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「あるべき論」と「数字」の関係性 〜数字は時にコミュニケーション能力の手助けになる〜

これは、あるリサイクルショップのお話です。

リサイクル品は新しく作るものではないので、お客様からリサイクル品を買い取る(仕入れる)という行為が必要になります。

まずはこの「買い取る(仕入れる)」という行為がないと商売が成り立ちません。

そんな時にいくらで売れるかを示すことができると、買い取らせていただく人のお役に立てるのですが、いくらで売れるかは正直分かりません。

しかし、予想はできます。

どうやって予想するかというと、過去のデータをもとに行うのです。

そこでこの時は過去のデータを分析して、売却を検討しているお客様にどのように有益な情報を届けたらいいかという話をしていました。

本当はこのデータを公開せずに利益を確保したほうが儲かるのかもしれませんが、これは先を見た取り組みであり「問い合わせにただ答えることよりもはるかに良い取り組み」でしたが、話し合いは残念ながら揉めていました。

主な食い違いは、次のようなものでした。

  • お客様に情報提供をするには、今のデータでは大雑把すぎる。

  • 大雑把なデータを細かく調べるには、時間と手間がかかりすぎる。

  • 細かい情報をまとめていくには、システムの改善が必要だ。

  • システムを改善するには、お金と時間がかかりすぎる。

  • 一方で情報が細かすぎると、システム化が難しい。

だからまずはシステムの改善が必要だ!!

この最後の「あるべき論」に関しては、みんなが納得でしたが、残念ながら解決には向かわない話し合いで終わっていました。

せっかくの話し合いも、解決に向かわなければ、何の意味もないのです。

なぜならば、社会で生きていくほとんどの人は、評論家ではなく当事者だからです。

さらに、この議論で不足しているのは「数字」です。

どういうことかというと、次のように「数字」を使えていないということです。

  • 大雑把なデータは、どれくらいあるのか?

  • データを細かく調べるには、どれくらいの時間がかかるのか?

  • システムを改善するには、どれくらいの費用がかかるのか?

例えばシステムの改善にかかる費用が、1万円の場合と1,000万円の場合では議題として取り上げられるかどうかは、全く変わってきますよね。

(もちろんこういった費用も絶対額ではなく、費用対効果で検証することが大前提ですが、ここでは割愛させていただきます)

ちなみにこの事例では、大雑把なデータが全体の12%でした。

つまり88%は、お客様に提供できる有益な情報だったのです。

このように「数字」にすると、いかに細部の話をしているかがすぐに分かります。

この時は、まさに「木を見て森を見ず」の状態でした。

だからまずは、88%の情報をどうやって届けるかを議論することが大切だったのです。

なぜならばこの議論の目的は「お客様に喜んでいただけるようにお客様に得を与えること」だからです。

このように目の前のことを「数字」で把握して「数字」で表してそれを共有するだけで、簡単に打開策が見えてくることもあるのです。

数字に苦手意識をお持ちの方は、ぜひこちらもご覧ください。


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