【毎週ショートショートnote】お題:甘夏の肉離れ<華麗なる夏の日>
このひと夏だけ、華麗なる日々を過ごしたい
俺は実業家で、休む暇もなく働いた。
20年後、俺の貯金は凄いことになっていた。預金通帳の預金額は、たこ焼きの様に数字が何個も並んでいる。
俺はこの夏、自分へのご褒美として、おもいきり贅沢することにした。
7星高級ホテルに泊まり、浜辺ではスイカ割りでなく、マスクメロン割りを楽しむ。
プロ野球のバックネット裏の特等席で、チョンマゲのカツラを被り、カルピスの原液を瓶で飲む。
高級ブランドの真っさらな白いTシャツを着て、取り寄せたカレーうどんを勢いよく食べる。
ベルマークのグランドピアノ、Dr.キャッポー、睡眠学習まくら、Maxellのメタルテープを10本購入した所で貯金が尽きた。
こうして、ひと夏の甘い体験は終わった。
<今日もカレーだな>
俺はこの具無しカレーを「甘夏の肉離れカレー」と呼んでいる
デザートは近所で咲いていたツツジの蜜。
生活が苦しくなっても、体験にお金を掛けると悔いは残らないものだ。
noteを読んでるZ世代のヤング達!
ネタ元が分からない時は、お父さんと、お母さんに聞くんだよ!
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