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息子と父の影法師

2つの影を見て、親子なんだなと思った。

今日は息子と手を繋いで歩いた。天気が良くて、外を歩くには気持ちいい。活発な息子は靴を履くなり歓声をあげて楽しそうだった。

家近くの道路を歩いたとき、ちょうど僕らの前に影が見えた。息子と僕の影だ。普段ひとりで歩くとき、影なんて全く気にしない。でも息子は影を指差して「あーあー」と何かを話しかけている。彼にとって、自分にそっくりな姿が道路に映ったことが、不思議でたまらないのだろう。

息子につられて、僕も2つの影を見た。息子の小さな手を引いてゆっくり歩く僕の影と、よちよち歩きの息子の影を。

いま息子は「パパ、パパ」と言って、僕にたくさん甘えてくる。でも彼はやがて、自分のやりたいことを見つけ、親元を離れていく。妻からは「考えるのが早すぎる!」と突っ込まれるけど。

息子と手をつなぎ、大きな影と小さな影が道路に映る日は、今だけなんだ。だからこそ、息子の時間を楽しもう。僕は影を見ながら、そんなふうに思っていた。



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そのべゆういち
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