伏見ビル
伏見ビル (フシミビル)
1923年に建てられた当初は、ホテルとして
の利用目的に作られたビルである。三階建ての
その階の窓の上部には丸窓風に十文字柵を構え
その意匠は客船をイメージさせるモダンなもの。
建物全体はアールデコ調をモチーフとしており
角を全て丸く仕上げている事から優しい印象の
建物に仕上がっている。
海外からの観光客を誘致する機関として鉄道省
の中に『国際観光局』が設置され、大正末から
昭和初期にかけ、日本全国に洋風ホテルの需要
が大いに高まった時代である。伏見ビルも当時
の増加し続ける海外からの観光客をもてなした
ホテルとして活躍したのである。
伏見ビルの外観である。
その特徴的な丸窓飾がこのビルのシンボリック
デザインは、今も我々の目を楽しませてくれる。
入口周辺部の画像である。玄関部のアーチ窓、
そして洋風の照明が設置される。玄関部には
素焼タイルが貼られていてシックに仕上がる。
正面から入るとロビーのセンターに手水があり
花が活けられていた。ウェルカムフラワーとして
当時も海外からの宿泊客を出迎えたのであろう。
今回のお花はエリンジウムマグネーターである。
各階の階段や通路を撮影したものである。
壁はオフホワイト、建具や窓枠はクリーム、
手摺や巾木はチョコレート、床はコパーと
ドアノブや金具類も色統一、配管も白塗と
色の統合が徹底されていて気持ちが良い。
人が写り込んでいるが、こんな感じで建築
を楽しみながら撮影している姿である。
この建築展で思ったのは、圧倒的に女性が
多いということ。美の探究心に貪欲なのは
素敵なことだと思う。
建物の中にはあちこちにアートが置かれてて
それも楽しい。また、控えめな感じが良い。
インコのイラストが、これまた可愛い。
もうひとつ、この建物で素敵だったのは
各階の窓に必ず置かれている植物である。
この建物の四色に、緑が加わって完成形
としたのかも知れない。
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
名称 伏見ビル(フシミビル)
所在 大阪府大阪市中央区伏見町2ー2ー3
建設 1923年 (建設)
設計 長田岩次郎 (辰野片岡事務所)
工法 鉄筋コンクリート造、三階建
備考 国登録有形文化財
番号 イケフェスエントリーNO.62
撮影 2023年10月28日(土)
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
#生きた建築ミュージアムフェスティバル大阪
#イケフェス大阪2023
#OPENHOUSEOSAKA2023
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?