【毎週ショートショートnote】:お題「山のポ」
俺は世界で有名な登山家であり、山頂写真家だ。
登山とは人生の縮図に例えられるが、体力、精神力の限界を乗り越えなければ命を落とす。学校での勉強なんぞ、本物の登山に比べたら取るに足りないものだ。
登る過程で様々な困難や葛藤に直面し、それを乗り越えることで、真に成長することができる。
ある日、神様に出くわした。
「我は山のポ(歩)神様だ。山を八百万歩登った、お前の願いを一つだけ叶えてやろう」
「俺は生涯最後にエベレスト登山に挑戦する。俺の目をエベレスト標高8,848メートル先の景色が見渡せる様にしてくれ」
「本当にそれで良いのか?」
「俺が山頂からの景色を写真に撮るのは、ビジネスだからだ。本当は俺だけが見える景色を楽しみたい」
「景色を独り占めとは…人とは面白いモノよのぅ」
俺は山神に8,848メートル先まで目が見える様にしてもらった。
それから10年後、俺は悲願のエベレスト登頂を成し遂げた。
頂上から景色を見渡すと
下の景色が何も見えない・・・
そうか、俺は学校での積み重ねを乗り越えていなかった
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【海のピ】です