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【分断か協調か、監視か信頼か】コロナが突きつける人類に対する課題。

”私たちが直面している最大の危険は、ウイルスではなく、人類が内に抱えた魔物たち、すなわち憎悪と強欲と無知だ。”


コロナの第2波が欧米中心に進行している。
現在の累計感染者数は、4300万人、死者数は、116万人。

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抜粋)WHOホームページ:https://covid19.who.int/


「いやいや、検査件数増やしたからでしょ?」


と、思われる方もいるかもしれないが、以上御覧のように死者数の推移はほぼ横ばいで進捗、
1日に5000人が世界で命を落としている。

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抜粋)WHOホームページ:https://covid19.who.int/


特に、直近の欧州の状況は深刻だ。
上の表にあるように気温の低下により、人々が大人数で屋内で過ごした結果、感染が爆発。

イタリアでは6時以降の飲食店の営業停止、イギリスでは感染拡大地域の部分的ロックダウン、スペインでは2週間の飲食店休業。ドイツでは、ロックダウンがつい本日報道された。


第1波を彷彿とさせる規制強化が進む。


僕は、本日のnoteで警告を発したいわけではない。
ただ、危機における僕たち人類の選択が大きく今後の世界の方向性を決める。

間違いなく、コロナショックは5年後、10年後の歴史の教科書に一大事件として刻まれ、歴史的な解釈がなされる。


10年後の教科書に、

コロナショックによって、各国、そして人類の分断が進み、テクノロジーを駆使した監視社会の扉を人類は開くことになった。


と、書かれるのか


コロナショックによって、各国、そして人類の共生と協力体制が育まれ、テクノロジーを駆使しながら管理ではなく、信頼によって人類は危機を乗り越えた。


と、書かれるのか。


そんな歴史的転換点の渦中にある僕たちは忘れるべきではない。


そこで本日は、20世紀史上最高の名著。
『サピエンス全史』の著者、ユヴァル・ノア・ハラリ氏の『緊急提言パンデミック』から、

コロナショックに向かい合う、人類の選択。

について考えてみたい。



■分断か、それとも協調か。

“病原体に対して、人間が持っている最善の防衛手段が、隔離ではなく情報であるためだ。”


3密を避けろ!!
国境を閉じろ!
都市を封鎖しろ!


一見、ウイルスに対する有効手段は、


隔離であり、分離であるかのように思える。


なぜ、ここまでウイルス感染が拡大したのか、

それは、グローバル化だ。

と、過去数100年の間に、人・物の移動は加速度的に地球規模で増え続けた。


アメリカでライト兄弟が動力飛行で人類初の飛行に成功したのは、1903年。
100年前は人が空を飛び、異国の地に降り立つなど夢のまた夢だった。


しかし、現在。
誰もが、24時間で地球の反対側まで行ける世界になった。

グローバル化が、ウイルス感染を拡大させた。
だからこそ、必要な対策は隔離と分離、封鎖によってウイルスの侵入を防ぐことと、僕らは考える。


それは、間違っている。


本当に必要なのは、信頼と情報である。


人類は、歴史的に何度も世界的パンデミックの危機に晒された。

14世紀、黒死病(ペスト)によって世界で2億人が命を落とした。
当時のユーラシア大陸人口の4分の1の命が、ペストで失われた。

16世紀、たった一人の青年によって天然痘がアメリカ大陸で大流行した。
死者は5000万人を超え、アメリカ大陸の人口の3分の1が消失した。

20世紀初頭、スペイン風邪という新種のインフルエンザによって5000万人が命を落とした。
世界の人口の20%が感染し、2%の命が失われた。


中世の時代、世界の国々は今と比較して遥かに孤立していたし、分離されていた。
移動手段は、馬しかなかった。それでも、2億人がなくなった。


現在、世界の国々はよりつながり、共存するようになった。
飛行機でどの国にでもいける。それでも、コロナの死者数は115万人である。



それは、科学技術の発展と、人類のたゆまない研究と進歩の成果である。そして、情報がグローバル化によって世界中に共有されたからである。


中世の時代、黒死病の原因など誰もわかりはしなかった、できることは神に祈るのみだった。
現代、コロナウイルスの検査キットはたったの2週間で開発され、病院で治療を受けた多くの人たちが回復した。

