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人も地も成長し続けることができる場所 | インターン レポート


EFC Inc.公式note「 #くらすように遊ぶマガジン 」は、私たちとともに遊び、はたらき、くらしている仲間たちの「生き方」を紹介する「ライフスタイルマガジン」です。
このマガジンを通して、読者のみなさんがこれからの生き方や「豊かなくらし」について考え、アクションを起こすきっかけにしていただけたら幸いです。
▶︎ https://note.com/efc_hokkaido/m/m4c083103d0e9

今回は、2022年8月の1カ月間上川町へインターンシップをしていた大学院生に、上川町での生活と、インターンシップで体験したこと、感じたことについて書いてもらいました!
たった1カ月でも、町内外のさまざまな人たちと一緒に生活しながら、関わりながら過ごすことで、中身の濃い経験ができる…はず!
今回のインターン生はどんな経験ができたのか、ぜひご覧ください!

自己紹介

初めまして!8月1日から1か月間上川町でインターンをしていた宮本燎(かがり)です。

私はいま京都の大学院に通う2年生で、主にデザインの勉強をしています。
修士研究では地域創生に関する研究を行いたいと考え、上川町でフィールド調査を1カ月間行いました。
私は学部生時代は建築を学んでいました。しかし、建物という箱モノをただ作るだけでなく、その中で人々が何を行うかが重要なのではないかと思い、大学院ではもっと広い意味でのデザインを学びたいと考え、現在の専攻に進みました。
私は親戚が秋田県にいることもあり、田舎に興味があり、地域創生という分野にも関心を持っていて、コミュニティデザインのような研究も行っています。
大学院の研究プロジェクト(以下PJ)ではリノベーションをした民宿をコワーキングスペースにしたり、オフィス改革、未来洞察などプロジェクトは多岐関わっています。

PJについての詳細はこちらのURLからどうぞ!
・生きる場PJ
https://ikiruba-project.studio.site/
・ゼミHP
https://yamashita-lab.studio.site/

話が長くなりましたがここから本題へ参りましょう。

上川町との出会い

大雪かみかわ ヌクモにて視察時の集合写真 

私が上川町を知ったのは2022年の2月頃。
ゼミの先生(コクヨ山下正太郎)から、新しいPJとして「上川町の役場のオフィス改革を行う」というお話を聞いた時でした。
それまでは北海道には観光で行ったことはあるものの、知り合いもいないし、そこまで興味がなかった場所でした。
ひょんな依頼が先生に入り、せっかくなら大学のPJとして動きましょうというところから、私と上川町の関わりがスタートしました。

大雪かみかわ ヌクモ
〒078-1731 北海道上川郡上川町東雲139−5
https://www.daisetsuzantours.com/nukumo/

 4月半ばに一度上川町を視察で訪れていて、この時はまだ雪が少しだけ残っていました。
他のゼミ生も一緒の団体行動で、移動も地元の方が車でアテンドしてくれたので、実際に町を歩いて周ることはなく、町の規模感などはいまいち把握できませんでしたが、自然が豊かで静かな町だなという印象を受けました。

そのときの役場視察は「観察調査」といい、役場職員の方の導線、どのような場所を多く利用するのか(例えば印刷機周りや書庫など)、どこでどのぐらいの量の会話が行われているのかなどを2日間で合計5時間ほど観察しました。(こちらに興味のある方は、現在進行中のPJですので直接ご連絡ください!)

役場視察のため上川町のことを調べていた時に知った、上川町の地域おこしのプロジェクト「KAMIKAWORK」。私は学部の時にも地域おこしにまつわる研究を行っていたので興味を持ちました。
実際に協力隊の活動場所に行ってお話を聞いたり、私の修士の研究をここでやってみたい!と思いました。
そこで、そのときアテンドしてくださった方にお願いして、上川町で1カ月間インターンをさせてもらえることになりました。

EFCが運営する交流&コワーキングスペースPORTO

今回のインターンは上川町役場のインターンではあるのですが、私の研究内容に合わせて役場からEFCに運営委託されている「交流&コワーキングスペースPORTO(ポルト)」への配属となり、地域の方やポルトに来られる方と交流できる環境を作っていただきました。住まいもEFCが運営しているシェアハウスで生活させてもらえることになり、上川町で過ごすことに関してはなんの不自由もなく1ヶ月間生活することができました。

交流&コワーキングスペースPORTO
〒078-1741 北海道上川郡上川町中央町563
https://www.earthfriendscamp.com/porto

田舎で食べる

でっかいきゅうり!

