見出し画像

スノードロップ 命を奪う?命を救う?

スノードロップ(SNOW DROP)



キジカクシ目、ヒガンバナ科、ガランサス属


スノードロップは1〜3月と、まだ寒い季節に
花を咲かせる春告花。


清楚で美しい白い花は、大きな花弁の外花被が
3枚あり、小さな花弁の内花被も3枚備わる。


花は吊り下がった釣鐘式のものであるが内花被
には緑色の斑紋があり、その形が耳飾りの様で
特に女性からも人気が高い花である。


まだ他の植物には厳しい状況下を敢えて狙って
咲く理由は、他の植物が精力的に葉を茂らせて
陽の光を奪ってしまう前にコンパクトに育って
寒い時期に活動を開始する小虫たちを誘っては
受粉活動をする為である。


この美しい花は昼間は開いて、夜間には閉じて
しまう。また、花が下を向いているのにも理由
があり、これら理由は寒い時期に受粉協力して
くれる虫に蜜を与えるだけではなく、花の中の
温度を少しでも暖かく保ってあげる事によって
協力者への『おもてなしスタイル』なのである。
子孫を残す為の協力者の命も大切にするという
自然のプログラムは、福寿草(フクジュソウ)
でも同じ事が虫に対して、なされている。


スノードロップは『スプリングエフェメラル』
これは『春の妖精』という意味をもったもので
冬の終わりに葉を広げて、花を咲かせ終わると
地上部は枯れて、長い休眠生活に入ってしまう。


スノードロップは、そんな風に小虫たちの命を
助ける花なのに、『あなたの死を望みます』と
少し怖い花言葉がついている。英国の農村部に
言い伝えられている言い伝えで、少女ケルマが
恋人の死を悼み、その胸の上にスノードロップ
を置くと、恋人の体は雪の雫へと変わったいう
その伝説から怖い花言葉となり、『死の象徴』の
イメージが英国には残されているのだそう。


この球根には、有毒なアルカロイド成分が含有
をされているもので、百合根(ユリネ)などと
間違えて誤食をすると、激しい下痢や嘔吐まで
に繋がる。量を誤れば命に関わるヒガンバナ属
の植物なのでその危険性に警鐘を鳴らすために
こんな伝説が残されているのかも知れない。

簡単に生えてる様に見えるスノードロップの花、
こちらは片栗(カタクリ)が7年を掛けてやっと
花を付けるのと同じ様に、こちらもまた長い年月
をかけて開花させている植物なのである。




和名 待雪草 (マツユキソウ)
洋名 スノードロップ(SNOW DROP)
   ガランサス (GALANTHUS)
学名 ガランサス (GALANTHUS)
分類 キジカクシ目、ヒガンバナ科、
   ガランサス属
種類 多年生植物
   球根植物
   有毒植物
   スプリングエフェメラル
草丈 15cm
開花 1〜3月
花色 白
花径 6〜11cm
花弁 外側 大型外花被 3枚
   内側 小型内花被 3枚
毒物 ガランタミン、リコリン(アルカロイド系)
症状 下痢、嘔吐
原産 ヨーロッパ
言葉 希望
   あなたの死を望みます
撮影 服部緑地都市緑化植物園

■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

#待雪草
#マツユキソウ
#スノードロップ
#SNOWDROP
#ガランサス
#GALANTHUS
#有毒植物
#スプリングエフェメラル
#服部緑地都市緑化植物園

■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

いいなと思ったら応援しよう!