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ウメノキゴケ 『華道未生流展』で出会った植物たち
梅ノ木苔 (ウメノキゴケ)
チャシブゴケ目、ウメノキゴケ科、に属する
地衣類の一種、苔である。
灰色がかった緑色の苔(コケ)であり、樹皮
や岩などに着生し張り付いている葉状地衣類
となっている。
桜や梅を始めとし、その他樹木でも見られる
ものである。これはこれで風情があるもので
大きく育つとその直径は20cm程にもなる。
乾燥した地域では灰緑色が白っぽいのに対し
湿度の高い地方では若干だが緑色が濃くなる。
日本画の世界にもちゃんとこのウメノキゴケ
は描かれていて、それを探してみるのも一興
である。
このウメノキゴケは、排気ガスにとても弱い
性質を持っており、都心部の樹木ではあまり
見られない理由はその為である。これを含め
大気環境指標として有用だと位置付けられる
菌類となっている。
さて、ウメノキゴケについての解説をざっと
したところで、華道未生流展での大型の作品
の解説である。
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この作品では『梅ノ木苔』(ウメノキゴケ)
がほぼ全体の枝に付いているもので、花材と
してはこれが付いてるだけでも、非常に高い
費用が掛かる事となる。また樹木そのものも
大型の作品にする為に何年もの年数が必要と
なるものであり、ウメノキゴケがここまでに
育つのには時間を有するものだからである。
ウメノキゴケの胞子を空気中を舞わせた上で
その樹木に着生させたとして、その後に3年
を経てやっと地衣類としての形を成すもので
ある。なのでこの作品の花材にはそれだけの
時間が費やされているものである。
ウメノキゴケが枝に生えた樹木は『蔓梅擬』
(ツルウメモドキ)である。その細い枝先に
迄もウメノキゴケが生えており、それを目的
として、育てられたものだと思われる。
いけばな用に使われる花材として、これらの
苔の生えた梅の木などは『苔梅』(コケウメ)
と呼ばれており、その苔の生えている樹種の
頭に『苔』を生やしてやる事となる。『苔梅』
『苔桜』『苔松』の様になる。
本作は『苔梅擬』(コケウメモドキ)となる
ものであり、それならば全く略さずの表現は
『梅ノ木苔梅擬』(ウメノキゴケウメモドキ)
となるのである。
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本作では赤絨毯が敷かれており、その赤色が
目にも鮮やかであり、後方には茶器セットが
二つ配置されていて趣がある。前方にあるは
大型の壺に活けられた苔梅擬、南天、竜胆、
段菊、などが配置されている。
とても印象的な作品として記憶だけに留める
のは勿体無いく、ここに掲載したものである。
和名 梅ノ木苔 (ウメノキゴケ)
洋名 パルモトレマ リチェン
(PARMOTREMA LICHEN)
学名 パルモトレマ ティンクトラム
(PARMOTREMA TINCTORUM)
分類 チャシブゴケ目、ウメノキゴケ科、
ウメノキゴケ属、ウメノキゴケ種
種類 地衣類
苔類
草丈 5mm
開花 なし (胞子菌類)
花色 なし (胞子菌類)
花径 なし (胞子菌類)
原産 世界の熱帯、温帯地域の全域
分布 日本(東北以南の郊外)
言葉 健康
母性愛
撮影 華道未生流会館(華道未生流展2023)
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