マートル 世界の美と愛の女神の化身と呼ばれた花
マートル(MYRTLE)
フトモモ科、ギンバイカ属の自身の常緑低木
和名では、銀梅花 (ギンバイカ)と呼ばれる
銀梅花は結婚式の花輪などにも使われており
祝ノ木(イワイノキ)の別名はそこから付く
もの。花は写真の様にオシベが長く伸びる様
が華やかなのと、日陰にあってもその白色が
鮮烈な印象を与える程に純白なので、花嫁の
花輪にするには相応しい清楚さと優雅さとを
兼ね持っている。
この植物が愛されてきた理由のもう一つは葉
のカタチの良さにもある。触れてみると硬さ
も申し分無く、虫に対する抵抗力もある様で
その害は一切、見られなかった。
この銀梅花は、花も葉もハーブとしての薬用
効果もあり、精油の原料にもなる。
ハーブのその名称は洋名と同じで、マートル。
この葉にはユーカリにも似た芳香を備え持ち
肉料理にも使われ、ヨーロッパでは月桂樹の
代用にも使われるものとなる。その成った実
も挽く事によりスパイスとしても使える。
花姿や葉姿と共に優れ、葉はハーブに、実は
スパイスに、精油や薬用にも優れる。総てが
優等生な樹木なのである。
海外では家の垣根にこの銀梅花で外周を取り
囲ませる家もあった様で、この万能な樹木が
世界でも愛されてるかが分かるものである。
与謝野晶子が、この花で一句、詠んでいる。
『なつかしき 衣の筥(はこ)の 花匂ひ
百をあつめし 初夏(はつなつ)のかぜ』
初夏の衣替えの時、衣装箱を開けるとその中
からは昨年、入れた花の香が初夏の風で匂ひ
たつ中、あれやこれやと品定めをする女性の
それを楽しむという、とても微笑ましい情景
を詠まれた一句である。
ハーブにもなるこの銀梅花の花を衣装箱の中
に収めたのであろう。香りも良く防虫効果が
あるのならば、これ以上のものはないのだが
色々調べてもその効能を示す文献に辿り着く
事は叶わなかった。
この花は昔から神話などにも登場する。
純白な花から純潔や処女性、高貴、気高さ等
のイメージが強い植物であり、古代社会の中
で最も重要な言葉へ移り変わっていく。子孫
繁栄はその当時の人々にとっては大切なもの
であった。
この花にはその直接的な男女の性愛の営みを
美徳とする事から世界の有名な女神達の象徴
にもなっている。
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ヴィーナス (VENUS)
ローマ神話では、ヴィーナスを象徴する花
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ハトホル(HATHOR)
古代エジプトに於いては、愛と歓喜の女神
ハトホル(原語ヘト ヘル)の象徴として。
太陽神ホルスの母、天空の女神でもあった。
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イナンナ (INANNA)
シュメール文化では愛と美と性の女神である
イナンナ、この女神へと献花されるものこそ
がこの花であった。
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アフロディーテ (APHRODITE)
ギリシャ世界で愛と美と性の女神で知られる
アフロディーテを象徴するのがこの花だった。
おっと、ローマ神話のヴィーナスこそがこの
ギリシャでのアフロディーテでもあった。
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と云う事で、銀梅花は世界でも古の時代より
広く世界中から愛されてきた植物なのである。
冒頭2枚は、暗くなってから撮影したものだが
こちらの数枚は、日が高い状況で撮影。次回は
夕闇の中での撮影トライアルしたいと考える。
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和名 銀梅花 (ギンバイカ)
銀香梅 (ギンコウバイ)
銀香木 (ギンコウボク)
祝ノ木 (イワイノキ)
洋名 マートル(MYRTLE)
ローマン マートル
(ROMAN MYRTLE)
コモン マートル
(COMMON MYRTLE)
学名 ミルタス コミュニス
(MYRTUS COMMUNIS)
分類 フトモモ目、フトモモ科、ギンバイカ属
種類 常緑低木
草丈 5m
開花 夏
花色 白
花径 10〜30mm
花弁 5枚
雄蕊 多数(50〜100本)
原産 地中海沿岸部
言葉 高貴な美
愛
愛の囁き
撮影 大野川緑陰道路
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