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プルメリア 気品あふれる南国の花の秘密に迫る


プルメリア ルブラ
(PLUMERIA RUBRA)


南米が原産の、樹高が10m程になる落葉低木。
リンドウ目、キョウチクトウ科、に分類される
樹木であり、和名で印度素馨 (インドソケイ)の
名がつく。この『素』は『白』を表す言葉であり
『馨』は『美しい芳香』を表すもの。


元々はこの『素馨』は『ジャスミン』を指した名
を表しており、このプルメリアからも香り成分
が抽出されて、フレグランスとして利用される。


このプルメリアの花はとてもシンプルなもので
優雅な印象を与えてくれる佇まいのものだが、
その理由には雄蕊や雌蕊などの植物の生殖部が
表には見えていない事にある。同じ南国代表の
ハイビスカスの花は、逆にプルメリアとは逆に
突出した雄蕊と雌蕊がその花の魅力でもあって
まさにプルメリアとハイビスカスの花の美には
対極に位置する南国花であり、それぞれに違う
花の魅力と美しさをもっていると、過去にこの
ブログに、そんな内容の記事を書いた事がある。


その時は、このプルメリアの花の受粉について
解説をしていなかったのを、この記事で補完を
しようと考えている。


このプルメリアは、その分類の系統の科目とは
夾竹桃(キョウチクトウ)である。少し前にも
記事にさせて頂いたばかりである沖縄夾竹桃も
日本全国にある夾竹桃(キョウチクトウ)等とは
同じ仲間なのである。これらキョウチクトウの
仲間に共通するのは漏斗状の花形状であること。


この花には赤外線に反応する色変化はない為に
ハチ、アブ、チョウなどの昼行性の吸蜜昆虫は
反応しない。夕刻過ぎに強く芳香を放つ花へと
誘われるのは雀蛾(スズメガ)の仲間である蜂雀
(ホウジャク)と呼ばれる蛾である。


日本には蜂鳥(ハチドリ)はいないが、スズメガ
を始めとしたこれらの蛾は、ハチドリと同様に
ホバリングしながら長い口吻を伸ばして花蜜を
吸う昆虫である。その口吻の長さは蝶のよりも
長く細く、プルメリアの花の奥の部分に潜んだ
雄蕊と雌蕊とに接触し、それを色んな花で行い
受粉の手助けをする受粉協力者となるのである。

めでたい話の様であるが、プルメリアは香りは
出すが、蜜は出さない。甘い香りに誘われては
次々とこの花を梯子するものの、一切の蜜には
ありつけないという、無料報酬作業をさせられ
何も満たされない労働をさせられるのである。

天南星(テンナンショウ)みたいに、花の中へと
閉じ込められて、その一生を終わらされられる
ものもあるのでそれよりはまだマシかもである。


植物の花は、表面上の美しさも大事ではあるが
その中に潜んでいる秘密や戦略について知れば
知るほど面白いのである。



和名 印度素馨 (インドソケイ)
洋名 プルメリア (PLUMERIA)
   メリア (MELIA)
学名 プルメリア ルブラ
   (PLUMERIA RUBRA)
分類 リンドウ目、キョウチクトウ科、
   インドソケイ属、インドソケイ種
種類 落葉低木
草丈 3〜10m
開花 年中
花色 クリーム、イエロー、ピンク
花径 8〜10cm
原産 カリブ海諸島、中南米
言葉 恵まれた人
   気品
撮影 2024年11月14日〜17日
場所 沖縄県久米島の島内の彼方此方

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