14 「問題解決のプロセス」ゴードン博士の「親業」で出会う博士の言葉
ゴードン博士のご著書「親業 子どもの考える力をのばす親子関係のつくり方」(大和書房)から、私が1人の親として、また「親業」のトレーニングのインストラクターとして、気づきや感動した文章をシリーズでご紹介しています。
能動的な聞き方は、子供が自分で何が問題かを見つけ出し、自分の内部で問題解決のプロセスを開始するのを助ける手段を、親が手にしたことと同じである。「疑問形での隠れた感情のメッセージ」に直接解答を与えてしまうと、子供が取り組んでいる本当の問題に関して、親がカウンセラーとなる機会を放棄する結果となることが多い。
(第4章P86)
親業の能動的な聞き方は、子どもを親が思う方向に導くためではなく、子ども自身が自分の悩みや問題を解決するプロセスに丁寧に付き合うことを大切にしています。
ゴードン博士がとても大切にしている「問題所有の原則」にとても共感しています。ただ、親としては子どもに適切なことを教えたい、もっと幅広い視野を持たせたいという思いが強くて、子どもが自分で解決できると信じきれない、待ち切ないというジレンマに陥る時が多々ありました。
そのような時には必ずと言って良いほど、子どもから抵抗や反発があるので、自分の余計な一言に気づき、そこから再び「能動的な聞き方」に戻るということが度々ありました。
講座を受講されたママから聞いたこんなエピソードがあります。
幼稚園に行きたがらない子どもに「そんなに幼稚園に行くのが嫌なら休んでもいいよ」と伝えたら、喜ぶどころか「幼稚園は嫌いじゃないもん」と反発されて、
慌てて「能動的な聞き方」に戻し、しっかり話を聞くことに。
子どもは幼稚園が嫌いなのではなく、ママと離れる時に寂しくて、悲しくなるとのこと。ママはすぐに帰らずに私がお友達と遊ぶのを確認してから帰ってほしいという解決策を自分から出してきてびっくりしたそうです。
能動的な聞き方を適切なタイミングで実践できるようになると、驚くほど子どもたちは自分の力で問題を解決していけるようになることを実感します。
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