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その葉と花、凶暴につき


私の大好きな北野武監督のタイトルを真似した
タイトルにした。


その葉姿はまるで恐竜の牙にも見えるものであり
その花姿もまた、首をもたげた怪獣に見える。


メリアンサス マヨール
(MELIANTHUS MAJOR)


フランコア科、メリアンサス属の常緑低木


南アフリカを原産とする植物がその正体で
その葉姿や花姿がとてもユニークで鑑賞価値
が高い事、日本の冬をちゃんと越せる事から
関西の主要な植物園、植物公園にも植栽され
その凶暴な姿は、植物園なんか面白くないよ
と云う男の子たちの目を惹くものである。


以前に植物園の方にお話をお伺いしたところ
男の子が興味を持つ植物を置くことは必須なの
だと話される。可愛く綺麗な花が揃っている
ので女の子は普通に植物園にやってくるのだが
小さな年齢の男の子たちには鑑賞価値の基準が
女の子とは違っていて、彼らの関心は、電車や
乗り物の全般、妖怪、ロボット、恐竜や怪獣、
そして虫類と、女の子とは真逆のものへと関心
を示す。植物園としては家族の全員での来園を
望む事から女の子だけではなくて、男の子にも
楽しめるものを揃える必要があるのだ。


そんな植物園が男の子用に特集を良く組むのが
ハエトリソウ、ウツボカズラ、モウセンゴケや
サラセニアなどの食虫植物たち。メカニカルで
かつ、虫を食べる強い植物のイメージが男の子
を惹きつけるのであろう。


そして、ヘリコニアシリーズなどの、立体構造
に優れた植物たちや、アリストロキアシリーズ
などの妖怪じみた造形の植物たちも人気がある。


今回紹介するメリアンサスマヨールの特徴とは
写真のとおりでギザギザの規則的に並んだ葉が
恐竜の牙や背中のヒレにも見える訳だが、この
美しさが保たれるその理由は、この植物が持つ
有毒性にある。


その有毒成分とは


ひとつ目には、シアノジェニックグリコシド
(CYANOGENIC GLYCOSIDES)なる化合物。
体内の酵素と反応するとシアン化水素(HCN)
を生成するものであり、摂取すると頭痛、眩暈、
呼吸困難、そして致死に至る猛毒となる。


ふたつ目は、サポニン(SAPONINS)であり
界面活性剤の様な働きにより体内の細胞破壊を
する物質となる。


これら有毒物質は、草食動物、食草虫類に有効
となるのでこのギザギザの葉っぱが食害などに
合わず、美しい外観を損ねる事はないのである。


もちろん、植物園に来て恐竜の牙の様な形の葉
を齧ろうなんてヤンチャな男の子などはいないと
思うので猛毒とはいえ、大丈夫なのであろう。
園内は犬猫は連れて入れないので、ペットなど
がこの葉を齧る場面もない。

ただ、この植物の汁も毒となるので触れたりも
しない方が良い。洋名に『タッチミーノット』
の名称もあるので、その通りである。


この植物もとっくにこのブログで紹介してると
チェックしたら未紹介のままであった。以前の
ブログでは何度か登場させていたので、掲載済
と勘違いする事が多い。細かにチェックをして
おかないといけない。



洋名 メリアンサス
   (MELIANTHUS)
   ハニーブッシュ
   (HONEY BUSH)
   ジャイアントハニーフラワー
   (GIANT HONEY FLOWER)
   タッチ ミー ノット
   (TOUCH ME NOT)
学名 メリアンサス マヨール
   (MELIANTHUS MAJOR)
分類 フウロソウ目、フランコア科、
   メリアンサス属
種類 常緑低木
   有毒植物(全草が有毒)
草丈 1〜3m
開花 春〜夏
花色 紅紫
花径 25〜40mm
花序 総状花序
原産 南アフリカ
言葉 勇気
撮影 京都府立植物園

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