られていた記録があり、江戸時代には
薩摩藩への献上品としても知られていたもの。
大正時代に入り、その品質の高さと美しさが
評価され、日本国内外で高級な着物としての
広まりをみせたという。
大島紬は現在でも、伝統的な技法を守りながら
生産されており、着物愛好家の間では憧れの
存在となっている。また、現代では洋服や小物
などにも大島紬が使われ、伝統と現代の融合が
進んでいるものである。
実はこの内容については、奄美大島にてこの
大島紬の展示会が京都で開催される事になって
『みなみ紬』もそこに出展するとの話を聞いて
実際にそこに出向いたのであった。上の解説は
その場でも教わった話と、ネットで調べた内容
を融合させたもの。
さてさて、着物展などに行くことなどない私、
いつものラフなアウトドアスタイルで行ったら
まあ場違いな者が現れたなと皆んなからの視線
が多いに向けられる。着物姿の方ばかりである。
入口には美しい糸がいくつも並んでいる。この
全てが家蚕、天蚕の繭から生まれた糸である。
そして会場の前に設置されたものが奄美大島の
自然に由来するものや、幾何学模様など素敵な
柄に仕上がったものがズラリと並んでいる。
製造過程を少しは知る私からすると気が遠くも
なる様な作業が背後に見えてしまう。その素敵
な作品たちが沢山で出迎えてくれてこれを見る
だけでも価値があるなと感動する。
会場内を探し回るも『みなみ紬』の匠の姿が
見えないなと、会場係員に訊いてみたらば
『ああ、長老ですね、間も無く戻りますよ』
との事、その後すぐに匠が現れた。
私の場違いな格好を見つけられた匠も繭の話で
盛り上がった事を思い出され、人懐っこい笑顔
で私を出迎えてくれたのである。ではあったが
工房の中では普段着で説明をされた匠だったが
流石は長老と呼ばれているだけの貫禄である。
大島紬を華麗に着こなされた姿はダンディその
ものであった。
と、私と話をしている時に着物姿の美しい美女
が現れ『まあ、先生ったらずっと居られなくて
探し回っていたのですよ、その節はあの着物を
お作り頂き、ウチの松嶋菜々子も喜んでますの』
と一気に話し始めた。
そうか、そうであろうなこんなにもデザインが
美しく着やすい着物な訳だし、落ち着いた柄は
テレビや映画などで活躍される芸能人の方にも
人気あるのも分かる様な気がする。その女性も
まんま芸能界でそのままやっていけそうな美貌
であり、話の内容からマネージャーとかだろう。
また、奄美大島に来る事があったら工房にも
寄ってくださいな、と嬉しい言葉まで貰って
いつか、その約束も果たしたいと思った私
なのであった。
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