ANGEL TRUMPETS
エンジェル トランペット
(ANGEL TRUMPETS)
ナス科、キダチチョウセンアサガオ属
昔はこの花が私の住む十三の近所の駐車場に
植えられていて、大きな花が吊り下がってる
その姿を見上げながら、その巨大さを感じて
楽しんでいたものである。大型の花で重量も
ある事からこの花は真っ直ぐに下だけを向く。
この花を見上げながら歩くと、靴裏が地面に
貼りついた様な感じがある。この大花が落下
させた花蜜でウレタンシューズのクロックス
が駐車所のアスファルト上でペタペタと音を
音を立てるくらいなのであった。
さて、このエンジェルトランペットなる植物
は木立朝鮮朝顔(キダチチョウセンアサガオ)
の名前がついている。
日本麻酔科学会 (ニホンマスイカガクカイ)
のマークに朝鮮朝顔(チョウセンアサガオ)
のイラストが使われている。
子供の死亡事故に繋がるものに、この植物の
種を誤って食べた子供が意識不明の昏睡状態
のままに息を引き取った。この植物全草には
全身を麻痺させる神経系の猛毒成分が含まれ
果実と種子の毒性が最も強い。
神経毒のトロパンアルカロイドをはじめとし
複数の毒成分が混在するこれは服用する事で
心拍数増加、呼吸過多、目眩、幻覚、幻聴、
意識混濁、妄想、昏睡、致死となるもの。
猛毒もその分量をコントロールしさえすれば
薬にもなる。この意識を遠のかせるこの毒を
研究の末に医薬品として作られた『通仙散』
(ツウセンサン)。その当時のオランダ医学
の第一人者、華岡青洲(ハナオカセイシュウ)
の手によって作り出された世界初の全身麻酔
の薬であった。
1804年10月13日、全身麻酔を掛けた
乳癌患者女性からの癌摘出手術が成功する。
全身麻酔は日本が生み出し、無事に成功を
させたのである。この偉大なる功績を讃えて
10月13日は『麻酔の日』となり、これら
麻酔研究をしてきた日本麻酔科学会のマーク
に、この麻酔原材料の主成分となった植物が
この朝鮮朝顔であり、ロゴとなったのである。
さて、この朝鮮朝顔と付いた名前の由来だが
朝鮮は全く関係なく、ペルー原産が原産国の
植物であって、この当時の海外からの植物群
に流行った朝鮮名称を頭につけただけの名称
となっている。
この撮影した樹木は、高さが10m程の高さ
のもの。そこには花の直径15cm、そして
花の長さは50cmと本当に巨大な花が幾つ
もぶら下がっている。その花姿は名前の通り
トランペットの形をしていて、医療用途には
エンジェルトランペットで正しいと思うが、
事故を起こすとデビルトランペットの名称が
相応しくもなる。
和名 木立朝鮮朝顔
(キダチチョウセンアサガオ)
気違茄子 (キチガイナスビ)
曼荼羅華 (マンダラケ)
洋名 エンジェル トランペット
(ANGEL TRUMPETS)
エンジェルズ トランペット
(ANGEL'S TRUMPETS)
デビルズ トランペット
(DEVIL'S TRUMPETS)
学名 ブルグマンシア スアベオレンス
(BRUGMANSIA SUAVEOLENS)
ダチュラ メーテル
(DATURA METEL)
分類 ナス目、ナス科、
キダチチョウセンアサガオ属
種類 多年生植物
猛毒植物
草丈 3〜10m
開花 夏〜秋
花色 桃、白、黄、橙
花径 15cm
花長 15〜50cm
毒性 トロパンアルカロイド、スコポラミン、
ヒヨスチアミン、ピナンアルカロイド
アトロピン
症状 幻覚症状、意識混濁、意識不明、頻脈、
筋肉弛緩、錯乱、意識不明、昏睡、
呼吸停止、致死
部位 植物の全てが猛毒
根、幹、枝、葉、花、実、種
原産 ペルー
言葉 偽りの魅力
あなたを酔わせる
備考 日本に現存する最も危険な猛毒植物
犬猫子供には注意が必要
撮影 服部緑地都市緑化公園
宇治市植物公園
大阪駅前植込
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