インターン中の1カ月間、私はEFCのシェアハウスで生活していたのですが、私の他にはポルト勤務でも一緒のひなちゃん、協力隊のみくちゃんの2人もこのシェアハウスで生活しています。
私は生まれも育ちも京都で、これまで実家を出て生活したことがなかったため、一人暮らしすらしたことがありませんでした。
上川町に来る前に、一番気にしていたのは「食事」のこと。料理は全くの初心者だけど、来年から就職で上京することが決まっているので、「プレ一人暮らし」として料理を頑張ろうと思っていましたが、地域の方に食事に誘っていただく機会がとても多く、自炊を頑張れていたのは最初の1週間程度でした…
それでも、農家さんと知り合うことができ、採れたての野菜をたくさんいただいたので、美味しく調理するぐらいには成長できました。

ビーツ。初めて触った野菜に困惑中。。。

心地よい、人との関わり

焚火を囲んでマシュマロをほおばる

 よく食事に誘っていただいたと言いましたが、単に外食に誘われていただけではなく、カミカワークのシェアハウスでもよくご飯を食べていました。
このシェアハウスは協力隊の方々が住んでいるシェアハウスで、何かイベントがあった後にはここで打ち上げをやることも多いそう。
また、このシェアハウスの近くを歩いていた時に、楽器の音が聞こえてきて、近くへ行くと突然セッションが始まったり、しっぽり飲み会が行われたり、素敵な空間が広がる場所です。

カミカワークのシェアハウス兼コワーキングスペース「KAMIKAWORK LAB.」

家にいるとよく家のインターホンが鳴りました。宅急便などではなく、回覧板のお話、町内のスポーツ大会の話、、、食事のお誘いなどで!
「カレーあるけど食べに来ない?」と誘われて、連れられた先では数人が家の前で焚火をしながら、ダッチオーブンでカレーを食べていました。
京都ではありえない光景に「これが田舎の暮らしか~!」とその時改めて実感したのを覚えています。

ポルトという居場所

私が1か月間勤務したポルトには、毎日10人程度のお客さんが来ます。
協力隊の方、町民の方、時には町外からも。ポルトの存在を知ってここを目的地として来てくださった方もいたり、逆にポルトのことを全く知らずに通りすがりの方も来館したり。
きっかけはそれぞれですが、皆さんが口をそろえて言っていたのが「素敵な空間ですね」という言葉。
これは私も4月に訪問したときに感じたことでした。
交流だけにとどまらず、コワーキングスペースも備えていたことに当初驚きました。

ポルトのコワーキングスペース

正直「こんな田舎にコワーキングの需要があるのだろうか…」と思っていましたが、仕事帰りに資格の勉強をする人、切り絵など自主制作をする人、パソコン作業をする人など色々な利用者がいて、この場が多様な人を受け入れているスペースになっているのだと感じました。
パソコン作業をする人の横で切り絵をする、本来コワーキングスペースというのはこれぐらい自由な場所でいいのかもしれません。
ただ、私も研究の作業をしているときはコワーキングスペースを利用していたのですが、知らないお客さんが来ると声をかけたくなって、なかなか作業が進まなかったり、会話が漏れて聞こえてきたり気配を感じたりすると集中して作業に取り組めなかったりなど、静かに作業に集中したい方にとっては少しやりづらさはあるかもしれません。
そんな方には2階のワークルームがおすすめです!個室になっているので人の目を気にせずにミーティング利用もばっちりです!

田舎でくらす

こういうまっ平な平原の向こうに山を見るたびに北海道に来たと実感させられる

私は京都という、いわゆる都会で暮らしていたのですが、1カ月間田舎暮らしをしてみて、良さも悪さも両方感じました
まずは田舎の良さから。
それは何と言っても自然に囲まれながらの生活でしょう!
空が広く星空がきれい。それを一緒に楽しめる余裕のある人がいる。
川遊びをしたり焚火をしたり、、、都会では予定を立てないとできないことを「今日、時間があるから」と実現できてしまうのがとてもいいところだなと感じました。
また、コミュニティが狭く町全体がみんな家族のようにお互いの話を聞いたり、一緒にご飯を食べたりしているのが、とても素敵に感じました。
ただ、それが心地いい人とそうでない人がいるでしょう。田舎で暮らすとはある意味、お互いの動向が知れるからこそ窮屈に感じられることもあるかもしれません。
その濃い密度の中で過ごすうえで、町民の皆さんが大事にされているのは、町外でも自分のコミュニティを持つということ
上川の生活が少し窮屈に感じたら自分の逃げ場として違うコミュニティを持つということは大事なことなのかもしれません。
旭川、滝上、富良野、、、もちろん人によってその場所はさまざまです。

