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アロエ 過酷な環境にも負けない生存戦略


木立蘆薈 (キダチアロエ)


キジカクシ目、ツルボラン科、アロエ属
アフリカの砂漠地帯を原産とする多肉植物であり
生存能力がとても強い事でも知られている。


アロエが植物界の中、長く生き残ってきた理由は
その環境適応力と特有の生存戦略にあるとされる。


最初に挙げられるのは、乾燥環境への適応能力の
基礎となるのが、その多肉性から葉の内部に多く
の水を蓄える能力を持っているもので、この性質
により、降雨量が極端に少ない砂漠や乾燥地帯に
於いても生き延びることができる。その厚い葉は
水分の蒸散を防ぎ、長期間の乾燥にも耐えられる
構造となっている。この葉の表面にはクチクラ層
が発達していて、水分の蒸発を抑制させている。


またこのアロエは他の竜舌蘭(リュウゼツラン)
や、仙人掌(サボテン)と同様に、特殊な光合成
スタイルをもっており、これは『カム型光合成』
(CAM光合成)と呼ばれるもの。この光合成とは
夜間に気孔を開け二酸化炭素(CO2)を取込み
日中は気孔を閉じ水分の損失を防ぐというもの。
これにより乾燥地帯でも効率的に光合成を行って
リンゴ酸など有機エネルギーを生産させる代謝の
方式がこの『CAM』という事になる。


アロエはその種子だけではなく、株分けや挿し木
など無性繁殖でも増やすことができる。この特徴
により、環境が厳しい地域でも効率よく個体数を
増やすことができるのである。


アロエの葉の内部に含まれるゼリー状の部分には
アロインやアロエベラゲルなど化合物質が含まれ
創傷治癒促進、皮膚の保護、抗炎症、抗ウィルス、
など薬用効能が得られる有用性から、世界に広く
扱われる事となった植物でもある。また葉の内部
のゼリー実は食感もよく抗酸化性をもつ健康食品
としても利用される。この葉の外皮部分には苦味
や毒性のある物質が含まれ、草食動物からの食害
を防いでいる事や、虫類や病気にも強い点がこの
植物の長寿の理由となっている。


アロエは、乾燥地帯という過酷な環境に特化した
進化を遂げ、効率的な水分管理、生理的な適応、
そして外敵からの防御といった多くの特性を持つ
ことで、植物界で成功を収め、生き残ってきた。


木立蘆薈 (キダチアロエ)に於ける個体の寿命は
上手に育てれば、一般的には30〜50年とも
言われるが、最大種では100年を超えるものも
あるとされる。そんな長寿アロエに是非、会って
みたいものである。



和名 蘆薈 (アロエ)
   蘆薈 (ロカイ)
   医者不要 (イシャイラズ)
   木立蘆薈 (キダチアロエ)
洋名 アロエ (ALOE)
中名 蘆薈 (ルーホエ)
学名 アロエ アルボレスケンス
   (ALOE ARBORESCENS)
分類 キジカクシ目、ツルボラン科、アロエ属
種類 多年生草本
   多肉植物
草丈 1〜2m
開花 一年中
花径 1cm
原産 南アフリカ、地中海沿岸、アラビア半島
渡来 鎌倉時代(医療目的)
言葉 万能
   健康
撮影 清荒神参道

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