慶應ロー2023年度憲法再現

※必ず出題趣旨を確認すること

憲法

1Xは、供託金制度は立候補の自由につき財産の有無により区別しているため、かかる区別は平等原則を定める14条1項に反し、違憲であると主張することが考えられる。Xの主張は認められるか、以下検討する。

2まず、法適用が平等であっても法内容が平等でなければ、個人の尊厳(13条)が無意味に帰するおそれがあるため、「法の下」の平等だけでなく、法内容の平等をも意味すると解する。

そして、各人には、実質的差異がある以上、「平等」とは合理的な区別を許容する相対的平等を意味すると考える。

3では、本件区別は合理的な区別と言えるか。

(1)供託金制度は、我々国民が選挙に参加する参政権(15条1項、44条)に大きく関わる制度である。また、14条1項後段に財産は列挙されていないが、国会の議員の資格について財産によって差別してはならない旨が定められている。もっとも、本問において、Xは町議会議員に立候補しようとしているが、地方の議員の資格についても同様に、財産によって差別してはならないと考えられる。

 そこで、①目的がやむに止まれぬもので、②手段が必要不可欠かつ必要最小限度である場合に本件区別は合理的な区別として正当化されると考える。

(2)まず、供託金制度の目的は、立候補に責任を持たせ、不用意な立候補を防止するためであると考えられ、目的はやむに止まれぬものである(①充足)。また、当選、一定以上の結果を残した場合には供託金を返還することで、立候補者は真摯に選挙活動を行うことが考えられ、適合性が認められ、必要不可欠といえる。そして、無責任な議員が立候補の自由を濫用すると、選挙と密接に関わる国民や住民の生活を害するため、手段に必要性が認められる。更に、立候補に責任を持たせるために、事前に氏名や連絡先を提出させるなどの他の方法も考えられるが、これらの情報は容易に知り得るため実効性がない。そして、15万円という金額も一般的に捻出できる金額であることから高額でない。そのため、15万円の供託金を預けることは、必要最小限度の手段といえる(②充足)。

(3)したがって、合理的な区別として正当化される。

4よって、供託金制度は平等原則に反しておらず、合憲である。

以上

こんな感じだったと思います。
判例を事前に知っておくような問題ではないと思うので、自由演技ですね。
14条を積極的に使うか非常に悩みましたが、さすがに判例を知らないと某塾の型に頼らざるを得なくて・・・
もっと他に書き方があるでしょうけど、この時の私にはこれが精一杯でした。
なんで受かったんや。

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