なんとなく調子が良いから移住を考えてみた。最終回-移住前の思いと決意編-|#くらすように遊ぶマガジン
札幌市で看護師として働きながら、今の自分の暮らしを見つめ直し、新しい生き方を模索する中で上川町と出会った春奈さん。移住を考え始めてから、何度も上川町へ通い、様々な人と出会い、感じたことを通して少しずつ変化していく心境や考え方を、この #くらすように遊ぶマガジン の連載として記事にしてきてくれました。今回でいよいよ最終回です。
上川町への移住を決断した春奈さんが今、思うこととは。
みなさんこんにちは。はるなです。
移住なんて全く考えていなかったところからいろんな出会いによって移住を考え始め、実際に移住するまでの記録をEFC公式note #くらすように遊ぶマガジン で書かせていただき、今回が最終回となってしまいました!早い…!
なんでもない毎日の「好き」や「心地良い」をもう一歩大切に生きるためにはどうしたらいいのだろうと考えて、行動を始めたのがちょうど1年前。
層雲峡ホステルでヘルパースタッフをさせていただいたことをきっかけに、上川町で暮らし、そこで暮らす人たちをもっと知りたくなりました。
移住を考えて行動しはじめたことで、少しずつ自分の生き方の幅が広がったように思います。
そして、今まで続けてきた看護師という仕事を飛び出し、EFCの運営する「交流&コワーキングスペースPORTO」で働くことになりました。
移住準備もいよいよ大詰めになってきました…!
最終回は移住を直前に控えて今私が思うこと、そしてポルトで働く決意表明を書きたいと思います。
私の変化と進化
最近はワクワクと不安が入り混じって心の中はジェットコースターのようです。
荷物を整理し始めたらびっくりするぐらい今はしっくりこない不要なものを持ってました。毎年断捨離しているつもりだったけれど、自分は自分が思った以上に体も心も変化しているようです。
勝手にわちゃわちゃと不安になっていた私に友達が「情緒不安定になって当たり前!」と言ってくれたことがとてもしっくり。
昔は足りないものに目をむけがちで、今まで積み重ねてきたものが役に立たなくなるとそれまでの時間は無駄で、自分が空っぽだと思ってしまうことが多かったです。
だから、必要以上に不安になる自分をなかなか受け止めることができなかった…
移住を考えるようになって、周りがどうかではなく自分がどう感じるかを軸に考えることが一段階上手になりました。私の考え方が変化したように、人間は変化するものだと思えたことでいろんなものを受け止めやすくなった気がします。
言葉にすること
連載を書かせていただいたことで、気がついたこともたくさんありました。
まず、自分の「なんとなく」を深掘りすることができました。自分のことは自分が一番わかっているつもりだったけれど、全然わかってなかった。
自分の考えを誰かに伝えるための文章にすることで、ぐんっと自分の考えや気持ちが具体的になりました。
自分が「なんとなく調子が良い理由」をたくさん見つけることができました。これからの生活は自分と自分の周りの人たちの「調子が良い」のために行動することが私自身の「生きる」なのかなと思っています。
ただ、連載を書いているときは「今はこう思うけど、今後は違うかもしれない」「いい年の大人になってこんなことを考えてるなんて大丈夫か私」と思うことばかりでした…
それでも、読んでくれた人と共通項が見つかってより深い話ができたり、今まで知らなかったけど実は興味の方向性が似ている人が連絡をくれたり、自分の考えや思いをオープンにしたことで、アクションをくれる人たちがいました。
言葉にして伝えるって大切!!!!そんなこともこれからさらに深めていきたいです。
心も体も健やかに
10年間、病院で働いて思うことがあります。
「ストレスをためない生活をしましょう」「バランスの良い食事をとりましょう」とよく病気のパンフレットに書かれています。
予測できない病気もやっぱりあるけれど、ほとんどの病気は生活習慣が影響しています。
人間誰しも忙しいし、やることは山積みです。
稼がなきゃ生きていけないし、気にしないようにしたって世間体も気になる。
ストレスを貯めずには生きられない毎日で、自分でも気づかない不安や心の揺らぎがあるから無理をしてしまう。そんな頑張ってきた人たちが、生活習慣を変えるのは簡単なことではないと思います。
