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【毎週ショートショートnote】:※957文字「宇宙一エモいバックドロップ」

近未来、AIを搭載した「最新鋭アンドロイド」が新たな時代のプロレスを切り開いていた。

大企業が最先端技術で開発したPHV(プラグイン・ハイブリット)レスラー”ネオ・Z世代”

商店街が開発したPV(ピップエ〇キバン)レスラー”ショウワ・ジョー”

甲子園ドーム。観客席を埋め尽くす観客たちの熱気が、リング上の二体のロボットを包み込む。

<ゴングが鳴り響き、世紀の一戦が幕を開けた>

ビシッ!ドーン!

「おっと!ネオが、450Vの稲妻チョップを繰り出しました。これは痺れます!」

ギュイン!バチバチ!

「量子演算クラッチです!ネオは量子コンピュータによる演算で、ショウワの関節をありえない角度へ極めています!あちこちから煙が出ています!」

ショウワはマットにうずくまり、故障したのかピクリともしなくなった

「動け―ショウワ! 動けー」

「観客から全日本の馬場選手を彷彿とさせるコールが贈られています!」

「ショウワ立つんだ!立つんだジョー!」

ネオは倒れているショウワに、腕に搭載された電磁レールガンを発射した。

「ガガガ!!ガガガ!」弾丸は初速度2040m/s(マッハ6)の衝撃

ーもはやこれまでと、観客の誰もが思ったー

すると、ショウワの目の豆電球がピカッと光り立ち上がった

「さすがショウワ!内蔵されたブラウン管テレビが衝撃で直ったようです。更に、あれほどの猛攻を受けてもビクともしていません。さすが週6日勤務が当たり前!タフネスとモーレツさは負けません」

「ショウワが『オヤジのゲンコツ』を繰り出しました、これは痛い。ロケットペンシルの様に次々とパンチが繰り出されています!ネオは初めての痛みでしょう。打たれると弱い!」

「ショウワ、腕から掃除機のコードを出してネオの身体を縛っています。胸のコードシュルシュルのボタンを押しました!ネオはコードが締まって動けません!」

ショウワ、次は何をするんでしょうか 

あぁっ!大技・バックドロップです!

<これで勝負あったかと思われたが、ショウワはバックドロップを途中で止めてしまった>

ショウワのAIが命令に逆らって自ら停止したのだ。

ー何が起こったか分からない。観客が静まったー

「バックドロップが描く宇宙一エモい放物線は、新旧栄光の架橋だったのです!日はまた昇りました!

しばらくして、大熱狂と歓喜の渦が巻き起こった


たらはかにさん いつも大変お世話になっております

申し訳ありません。またまたまたやってしまいました。

お前は、もう文字数を守る気が無いだろと・・・

楽しくなってしまってつい・・

もう少しだけ、毎週ショートショートの片隅に私を置いてあげて下さい。

次は本気出します。


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