受験を親としてどう捉える
避けて通れない道
子どもたちにとって受験は避けて通れない道です。高校受験や大学受験ならまだしも、まだ精神的に自立していない小学生の中学受験も拡大しています。特に東京では中学受験の受験者数が2022年は過去最高となり、約30%の生徒が受験しています。
小学生の子どもたちが、偏差値がどうのこうのと話すのを聞くとさすがに違和感を感じますが、これが昨今の現実です。
親としてどう捉える⁉
では、親として子どもの受験をどのように捉えるべきなのでしょうか。EFFECTでも今まさに生徒たちの帰国枠受験の結果が日々届いていますし、私自身も東京で二人の子どもの中学受験、高校受験、大学受験を経験しました。
親としてどうとらえるのが良いのか、率直に書いてみたいと思います。
結果よりプロセス
私は一番大切なのは、親が受験の「結果」を求めないことだと思います。
親が結果を求めて必死になればなるほど、子どもにとってこの受験というチャレンジは自分の課題ではなく、親の期待や希望を背負った別の戦いになってしまいます。
親が、「結果はどうでもいい。ただし、やるなら全力で頑張ってみよう!これ以上できないと思えるぐらい努力すれば、その結果は必ず、自分にとって最高のものとなる。」という考え方をしっかり伝え、どっしりと構えていると、子どもは安心してチャレンジしていくことができます。
そして、実際に合格、不合格やどの学校に進学するかというのは、長期的に見てみなければ、その良し悪しは判断できません。第一志望に合格しなくても、その方が人生にプラスであったなどということはよくあることです。
手元にある間に
また、受験を客観的に捉えてみると、一つの目標に向かって数年間、子ども本人も家族も一緒に取り組んでいくものであり、その過程では受験勉強を通して、計画力や実行力、克己心や忍耐力などの多くの資質を身につけることができます。そして、親としては子どもが自分の手元にある間に、かれらのチャレンジをささえ、将来の歩みの貴重な経験と資質や能力を習得するサポートができます。
これほど貴重な教育の機会があるでしょうか。中学受験であろうが、高校受験であろうが、大学受験であろうが、すべて子どもたちの大きな成長につながり、しっかりした人生観を築いていく貴重な基礎的原体験になります。
高い目標でしっかり支える
親が子どもや塾の課題だとして、結果だけを期待して放っておくのではなく、精神的に子どもに寄り添い、またとない子育ての機会だと捉えて、共に話し合いながら取り組んでいくことが大事だと思います。
高い目標を掲げて、しっかり支えて、子どもたちがそのチャレンジをしていくプロセス自体に、将来につながる貴重な価値があると考えると、受験というのは大変なものでもないかもしれません。