家族で協力し合っても、家族もみんな結構いっぱいいっぱい。
心も体も健やかに過ごすって、実はすごく難しいことですよね。
そんな私も説明しながら「うん、私が誰よりもできてないんだけどね」と思っているのです。
私は病気があっても無くてもその人が暮らしたいように暮らせるお手伝いがしたいと思っています。
病院は基本的には治療をする場所。病気に関することは一緒に考えられるけど、どうしても解決策が薬や治療をすることになってしまう。それよりもっと手前の、「暮らしやすい」「生きやすい」を一緒に考えることは難しい。
もちろん行政のサービスもたくさんあります。
それはどんどん活用してほしい。
だけど、「なんか今日疲れてる?」と言ってくれる人がいたとか、たいしたことない心のモヤモヤをさらっと話せたとか、そんな小さいことの積み重ねも自分と自分の周りの人たちが、病気があってもなくても健やかに生きることに繋がるのではないかと思います。
そして、毎日の生活で心の中にある「やってみたいこと」だったり、思いをちょっと形にできるワクワクがあったらさらに最高です。
そんな日々の暮らしのお手伝いをポルトはしているんじゃないかと思っています。
みんなのPORTO
私がポルトに来てあたらしい発見がたくさんあったように、いろんな人にとって帰る場所の1つになったり、誰かと話したりイベントに参加したりすることで新しい発見を持ち帰ってほしい。頼れる誰かを一人増やしてほしい。
もちろんポルトじゃなくても、カフェでも居酒屋でも学校でも、その人それぞれの居場所はたくさんあると思います。
そういう居場所がまだない人にとっては、ポルトがその居場所の一つになれるかもしれない。
ある人にとってはそんな場所同士、人同士が交わって新しい発見がある場所であってほしい。
何より「こっちもいいし、それもすごくいいね」と違いを受け止め合える人たちと今年1年でたくさん知り合うことができました。そんな場所にあるからこそ、ポルトはみんなの”港”になれるんじゃないかなと思っています。
EFCが作ってきた「PORTO」をなんでもない毎日を穏やかに過ごせる居心地の良さと新しい発見のワクワクどちらもある場所として、いろんな人たちのエネルギーと思いを吸収して成長していけるように行動していきたいと思っています。
小さなことからコツコツと
ここまでかっこいいことをたくさん言ってみましたが、実際は移住という選択、上川というまち、EFCとポルトについてたくさん周りに話してみたけど、上手に伝えられないことの方が多かったです。
まだまだ私の知っている上川町なんてほんの一部なので、上手に伝えられないのは当たり前。
少しずつポルトを知っていく中で、コミュニティスペースを運営するために必要な知識や経験値、当たり前であろう一般常識など、いろんなものが不足していると気付かされました。
具体的にはどんな場所がみんなにとって必要なのかも、私自身の中でまだ整理できていない部分もたくさんあります。
そして、かっこいいことを言ったって実際にみんながくるメリットがある場所で、事業として成り立つために私にはどんなことができるのか、、、、
そもそも、よそから来たものが突然地域のコミュニティスペースにいていいのだろうか?と不安も出てくる。
そんな知らないことや不安ばかりじゃ、そりゃ伝わらない。
だから上川町に関わる一人一人、まちのこと。
少しずつ少しずつ知りたいなと思っています。
そして何より移住を検討することになって深く考えることができた「私の暮らし」を楽しみたいと思っています。
「はるなちゃんならどんな選択をしても、選んだことを自分の正解にできるから大丈夫だよ!」
私が住むお部屋を紹介してくれた、上川町で出会った友達のさっちゃんが言ってくれた言葉です。
「自分の選択を自分で正解にすればいい!」
私は自分で選んだ上川町に移住するという選択を、自分で正解にしたい。
そして、PORTOという場所もみんなの選択を正解にするお手伝いができる場所でありたい。そう思っています。
そんな言葉に勇気をもらって、私は上川町に移住します。
連載を書く機会をくださり、私自身でも気づかなかった思いを掘り下げて、より伝わる文章に成長させてくれたばりさんをはじめ、EFCの皆様には大感謝です。
上川町のみなさま、EFCに関わる全ての皆様、どうぞよろしくお願いいたします!