ヤブデマリ 片びらの ちひさき白や 藪手毬
藪手鞠 (ヤブデマリ)
マツムシソウ目、レンプクソウ科、ガマズミ属
この植物の花の特徴は、紫陽花(アジサイ)の
花序と同様、中心に両性花(生殖能力を有する花)
が密集し、その周囲に大きな装飾花(生殖能力を
有しない無性花)が取り囲む形となっているもの。
この花序の構造は周囲の装飾花で吸蜜を生業とする
虫達を引き寄せる広告塔みたいなもので、その訪花
促進によって、本来の両性花へと導く構成となって
いるものである。
これは我々が、店先看板で肉厚な霜降り和牛の写真
を見て、『旨まそう、よし、この店入ろう』となんら
変わらないのである。
ヤブデマリは、大きな装飾花でその存在を目立たせ
虫を引き寄せて、結果として中央部に配置している
両性花の蜜の提供と交換に受粉活動を協力させて、
結果として繁殖成功率を高めているわけである。
吸蜜の虫たちと云えば、カマキリが良く花の側には
控えており、餌食になる姿はよく見かけるものだが
藪手毬の花は高いところに花を咲かせる事によって
受粉協力者に対し安全をも提供しているのである。
逆を云うと高所だからこそ広告としての役割が必要
不可欠との説も正しいのかも知れない。
ヤブデマリの装飾花の花弁は、5枚が揃った構成と
なっているが、その中の1枚だけが極端に小さいと
云う特徴を持っていて、これが実は見つけてみると
とても可愛いものである。色んなバリエーションが
あるもので2枚が小さいのもあったりする。
この花の季節には、そんな事を楽しみながらこの花
を鑑賞されるのも一興なのである。
ここでヤブデマリの装飾花の特徴をとらえて一句、
『片びらの ちひさき白や 藪手毬』
(※ 片びら ▶︎ 昔の広告ポスターの呼び名のこと)
和名 藪手毬 (ヤブデマリ)
薮手毬 (ヤブデマリ)
山手毱 (ヤマデマリ)
胡蝶樹 (コチョウジュ)
洋名 ジャパニーズ スノーボール
(JAPANESE SNOWBALL)
学名 ビブルナム プリカツム
(VIBURNUM PLICATUM)
分類 マツムシソウ目、レンプクソウ科、
ガマズミ属、ヤブデマリ変種
種類 落葉低木
草丈 2〜6m
開花 5〜6月
花色 白
花径 装飾花 30〜40mm
両性花 5〜6mm
原産 日本 (関東より西部)
言葉 年輪を重ねる
撮影 ガーデン植花夢(ウェルカム)、宝塚市境野
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5枚目の小さな花弁の姿が分かり易い記事と写真
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