川口基督教会 関西大空襲と阪神淡路大震災を乗り越えた煉瓦造の教会

川口基督教会
（カワグチキリストキョウカイ）


大阪市西区川口にある教会で、大阪はこの
川口町という場所が外国人居留地であった。
この地に建てられたのがこの川口基督教会 、
日本聖公会大阪主教区の主教座聖堂・大聖堂
で、英国式煉瓦造のゴシック様式に作られた
建築がとても美しい教会となる。


米国聖公会堂教師として1859年/安政6年
に長崎に着いたＣ M ウィリアムズ主教が
大阪開港に伴い、川口の地に移住をした後
『オオサカチャペル』の名で教会を開かれた
のがこの大きな教会の始まりとなっている。
この当時、この川口町界隈には来日した多く
の宣教師が移り住み、ミッションスクールを
始め色んな施設が建ったとの記録がある。


第二次世界大戦の最中にはこの教会自身も
母国アメリカの第三次大阪空襲により甚大な
被害を被ったものである。戦時下に於いての
キリスト教の教会は、敵国の宗教であるとの
迫害などの被害には一歳遭う事はなかった。


大日本帝国憲法に於いても国民の権利として
宗教の自由は約束されていたのである。勿論
その宗教活動が国家や他の国民に対して重大
な危機を及ぼさぬ範囲に於いてとの注釈付き
のものである。


この川口教会は、川口居留地にてその当時の
面影を残す最後の洋館となつまているのだが
１９９５年に発生した阪神淡路大震災の為に
床面が沈み込んでしまい、最大５０ｃｍもの
ズレが生じて傾いて、その屋根が崩壊した。



その被害は甚大で、危険であるという理由で
一時は取壊される予定となったのが市民団体
や信徒の保存を求める声が集まって、教会は
３億円の資金を集め、修復工事が進められる
事となった。


その修復作業はとても難しいものとなった。
当時の設計図が何も残されてはいなかった為
京都大学名誉教授の金多潔をはじめ学者４人
が技術面をバックアップ。学生を動員しての
煉瓦を一つ一つと数えながらの、古い写真を
コンピュータ解析しての設計図の作成作業で
修復に関してはジャッキアップ工法によって
行われたものである。


そのおかげでこの様に見学ができた事に感謝
をするものである。この施設に関しては本来
『生きた建築ミュージアムフェスティバル』
で見学すべききを、予約をさせて頂いた上で
貸切にて特別見学の場を頂いたものとなる。
これも改めて感謝の言葉を重ねさせて頂く。

建物外観と、建物周辺に植ってた植物の写真

此処からは内装写真、ステンドグラスが綺麗

名称　日本聖公会　川口基督教会
　　　（ニッポンセイコウカイ
　　　カワグチキリストキョウカイ）
洋称　KAWAGUCHI CHRIST
　　　CHURCH CATHEDRAL
様式　英国式煉瓦造のゴシック様式
　　　礼拝堂屋根、木製シザーズ トラス方式
所在　大阪府大阪市西区川口１－３－８
最寄　阿波座駅（大阪メトロ
施行　1920年/大正9年
改修　1998年/平成10年
設計　ウィリアム ウィルソン
施行　岡本工務店
改修　一粒社ヴォーリズ建築事務所
設備　パイプオルガン （リンク社）
歴史　当協会建築の礼拝堂竣工（1920）
　　　世界大戦中の三次空襲被害（1945）
　　　大阪教区主教座聖堂に昇格（1950）
　　　阪神淡路大震災で崩壊被害（1995）
　　　登録有形文化財に登録（1997）
　　　震災被害の修復作業（1998）
　　　大阪府指定有形文化財に指定（2009）
　　　イケフェス（※）に指定（2013）
文財　大阪府指定有形文化財指定

※生きた建築ミュージアムフェスティバル

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