シキミ 死者を弔う聖なる樹木
樒 (シキミ)
アウストロバイレア目、マツブサ科、シキミ属
シキミは、日本を原産とする常緑小高木であり
猛毒植物でもある。その毒性から国内では唯一
の劇物指定をされているもの。
シキミは特に仏教や神道において死者を弔う際
用いられる神聖な植物とされ、墓地や寺院など
に植えられていることが多い。
シキミは艶のある緑色の葉と、星形に広がった
白や淡黄色のとても美しい花を咲かせてくれる。
以前に関ヶ原の山林の中に見つけたものと違い
今回撮影した日本新薬山科植物資料館のものは
白い花であり、どちらも花が美しいのは見ての
通りとなる。
シキミには、前述の通りその植物全体に有毒の
成分が含まれ、『アニサチン』や『シキミ酸』
という成分が神経毒として作用する。これらの
成分は摂取すると中毒症状を引き起こし、重篤
な場合は命に関わる事もあり、シキミは決して
口にしてはならない植物となる。
シキミはその毒性から『邪悪を寄せ付けない』
と考えられ、仏教では供花に用いられてきた。
特にお墓やお寺に供えられる事が多く、死者の
霊を守る象徴とされている。シキミの枝葉には
故人の魂を清め、悪霊を遠ざけるとされるため
葬儀や法要の際に使われることが多い。
仏教だけではなく、神道でも神聖な植物とされ
シキミは神前や祭壇にも供えられる。日本では
シキミの香りが神聖さを象徴し、神聖な場所を
清めるためにも用いられることがある。
この『シキミ』という名前は、古代日本語での
『神聖』(シキ)と『実』(ミ)に由来すると
言われている。
実の形が酷似するのが『八角』(ハッカク)と
呼ばれている調味料であり、『スターアニス』
の洋名でも知られている。世界でも人気のある
調味料であるが、山の中で『シキミ』を発見し
その実を『スターアニス』と思って持ち帰って
調理して事故となったケースがある。
この実は実際に横に置いても分からない程に
酷似しており、判別の仕方はその香りの有無
で識別ができる。
葉を千切って匂いを嗅ぐと、お香の匂いが
することから、『香木』(コウノキ)や
『多香木』(タコウボク)の名称も付く。
和名 樒 (シキミ)
櫁 (シキビ)
香木 (コウノキ)
香柴 (コウシバ)
多香木 (タコウボク)
仏花 (ホトケバナ)
仏前草 (ブツゼンソウ)
墓花 (ハカバナ)
花柴 (ハナシバ)
花榊 (ハナサカキ)
洋名 ジャパニーズ スターアニス
(JAPANESE STAR ANISE)
学名 イリシウム アニサタム
(ILLICIUM ANISATUM)
分類 アウストロバイレア目、マツブサ科、
シキミ属
種類 常緑小高木
猛毒植物(劇物指定)
草丈 2〜5m
開花 3〜5月
花色 白、黄緑
花径 25〜30mm
毒物 アニサチン、イリシン、ハナノミン、
シキミ酸
症状 嘔吐、下痢、目眩、痙攣、意識障害、
血圧上昇、呼吸困難、昏睡状態、致死
原産 日本(本州〜沖縄)
言葉 猛毒
甘い誘惑
援助
撮影 日本新薬 山科植物資料館
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