見出し画像

北へ。を知っていますか

 これを読んでいる人の中にドリームキャストとPS2で発売された『北へ。』というゲームについて知っている人はいるだろうか。しらないという人は今すぐにYoutubeで調べるべきである。出てくるキャラクターのかわいらしさがまず一番に目を引くだろう。ここでは簡単な紹介にとどめるが、『北へ。』は1999年にハドソン社から発売されたゲームで主人公が北海道で過ごす夏休みの間に少女たちと出会うところから物語が動き始める。『北へ。』の他のゲームとは異なるのは徹底的に北海道をテーマに沿わせているところである。最近は多く目にするようになった現実の風景や地名を取り入れた作品だが、『北へ。』では現実に存在した喫茶店や北海道のトマトジュース、それに北海道の道の駅のほとんどまでもが取り上げられている。20年も前のゲームなので、すでに廃業している店も多くあるのだが、それでも多くの聖地と呼べる場所が残っている。北海道観光ゲームとしての面も持ち合わせているとても面白いゲームなのだ。
 『北へ。』が私にとって最も愛すべきゲームの一つとなった理由はキャラクターでサインの美麗さだけでなく北海道が風景として常に意識されるからである。キャラクターはもちろん現実感のない二次元の絵なのだが、実際の風景でしかも人通りの多い道などが多くバックとなっており、少女たちと現実との距離感が程よい関係を保っているのだ。ゲームをやり終えた後も彼女らの息遣いを感じさせる。たぶん昨日見た夢のような感覚に近いというか、リアリティーのある部分とない部分が混ざり合っているので、むしろ現実感が増しているように感じられる。こんなゲーム体験をしたのは初めてだった。
 ゲームの中に出てくる彼女たちの素晴らしさは言葉のみで表現するわけにもいかないので写真でこれから見ていただく。



図.1 春野琴梨さん

 

見ての通り天使である。

 春野琴梨〈はるのことり〉さんは『北へ。』というゲームで一番最初に出会う美少女だ。主人公とは親戚で幼いころに一緒に遊んだりもしていた。彼女の可愛さはまず名前からあふれ出している。春野という苗字も琴梨という名前も音の響きが心地よい。ハルノコトリ…素晴らしい。
 主人公は彼女の家に泊めてもらいながら北海道観光をするので、最初のうちは彼女と行動を共にするのだが、初めから可愛さ全開でプレイヤーを魅了してしまう。『今日はカニの特売日でーす。』と家庭的なセリフを言う彼女は料理をするのが大好きで、主人公が北海道に来た日にはなんと自宅でカニクリームコロッケをさっと作ってしまうのだ。もうこの時点でプレイヤーの90パーセントは彼女に惚れてしまう。その後も札幌市内を案内してくれたり小樽に一緒に行ったりするのだが、ここでほかの美少女たちとも出会うようになっているが、一週目ではまっしぐらに春野琴梨ルートを選ぶ人が多いだろう。
 彼女の良さはもはや言うまでもないが顔である。図.1は『北へ。』の画集よりお借りしたものだが彼女のほかのどの絵をみても決して顔の形がいびつであったり、美しくない角度がないのである。絵なので当たり前だと思う人もいるだろうが、ほかの漫画やアニメを見ていればわかるようにどのキャラクターも基本的には美しくない瞬間があるのだ。しかし彼女にはそんな瞬間はない。ぜひゲームをプレイしなくとも画集を眺めて彼女の美しさを楽しんでもらいたい。


図.2 椎名薫さん


 次に紹介するのは椎名薫さん。24歳で北海大学病院で研修医をしている本好きの美女だ。彼女とはオープニングの飛行機の中で出会ってから、大学の構内で本を読んでいる彼女に毎日会いに行くことで話が始まっていく。ほかのヒロインに比べて年齢が少し上なこともあって彼女は簡単に主人公に心を開いたり、楽しくおしゃべりをすることもない。しかし一度中が深まれば一転して、彼女のかわいらしくおちゃめな部分がたくさん見えるようになる。 
 椎名薫役を務めるのはなんと『風の谷のナウシカ』のクシャナ殿下や『機動戦士Zガンダム』のハマーン・カーンなどで有名な榊原良子さんなのだ。一部のマニアの間では榊原さんを落とせる唯一のギャルゲーとして評価が高い。実際『北へ。』の声優の中でも演技の面で最も卓越していたのは彼女である。
 私は『北へ。WHITE ILLMINATION』の中でもっとも好きなのが椎名薫さんだ。彼女の話には常に知性とユーモアがあふれているし、彼女は彼女自身のことを冷たい人間と評しているが、主人公と出会ってからの彼女しか知らない私からすると、決してそんな人間とは思えない。むしろよく笑うかわいらしい女性なのだ。それに作中では彼女が最年長者でなおかつ主人公が高校二年生なので、彼女のセリフからは頻繁に自分の年齢を意識させるような言葉が出てきており、それとなく主人公を拒絶するようなこともある。しかしその言葉も彼女の温かい配慮に満ちており、それがむしろプレイヤーに彼女のことを夢中にさせてしまう。
 実際にゲームをプレイしてほしいので彼女との具体的な恋愛の内容には立ち入らないように書いたので、これを読んだらすぐに中古ゲーム屋に向かってもらいたい。ちなみに地方のゲーム屋ではなかなか手に入らないので通販で手に入れるのが最も早い。

今回は『北へ。WHITE ILLMINATION』から二人紹介させていただいたが、続編の『北へ。Diamond dust』ではまた違った素晴らしいヒロインたちがいるので、実際にゲームをプレイして北の大地に彼女たちに会いに行ってほしい。私は『北へ。Diamond dust』のヒロインの中では催馬楽笙子さんというラジオパーソナリティを務める女性が一番好きだ。しかし『北へ。』は中古ゲームの中でも比較的値段が高くなってきており、特に『北へ。 Diamond dust』は中古でも8000円以上もするのでなかなか手が伸びないという人も多いと思う。そのような人もyoutubeなどでそれぞれのヒロインの実況動画がたくさん公開されているので是非見てほしい。

 

 私自身15歳の時に『北へ。』の実況動画を見てから虜となってしまい、この間の冬休みには北海道に実際に行って聖地といわれるようなところにも行ってきました。私が生まれた年と同じ年に『北へ。Diamond dust』が発売されたということで何かシンパシーのようなものを感じてもいますが、他方でこのゲームを当時の肌感覚で感じられないことを悲しくも思います。この素晴らしいゲームを一人でも多くの方に楽しんでいただけるように、稚拙ながらも紹介文を書かせていただきました。ご精読ありがとうございました。
 

 
 








この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?