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【毎週ショートショートnote】お題:「もじもじ社」(後編)&おまけ
天職幸太郎は新卒で入った大学の職員をとある理由で辞め、就職活動をしていたが、何枚も履歴書を書くのが苦痛になっていた。
そこであらゆる代筆を請け負う「もじもじ社」に電話した。
「履歴書が、なぜ手書きなのかご存じですか?文字を見れば、やる気、教養、適性が全てわかるのです。例えば、銀行員では誤字脱字が無く丁寧な印象を与える文字でなければいけません。『人は文字が9割』我が社にお任せください!」
「お願いします!」
天職幸太郎はもじもじ社に履歴書代筆を依頼したところ、書類審査を通り、最終面接まで進んだ。
<面接時には文字が綺麗であることをいつも褒められた>
これで合格間違いなしと結果を待ったが、数日後、履歴書と手紙が入った封筒が送られてきた。
「この度は採用を見送らせていただくこととなりました。今後とも、天職”辛”太郎様のさらなるご活躍を心よりお祈り申し上げます。採用担当」
手紙は縦書きで、墨を使用した達筆な文字で書かれていた。
<前編>
今週のショートショートは表裏お題で繋がっています。前編もお楽しみください。
お題【誤字審査】
そんなの普段から誤字探ししているから、わざわざお話書きたくないですよ、たらはさん! もっとロマンチックな恋愛の話書かせてくださいよ!
そんな皆様にはこちらを。
裏お題【もじもじ社】
|д゚)チラッ
おまけ
昭和の時代。有名な電化製品の大企業では、新入社員はひたすら模範数字を書く練習をさせられました。
これは、数字に癖があったり、読みにくかったりすると、大きな災害やミスを引き起こす可能性があるからです。
エンジニアや建築設計者は、文字が綺麗であることよりも、丁寧さ、正確さを心掛けて下さい。それがプロとしての信頼感を示す上で重要な要素となります。