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死ぬまで、君を放さない


負蝗虫 (オンブバッタ)


バッタ目、オンブバッタ科、のバッタ類


学名が表すは『平たい矢のカタチ』であり
そのままの形状が、この虫の特徴となる。


北海道から、九州は琉球地方までと日本の
全土で見られるスタンダードなバッタだが
比較的にペアリングされている状態で目撃
をされるもので、メスにオスがマウントを
したままの状態が見られる事から和名では
『オンブバッタ』の名がついているもの。


一般に考えると、自然界の中ではあらゆる
生物に於ける交尾の鉄則とされているのは
『手早く、短く、簡単に』がそのセオリー。


その時間は雌雄が共に無防備状態に近い上
外敵からの襲撃に対して、その両方が命を
落とすリスクが増えるからである。


ヒトの世界でも、コトが終わったら途端に
オスが背中を向けてしまうのは、長らくの
洞窟生活時代の中で、外敵の襲来に備える
為の記憶がDNAの中に残っているからで
あり、その時間の余韻に浸っている場合で
ないとの指令がヒトのオスの頭へと降りて
くるからである。


オンブバッタは、メスの体長は40mm、
オスは20mm、メスのほぼ半分サイズと
なっている。


このメスの体には、オスの脚がカッチリと
嵌まる様にと切欠部分が備わっているもの。
これによって、メスが飛び跳ねてもオスが
脱落しない様にできている。


実際の交尾時は、オスはメスの身体の中心
から身体をずらして交尾器官を結合させて
長い時間をかけての精子移動を確実に行う
訳だが、それが終わるとメスと一心同体の
カタチで、ずっとしがみついたままである。
これは、メスが他のオスと交尾をさせない
為のものである。

メスにしがみついたオスは食べる事をせず
ただひたすらにメスに添い遂げてその一生
を終える。これもまた生き物の姿のひとつ
である。




和名 負蝗虫 (オンブバッタ)
洋名 スモーラーロングヘッデッドロカスト
   (SMALLER LONGHEADED LOCAST)
学名 アトラクトモルファ ラタ)
   (ATRACTOMORPHA LATA)
分類 バッタ目、バッタ亜目、バッタ下目、
   オンブバッタ科、オンブバッタ属
種類 バッタ類
体長 メス 40mm
   オス 20mm
分布 日本(北海道〜九州、琉球地方)
   朝鮮、中国、台湾
出現 幼虫 5〜7月
   成虫 8〜10月
食性 植物の葉(イネ、カヤツリグサ、類)
場所 福井県三方郡、若狭山中
撮影 2024年9月21日

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