また田舎で暮らすにはクリエイティブさが必要だということも感じました。よく田舎の表現として「何もない」という言葉が使われますが、その「何もない」中でどうすれば自分たちが面白く暮らすことができるのか、その人のクリエイティブさが重要になるのではないでしょうか。そういう意味でもここに住んでいる人たちは積極的に動けて、無い物の中から何かを生み出す「ゼロイチ」の生活を楽しんでいるように見えました。

旭ヶ丘、満天の星空

田舎暮らしは原点回帰

この1カ月、たくさんの方とお話しましたが、印象的だった話を2つ。

1つ目は、上川町の高校生と一緒に東京へ行って教育プログラムを実施された方のお話。
東京へ行って「町の中に農園を作ったりガーデニングをしたり、これからは作る時代が来る」というお話を聞いてた時、「北海道ではもう全部実現してるんだよなあ」という感想を持った方がいたそうです。
北海道や田舎の暮らしというのは真にみんなが求めている暮らしをすでに実現できているのではないかなと感じました。

2つ目は、「上川町をどんな町にしていきたいと思いますか」という質問をある方にしたときに、「色んな人を受け入れられる場所」と答えてくださった方がいました。例えばそれは何か事業をやりたいと思っている人たちを受け入れる場所であったり、都会で働いていて疲れ果てた人たちを受け入れてくれる場所であったりするのでしょう。
この2つに共通している話として原点回帰という考えが挙げられます。東京で実現しようと動いているプロジェクトは北海道では自然に発生している。また仕事で疲れた人たちが帰ってくるというのはまさに原点回帰のような話だと感じました。
多くの人が田舎に憧れるのは、窮屈からの解放、自己実現の場を追い求めているからなのかなと思いました。

上川にあつまるということ

私の修士研究は「地域創生にナラティブはどのように作用するのか」というテーマで行っています。ナラティブという定義は難しいのですが、ここでは「主体性のある物語」としましょう。
町が町内外にナラティブを発信することで受け取った人は町との関わりしろを理解し、自分主体でその町での活動をすることができるという一連の流れのことをここでは指します。

地域創生に成功している地域は大抵ナラティブを持っています。要素として「自己実現・都心とは違う生き方・チャレンジ土壌」など。そこに加えて、上川町のナラティブの構成要素には「若者が輝ける」があると思います。
確かに上川町以外の地域でも若者が輝いている地域はあるのですが、特に上川町ではKAMIKAWORKという地域おこし協力隊(20代後半~30代)の方が多くいて、同年代が活躍しているところを間近で見ながら自分の活動をできるのはとてもいい環境だなと感じました。
故郷も違う、やっていることも違うのに、上川町という地に集い、それぞれの夢に向かって相談したり助け合ったりしているのはここでしかない光景かもしれません。

最後に

この1か月間は私にとってとても濃いものでした。学生最後の夏休みをここで過ごさせていただきありがとうございました。
特に今回受け入れてくださった、EFCの絹張さん、志水さんをはじめ、シェアハウスで一緒に過ごしてくれたひなちゃん、みくちゃんにはとても感謝しています。
そのほか、今回の滞在で関わってくださったすべての方に、感謝しています。ありがとうございました。
また、今後も私らしく上川町に関わっていけたらと思いますので、その時は変わらず温かく迎え入れてください!

それでは!

インターン・アルバイト募集中!

かがりちゃんもインターンとして働いていた、EFC Inc.が運営する交流&コワーキングスペースPORTOでは、インターン・アルバイトを募集しています!
興味のある方はぜひお気軽に下記フォームからお問い合わせください!

ライター/宮本燎
編集/絹張蝦夷丸(EFC Inc.)
カバーデザイン/梶日菜子(EFC Inc.)


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