ミツマタ 蕾ながら風格ある姿
三又 (ミツマタ)
ジンチョウゲ科、ミツマタ属の落葉低木
昨年は、新紙幣が世に出て、その話題にて
多いに賑わったものだったが、それらの紙幣
に姿を変えたのがこのミツマタという植物。
この紙としての素材として優秀な点が多くあり
それが紙幣に展開される理由となっている。
それらについてを細分化して解説すると
柔軟性、光沢感、繊維質、耐久性、吸水性、
そして加工のしやすさと、六つの利点により
紙幣に使用されるものとなっている。
柔軟性
ミツマタの繊維は非常に柔軟で、しなやかさを
持っているもの。この特性より和紙が滑らかな
触り心地となり、折曲や摩擦に耐えるのである。
光沢性
繊維に自然な光沢があり、美しい仕上がりの紙
を作ることができる。この光沢は和紙の高級感
を生み出す要因のひとつであり、価値ある紙幣
に相応しい外観をもたせている。
繊維質
ミツマタのもつ繊維は、コウゾなど他の和紙の
原料に比べて短いものとなっている。そのため
紙にするときの風合いが滑らかに仕上がる点と
細かい字を印刷するのに適している。
耐久性
ミツマタ繊維は耐久性に優れており、経年劣化
しにくい性質を持っている。このためミツマタ
使用の和紙は保存性が高く、古文書や公文書や
紙幣、番傘などにも用いられてきたものとなる。
吸水性
繊維が水分をよく吸収し、保持する能力をもつ。
この特性より、和紙がインクや染料を吸い込み
やすく、にじみが少ない仕上がりになっている。
加工性
ミツマタの繊維は柔らかいため、加工しやすく
細工や装飾にも適している。このことから美術
工芸品や装飾用和紙などにも利用されている。
以上の六つの特性によって、ミツマタの繊維は
日本の伝統的な和紙作りに欠かせぬ素材であり
特殊用途の紙(証券用紙や版画用紙や紙幣など)
や高級和紙として使用されてきた。ミツマタを
主原料とした和紙は、世界遺産にも登録された
『日本の手漉き和紙技術』の一環として、その
品質が広く認められているものとなっている。
ちなみに、日本の新紙幣に使用されたミツマタ
は大量に使用された事から、日本国内産のもの
ではなく、ベトナム産のものが使用されている。
和名 三椏 (ミツマタ)
三又(ミツマタ)
結木 (ムスビギ)
洋名 ペーパー ブッシュ
(PAPER BUSH)
学名 エッジウォルシア
(EDGEWORTHIA CHRYSANTHA)
分類 アオイ目、ジンチョウゲ科、ミツマタ属
種類 落葉低木
草丈 70〜200cm
開花 3〜4月
花色 黄
花径 5mm
花弁 なし
萼片 4裂 筒状萼
花序 球形花序
原産 日本、中国南西部、ネパール
言葉 強靭、壮健
撮影 頼光寺(兵庫県川西市)
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
#三椏
#三又
#ミツマタ
#結木
#ムスビギ
#ペーパーブッシュ
#PAPERBUSH
#エッジウォルシア
#EDGEWORTHIACHRYSANTHA
#頼光寺
#日本銀行券
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
2024年7月3日 新発行の日本銀行券 三種
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■