【発達たまごは燃費が悪い。】
「たくさん頑張ってきたんですね」
この言葉に、どれだけ救われたことか。
こぼれ落ちそうになる涙を抑え、彼女にこれまでの話を続けた。
ここはとある心療内科。僕はこの日、発達障害者になった。
「注意力散漫」✖︎「過集中」
小学校であったことを聞かれても、たいてい「図書館の本が、、」とか「今日の算数は、、」とか、何もかもが自分中心の世界。
『友達はどんな格好してた?』とか『どんな話をしたの?』なんていう、いわゆる親の期待するような質問には、一切答えられなかった。
これっぽっちも覚えていなかった。
母には度々『もっと周りに関心をもちなさい』と言われたっけ。
人に関心をもつどころか、今日〆切の宿題さえも入れ忘れたまま登校してしまうんだから、当時はとても苦労をかけたと思う。
人付き合いの少ない僕のことを心配してくれたのだろうし、今も変わらず母は優しい。
とはいえ、そうそう上手くはいかず、やっぱり自分の世界の住人で。
「人が目に入らない現象」は止まるところを知らず、なぜそんなことが起こっているのかも、頓と見当がつかぬ。
何でも薄暗いじめじめした所でニャーニャー泣いていた事だけは記憶している。
おっと、いけない。漱石に脱線してしまった。
学級文庫を毎年全巻読破し続けたり、夏休みの宿題を8月31日にギリギリ間に合わせたりしているうちに「無事に」卒業してしまった。
関心の狭さ、のめり込み、先送り、脱線。
ヒントは散りばめられていたのに、僕はその答えを知らなかった。
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🍀気づきと、希望と、キッカケと。🍀
2年間、教師ののちテストを作る編集部
学童、パソコン教室を経て、
ゲーム関係のカスタマーサポート。
「生まれたての感情を孵してゆく」
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