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ビンロウ その真っ赤な実が『死の実』と呼ばれる理由

檳榔 (ビンロウ)


ヤシ目、ヤシ科、ビンロウ属、
その樹高は10〜30mにまでなる高木で
原産はマレー半島とされている。


日本へは薬用目的とし、奈良時代には渡来を
しているものである。

これに成る実は、大型のドングリの様な形の
もので、その色は真っ赤でとても美しいもの。
木に成っている状態のこの実に触れてみると
結構硬いものであるが、地面に転がったのを
握るとぷにぷにとしていて柔らかい。


この真っ赤な実は、噛みタバコにもなるもので
東南アジアの一部の地域では、チューインガム
の様にこれを噛んで、その刺激を楽しむという
習慣のあった植物となる。


この種子には、アレコリンなるアルカロイドの
毒成分が含まれている。チューインガムの様に
噛んでいると、口の中は真っ赤になるものだが
そのアルカロイド成分が口中の粘膜を通じ吸収
されてしまうのだが、その際には興奮や酩酊と
いった感覚に陥る事から、煙草(タバコ)同様に
常習性を持ってしまうものとなる。


噛んだ後に、それを飲むと胃が荒れてしまう事
から、それは吐き捨てるのである。そうすると
地面に赤いシミが多数残るので、景観上からも
宜しくないものと言えるものである。


この実が『死の実』と呼ばれているのは、この
実の中には発癌性物質が多く含まれている為で
コレを常習化して噛んでいた者には、咽頭癌を
引き起こす例が多かった事にある。

幸いにも日本ではこの木の実を口に入れ楽しむ
習慣はあまりなかった様でもある。見た目には
美しい赤い実であるが、正体は恐ろしい有毒な
実なのである。



和名 檳榔 (ビンロウ)
   檳榔樹 (ビンロウジュ)
洋名 アレカ ナッツ (ARECA NUTS)
   ベテル パーム (BETEL PALM)
   ベテル ナッツ (BETEL NUTS)
   ピナン (PINANG)
学名 アレカ カテチュ (ARECA CATECHU)
分類 ヤシ目、ヤシ科、ビンロウ属
種類 高木
草丈 10〜30m
開花 夏
花色 白、黄
花径 25mm
毒性 アレコリン(ARECOLINE)
   アルカロイド
症状 喉頭癌を誘発する危険性を有する
原産 マレー半島
渡来 奈良時代 (薬用目的)
言葉 崇高美
   熱愛
   童心
撮影 2024年11月16日
場所 沖縄県久米島

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