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11「問題所有の原則」ゴードン博士の「親業」で出会う博士の言葉

ゴードン博士のご著書「親業 子どもの考える力をのばす親子関係のつくり方」(大和書房)から、私が1人の親として、また「親業」のトレーニングのインストラクターとして、気づきや感動した文章をシリーズでご紹介してます。


能動的な聞き方を使うのに適しているのは、子供が問題を持っていることを明らかにしたときである。こういうときは子供が感情を表現するので、親にそれとわかる。子供はみなその人生で落胆、あせり、苦痛などを味わう場面にでくわす。これを解決するのに他からの助力を、得ることができる子供は、心理的・精神的にも健康を維持し、さらに力強く成長して自信を持ち続ける。(4章P65)

能動的な聞き方は、問題をもっている人が自分で解決策を見つけられるようにする強力な方法であるが、これが効果をもつためには、助ける側、つまり聞き手が、問題は相手の所有であることを認め、相手が自分で解決策をさがすのを、はじめから終わりまで許すことができなければならない。


人の悩みや問題はその人に所有権があるという「問題所有の原則」の考え方を理解するのに、最初は戸惑いがありました。子どもが悩み苦しんでいる状態を見守ることが出来ず、子どもの代わり自分があれこれ解決策を授けるのが親の役目のように思い込んでいました。

しかし、我が子といえども私とは考え方も感じ方も違う一人の独立した人格を持った人間です。その子の悩みや問題の解決策はその子の中にあることを信頼することが大切だと気づきました。

悩みや失敗を経験し、それを自分で考え、乗り越えることで自信をつけ、成長するのが人だという当たり前のことが、我が子可愛さで、親になると見えなくなりがちです。

親にできる支援は、子どもの悩みや問題に耳を傾けること。親が能動的な聞き方をすることで、子どもは自分で心の整理をし、問題を乗り越えていく力があることを何度も経験しました。


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