#1「私たちは子どもの声を聞いているのか〜2人の少女のスピーチから〜」
第1回目のオンライン勉強会では、セヴァン・スズキさん(1992年、当時12歳)とグレタ・トゥンベリさん(2019年、当時16歳)のスピーチから、教育者として何ができるか、教育に何が求められているかを探究しました。今回も参加者の皆さまと出会い、率直な意見交換をできたことに感謝しています。
🍃セヴァン・スズキさんのスピーチ(1992.6)
リオ・デ・ジャネイロで行われた地球環境サミットでのセヴァンさんの力強いスピーチを、参加者みんなで視聴しました。参加者からは、当時のセヴァンさんの訴えていることが、今もなお若者により訴え続けられているという気づきの声が上がりました。
セヴァンさんの「学校で、いや、幼稚園でさえ、あなたがた大人は私たちに、世のなかでどうふるまうかを教えてくれます。...。ならばなぜ、あなたがたは、私たちにするなということをしているんですか。」という言葉をきっかけに、改めて未来世代の責任を負う教育者としての姿勢や行動を振り返りました。教育現場を省みると、無意識のうちに大量消費的思考を育んでしまっている部分があります。たとえば、使い捨てになる朝顔のプランターや保護者へのプリント。削減できる点はたくさんあります。また、書道用具や教科書などは、個別に与えるのではなく共有できる可能性があるかもしれません。ペットボトルキャップを寄付するキャンペーンはよく聞かれますが、そのためにペットボトルを大量に消費する家庭も多いです。
今の時代に合った教育システムを、大人と子どもが協力して、再構築する必要があるのではないでしょうか。
🍃グレタ・トゥーンベリさんのスピーチ(2019.9)
次に議論したのは、ニューヨークで開催された、地球温暖化サミットでのグレタさんのスピーチ。このスピーチで、グレタさんは涙を滲ませながら怒りを込めて大人たちに語りかけます。スピーチを聞いた後に、グレタさんの怒りの裏側に隠された想いに触れました。参加者の中には、グレタさんのスピーチを授業で子どもたちに見せたことがあるという方がいらっしゃいました。しかし、子どもたちからは「怖い」という言葉が返ってきたとのことです。映像や写真など視覚材料が豊富にある現代だからこそ、ビジュアルだけに目を向けるのではなく、その裏側にある背景や価値観を想像する力を育むことが必要であり、そのためにも、他者と対話や感情の共有の時間を教育の中で大切にしていく必要があります。
🌳最後に、「2人からの問いかけ~私たちは子どもの声をきいているのか~」という問いに対してどう考えるか共有しました。
第1回の勉強会の参加者の言葉からは、教育現場の課題と可能性が具体的に垣間見られた瞬間がありました。勉強会を重ねながら得た気づきを、教育者や現場に還元したり提案したりすることができるかもしれない!という希望を見出すことができました。
子どもたちの未来を少しでも明るいものにするために、EFFはこれからも活動を続けてまいります。
📣次回の勉強会のお知らせ
2024年10月25日(金)20:00〜21:30
テーマ「私たちは子どもの声を聞いているのか〜若者に広がる"気候不安症"〜」
参加希望の方はこちらよりお申し込みください。
引き続き皆様との学び合いを楽しみにしています!