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ショウジョウボク 田中一村がその絵に残した美しきもの


猩々木 (ショウジョウボク)


キントラノオ目、トウダイグサ科、トウダイグサ属
に属する多年生植物となる。

このトウダイグサという分類は、洋名表記にすると
ユーフォルビアとなり、これに属する植物は独特の
スタイルをもつものが多く、私にはとても魅力的な
植物分類のひとつとなっている。

ショウジョウボクは、小さく目立たぬ花の周辺を
華やかに彩るのが特徴的な植物であり、この仲間
には、これからの季節のクリスマスの彩りに添え
られるもの、『ポインセチア』が同じ系統となる。

沖縄県久米島を乗馬体験をしたのであるが、(私は
生まれて初めての体験で楽しかった)のであるが、
この時のコースは、森林の中をくぐり抜け、海岸沿
の砂浜をゆっくりと歩む、のどかなアクティビティ
だったのだが、この森林を抜ける途中に、鮮やかな
ショウジョウボクが幾つも生えてるのを横目にして
私はウキッ!となったのである。普通ならば写真を
パチリパチリと撮るところだが、初めての乗馬体験
でもあり、3m近い高さゆえ撮るにも撮れずあっと
言う間にそのゾーンは通り過ぎる。


それにしても凄かったな。と少し残念な気持ちを
その森に残した私なのであった。


我々が久米島を訪れた11月後半の時期の理由は
台風が比較的少ない時期となっていたが、今年は
ピンポイントで狙いを定めた様に、我々のカヌー
合宿のタイミングに被ってしまった為に、本来の
目的のカヌーアクティビティを外してしまった為
翌日はスコンと自由時間ができた。これは私には
千載一遇のチャンスとばかり、その乗馬体験した
コースを自身の足だけでトレースする事にした。


その森の中は普段はあまり生き物が来ない所為か
短パン姿にノースリーブTシャツの私の姿はもう
藪蚊(ヤブカ)にとって、ご馳走パラダイス状態、
食いしん坊万歳、とばかりに蚊の集団に集られて
その襲撃に遭いながらもめげることなく深く入る。
常に10匹程の蚊が腕や脚にとまるのをパチパチ
と潰して、身体中に潰した血の痕を沢山こさえて
ズンズンと記憶を頼りに進むと、それはあった。



これを撮りながらも、パチンパチンしている中に
どうも蚊とは違う吸血虫までもが飛び回っていて
薄暗い中で判別出来てはいないが、ブユあたりが
いるらしく、刺された後がとても痛痒くなる。
小さな花周辺を彩っている赤い苞(ホウ)の写真
を何枚も撮りながら、私の身体にも潰した血の
赤が何個も増えていく。


さて、こんな朱色苞のあるショウジョウボクは
実は私は何度もこのブログに載せてはきている。
『ショウジョウソウ』の名称にて過去に紹介した
時に、『猩々』(ショウジョウ)とは中国の妖怪で
山の中に迷い込んだ女性を襲って孕ませる妖怪
であり、この赤い苞の姿からの名称だとも解説
をしたもので、歌舞伎で赤髪を振り回すものも
この猩々なる妖怪の演目である。


と云う事で、こんな吸血虫たちと格闘しながら
撮影する程のものでは実はないのである。では
私がこの森に入ったのは、何故かと云うと普段
見た事もないものがそこには有ったからである。


タイトルに、田中一村(タナカイッソン)画伯の
名前をタイトルにしたが、これを見た瞬間に私の
今までの疑問だったものが、パチンと音を立てて
解決したのである。その写真がこれである。



沢山ある朱色の苞の中、私の目を一瞬引き留めた
白い苞のものがあったのは見間違いではなかった。
沢山ある中、ひとつだけのこれを撮る為に森の中
に入ったのだが、血まみれになりながらも価値は
あったなとひとり、喜んだのである。よし、撮影
も出来た。森を足早で抜けていく。

私が以前に見た、田中一村画伯の作品の中にある
ショウジョウボクの絵がこちらである。こちらに
描かれているショウジョウボクの苞は全てが白く
描かれていて、これは何だろうか?と以前からの
私の疑問が、森の中の白い苞の姿を自分自身の目
で確かめられた事により解決したのであった。


この絵を描いておられた田中一村画伯は奄美大島
で、鬱蒼とした森の中で白い苞に魅せられてこの
絵を描かれたのであろう。多分、この絵の雰囲気
から、きっと吸血虫たちと格闘したのだろうとも
推測される。



この一枚の絵だけで、私は三つ目の記事を書いた。

琉球浅葱斑(リュウキュウアサギマダラ)
久葉 (クバ)
猩々木(ショウジョウボク)

実はこの中には、あと二つ、他に白い花がある。
今回の久米島では三つだけを見つけたので記事に
出来たが、他の二つは今回、見つけていない。

最後には、あと二つのパズルのピースも見つけて
記事にしたいなと考えている。


タイトルの画像には、朱色の苞の画像としたのは
ネタバレ回避のためのものと、ご理解頂きたく…

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和名 猩々木 (ショウジョウソウ)
   猩々草 (ショウジョウソウ)
   草猩々 (クサショウジョウ)
洋名 ファイア オン ザ マウンテン
   (FIRE-ON-THE-MOUNTAIN)
学名 ユーフォルビア ヘターフィラ
   (EUPHORBIA HETERPHYLLA)
分類 キントラノオ目、トウダイグサ科、
   トウダイグサ属
種類 多年生草本
草丈 30〜90cm
開花 春〜秋
花径 25mm
原産 合衆国中部〜アルゼンチン
渡来 明治時代
言葉 良い仲間
   祝福
   希望
撮影 沖縄県久米島

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#猩々草
#ショウジョウソウ
#草猩々
#クサショウジョウ
#ファイアオンザマウンテン
#FIREONTHEMOUNTAIN
#ユーフォルビアヘターフィラ
#EUPHORBIAHETERPHYLLA
#沖縄県久米島ボタニカルリポート
#田中一村

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琉球浅葱斑(リュウキュウアサギマダラ)

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久葉 (クバ)


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田中一村画伯

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