見出し画像

【毎週ショートショートnote】お題:「誤字審査」(前編)

天職幸太郎は大学卒業後、栄念(ええねん)大学の職員となった。

彼は栄念大学一筋で浪人5年を経て念願の合格。更に大学で在籍8年(留年を4回繰り返した)の無類の勉強好きであり、栄念大学の経営に貢献したとの理由で採用された。

初仕事は、入学試験の採点だ。

「こんな重要な仕事を光栄です!」

「あぁ、君は初めてだったね」

<先輩職員は長机に答案用紙を並べ出した>

「君、そこの扇風機を付けて」

天職幸太郎が扇風機のSWを付けると、答案用紙は部屋中を舞い上がり、床面に落ちていった。

「一番遠くに飛んだ答案から不合格とする」

「えっ?何故ですか?」

「遠くに飛んだという事は、白紙が多く軽いということだ」

「そんなことで合格者を決めるんですか!」

「いいか、少子化でどこの大学も経営難の状態だ。合格者は誰だっていい。職員も無駄な仕事をする時間など無い」

「これでは、あまりにも不誠実ではありませんか」

「君が受験の時の合格基準は、名前の記入に誤字脱字があるかどうかだった。おっと、5時になったので続きは明日にしよう」


<今回のショートショートは前編、後編になっています>

よろしければ後編もお楽しみください


お題【誤字審査】


そんなの普段から誤字探ししているから、わざわざお話書きたくないですよ、たらはさん! もっとロマンチックな恋愛の話書かせてくださいよ!

そんな皆様にはこちらを。
裏お題【もじもじ社】
|д゚)チラッ


いいなと思ったら応援しよう!