![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/157139471/rectangle_large_type_2_8e7c71bf112fe522d4852783d1015968.jpg?width=1200)
福田平八郎に学ぶ『竹』
『没後50年 福田平八郎』
2024年3月9日〜5月6日の期間に渡り
大阪中之島美術館にて開催された回顧展である。
以前より、その独特な写実主義の世界に惹かれ
何点も好きな絵があり、回顧展が開かれる事を
知り、喜び勇み美術館へ足を運んだのであった。
そんな展示会が終わって、結構な時間が経つと
云うのに、何で今頃になっての紹介なのか?
福田平八郎は画家として同じ題材を何度も描く
事でも知られており、その画材に惚れ込んだら
とことんその美を追求し続け、何枚もの作品を
残したものである。
釣りに出かけた琵琶湖の上にて出会ったものが
湖面上に煌めく美しい漣(サザナミ)の姿である。
当時の様子を福田平八郎は次の様に綴っている。
『湖北で釣りをしていましたが、釣れないので、
ウキを睨む目を水面に移したところ、ハダにも
感ぜぬ微風が美しい漣をつくっている。瞬間、
私は「これを絵にしてみよう」と思った。波の
形は瞬間の動きでなかなかつかみにくい。なんと
しても、よく見ること以外に方法はない。と一生
懸命に考えた。そして縦一・六五メートル、横
二・九七メートルという大きな画面いっぱいに
魚も雲も空も何一つ描かず、漣だけを描くことに
したのです。』(原文そのままの記載)
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/157137885/picture_pc_0dbfb531b411866044a04c096754a8b8.png)
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/157137883/picture_pc_87c4f4965275be044dd6c60203500bc0.png)
この時のこのポスターを見て、私は嬉しくて同展
を訪れた訳であり、この絵こそが福田平八郎より
何枚も描かれた『漣』の中の一枚である。
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/157137996/picture_pc_a520ba27fa4ea7fa28a205aebc6f9f1e.png)
展示後期には、盆に載せられた白桃のポスターも
追加されており、これを見ただけで桃が食べたく
なった私でもあった。
福田平八郎は、大分に1892年2月28日に
生まれ、18歳の時に京都へ出ると画家となり
1974年3月22日に急性肺炎で亡くなる迄
京都で過ごした画家であり、京都名誉市民にも
なっている。
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/157139784/picture_pc_7f86e092a9c3d845168577d76dca1bb9.png?width=1200)
福田平八郎がそのものに惚れ込んで残した絵の
題材の中でも複数枚を残したものを列挙すると
漣(サザナミ)
筍(タケノコ)
鮎(アユ)
桃(モモ)
鯉(コイ)
竹(タケ)
などが、特に多いものである。
もちろん、同じものは再現できないが同氏が
惚れ込んだ題材の美の世界へと近づくことは
できるのではないかとの意味を込めて、上記
題材について追いかけていこうと思っている。
さて、竹の話が今回のテーマである。
皇居の中の『竹の間』には、福田平八郎氏の
作品である『竹』が飾られている。
竹について、同氏が語られている言葉が残って
おられ、そこには過去からの絵を描く上での
定石というものに対する疑問の言葉が呈されて
いて興味深い。
『昔から竹は緑青で描くものときまっているが、
三年間見続けて来てるけど私にはまだどうしても
竹が緑青に見えない。』(原文のまま)
そんな彼の『竹』の作品がこちらである。
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/157138881/picture_pc_c6fe6e2c8658db0d679d0aef82cfa2d9.png?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/157138866/picture_pc_fdb1094e903d3738614efb23a5e73678.png?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/157138883/picture_pc_39080b276d21c459510596f330b57385.png?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/157138879/picture_pc_fc15060d2d070941a432bb68b76a6a71.png?width=1200)
そして、こちらは福田平八郎が生まれた大分県で
過去に開催された『竹』が表紙となった展示会の
ポスターである。
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/157138962/picture_pc_95cb8cb7a6103f0e69dcf462864d29c1.png?width=1200)
私自身は、自然の中のものを撮影して作り上げて
いこうとしているのは、ネットで誰でもが見る事
が出来るデジタルボタニカル図鑑を目指すもので
あるが、竹については緑青が美しいものばかりを
掲載してきたものである。
福田平八郎の絵にも倣い、撮った竹が下のもので
これから、今回の『竹』以外についても追いかけ
載せていけたらと思っているのである。
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/157139274/picture_pc_79094929815548c1471a53ba660ed808.png?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/157139280/picture_pc_9a08e42bc83c717731be6488da3bc626.png?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/157139276/picture_pc_8abde7abf0c452b6dca5a5bad0a8ff5c.png?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/157139283/picture_pc_fba7b14171379ac6c2407358aae7a25d.png?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/157139277/picture_pc_499790822d10864794bccb5b33223603.png?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/157139286/picture_pc_d8e6441c29854ea96f9a041d714eb02a.png?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/157139284/picture_pc_bca91d3383c58b9cf6b9e538a5234733.png?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/157139292/picture_pc_871d4809efa39b968d2b51384c50078d.png?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/157139279/picture_pc_d839119781cfacf4c3bb1da59c975e95.png?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/157139289/picture_pc_000415244f761a8b6953c866e7ed3a29.png?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/157139221/picture_pc_a0b7e0e771cac9b42ce102f55e15ecb7.jpg?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/157139290/picture_pc_d17b806b20e954b692aee4110e4145db.png?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/157139232/picture_pc_ccc11e0b8486fb49e5cb7b8a9944040b.png?width=1200)
これらの竹を撮影したのは、奈良の松伯美術館
(ショウハクビジュツカン)の庭園内にあった
竹林を撮影したものとなる。多彩な彩りを纏う
竹の姿が撮影できたので今回の記事へと進めた
訳である。
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
#福田平八郎
#フクダヘイハチロウ
#松伯美術館
#竹
#タケ
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■