グローバル化は、
ウイルスの感染率を高めるかもしれないが、同時にウイルスの危機を乗り越えるための鍵だ。

僕たちは、そして各国はお互いに、信頼し合うことが求められている。


なぜ、ロックダウンができるのか、
それは、他国の援助と支援が期待できるからである。他国からの資金的援助もなく、途上国がロックダウンを続けるのは不可能だ。

感染爆発が起きている国に、世界が援助の手を差し伸べれば、それが巡り巡って自国の感染拡大防止につながる。

適切な情報公開、あらゆるノウハウ、そして必要な医療器具を、世界各国が協力してサポートし合える体制があれば、感染拡大は抑制できる。


コロナショックは、人類への挑戦状を叩きつけた。

分断か、

協調か。

協調以外に、人類がコロナウイルスを乗り越える術はない。


■監視か、それとも信頼か。


危機の時、国家は戒厳令を敷きかねない。
そして、危機の時に敷かれた戒厳令はその後の続き、事態が更に悪化することがある。



香港は、どうなった。。



1年前、世界中が注目していた。
民主主義のために戦う若者を、世界中が注目していた。そして、あなたも注目していたはずだ。


そして、今。どれだけの人が、香港に注目しているだろうか。
今、国家安全法によって多くの若者が、中国政府によって逮捕されている。


危機の時こそ、国家はその権力を増大させる。


ついに国家は、皮下監視までその触手を伸ばしてくるかもしれない。
中国では、感染対策として何億台もの顔認識カメラが配備され、国民に対して健康状態、体温の報告が求められる。


ある国は、ウイルス感染を防止するために、国民にリストバンドを配布するかもしれない。
あなたそのリストバンドで常時、体温や心拍数を測られる。

あなたよりも前に、リストバンドのアルゴリズムがあなたの体温の異常を検知し、
外出を控えるように教えてくれるかもしれない。


万事、ウイルス感染拡大は劇的に抑制される。


しかし、危機の合間に義務化されたリストバンドは危機が過ぎ去った時も、当然のように義務化されるかもしれない。

すると、あなたがどんなモノを見て、どんなモノを聞いた時に、心拍数が高まったのか、
緊張を覚えたのか、感情が高ぶったのか、国家はその全てを把握するかもしれない。

“全国民がリストバンド型の生態情報センサーの常時着用を義務付けられた2030年の北朝鮮を想像して欲しい。もし誰かが、かの偉大なる国家指導者の演説を聞いているときに、センサーが怒りの明確な兆候を検知したら、その人は一巻の終わりだ。“


ビッグ・ブラザーが、コロナの影に隠れてあなたの背後に忍び寄っているかもしれない。


今、僕たちが考えるべきは、そんな監視社会の実現を傍観することではない。

国と人とが、信頼し合うことである。

“自発的で情報に通じている国民は、厳しい規制を受けている無知な国民よりも、たいてい格段に強力で効果的だ”


僕の住むシンガポールでは、毎日携帯のメッセージに感染者数の情報が、
政府の公的機関から送られてくる。


日本のマスメディアのように、煽動するような報道は一切ない。
ただ、正しい進捗の情報が送られてくるだけである。


シンガポールに住む人々は、政府を信頼し、それに基づいて行動した。
2カ月半のロックダウンを国民全体で耐え忍び、今は10時半まではお酒が飲める。


結果、本日の国内感染者数はゼロである。


監視されなくとも、適切な情報共有に基づき政府と国民、人と人とが信頼し合うことで、

僕らはウイルスを乗り越えることができる。


■まとめ

本日は、感染拡大が加速するコロナウイルスについてハラリ氏の著作の力を借りながら、考えてみました。


今、僕らの多くは危機の最中にいることを忘れかけていますが、
コロナ・ショックは間違いなく、歴史の教科書に刻まれる一大事件となります。


そして、今の僕たちの選択、国の選択が、
今後の世界の行く末を左右する大きな歴史的転換にいると言えます。


僕たちの前には、2つの課題がなげかけられています。


分断か、それとも協調か。


監視か、それとも信頼か。


人類が、両者の課題に対して分断と監視を選択した場合、これからの世界は大きく不安定な方向へ舵を切るでしょう。


人類が、両者の課題に対して協調と信頼の選択をした場合、人類はウイルスの危機を乗り越え、より良い世界の実現に一歩足を踏み出すでしょう。


あなたは、今の歴史的転換点に際し、

気づかぬうちに歴史の荒波に飲まれるのか、

それとも歴史が変わる目撃者になるのか。



今の、コロナショックの現状を僕たちは忘れるべきではない。


最後にハラリ氏の言葉を贈ります。

今回の危機の現段階では、決定的な戦いは人類そのものの中で起こる。もしこの感染症の大流行が人間の間の不和と不振を募らせるなら、それはこのウイルスにとって最大の勝利となるだろう。人間同士が争えば、ウイルスは倍増する。対照的に、もしこの大流行からより密接な国際協力が生じれば、それは新型コロナウイルスに対する勝利だけではなく、将来現れるあらゆる病原体に対しての勝利ともなるだろう。


ではでは、本日はここまでです。
また、明日のnoteでお逢いしましょう。


P.S : ハラリ氏、さすがといったところです。今年もっとも影響を受けた本は、間違いなく『サピエンス全史』でした。

だいぶ前の過去記事ですが、よろしければこちらも是非。


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