子宮頸がんワクチンの無料化

2023年4月9日 18:25

ヒトパピローマウイルス（HPV）は、性的接触のある女性であれば50％以上が生涯で一度は感染するとされている一般的なウイルスです。このウイルスは、子宮頸がんをはじめ、肛門がん、膣がんなどのがんや、尖圭コンジローマ等、多くの病気の発生に関わっています。特に、近年若い女性の子宮頸がん罹患が増えています。

こうした背景から、2023年4月からシルガード９も定期接種の対象として、公費で受けられるようになりました。ここでは、シルガード９の特徴と予防接種について解説します。

シルガード９の特徴

シルガード９は、HPV16型と18型に加え、31型、33型、45型、52型、58型の感染も防ぐため、子宮頸がんの原因の80～90%を防ぎます。これらのタイプが、子宮頸がんの約9割を引き起こすと言われています。

シルガード９は、全３回の接種が必要です。接種の適切なタイミングは、1回目を受けた後、２か月以上間隔を開けて２回目、さらに４か月以上間隔を開けて３回目を受ける必要があります。

予防接種について

定期の予防接種は、各市町村が主体となって実施しています。お住まいの市町村における接種方法（いつ・どこで・どのように受けられるかなど）については、市町村の予防接種担当課にお問い合わせください。

また、接種は無料で行われますが、１回あたり約15,000円の費用がかかるため、国は接種費用の一部を補助しています。具体的には、生後２か月から生後１６歳未満の子供については、全額が国の負担となります。また、中学校２年生、３年生、高校１年生の女子についても、全額が国の負担となります。その他の年齢層については、一部負担が必要となります

シルガード9の効果と注意点

シルガード9は、性行為を開始する前の男女にも接種することが望ましいとされています。また、すでに感染している人にも接種しても問題はありませんが、すでに発症している病気を治す効果はありません。

シルガード9の副作用についても、痛みや発熱、腫れ、皮膚のかゆみなどが報告されています。ただし、多くの場合、軽微なものであり、ほとんどの人が副作用を感じないという報告が多いです。

また、シルガード9は、予防接種を受けてもすべてのがんを予防するわけではなく、あくまでも子宮頸がんの予防に特化したワクチンです。そのため、適切な検診を受けることが大切であり、予防接種の受け方を含めた適切な情報を得ることが重要です。

定期接種のスケジュール

シルガード9の定期接種は、3回の接種が必要です。初回接種の2か月後に2回目を接種し、その6か月後に最後の3回目を接種することが推奨されています。

ただし、すでに1回接種している場合は、2回目、3回目の接種を受けることができます。また、ワクチンの種類や接種スケジュールは、年齢や状況によって異なる場合があるため、市町村の予防接種担当課に相談することが望ましいです。

まとめ

ヒトパピローマウイルス（HPV）は、性的接触のある女性の50％以上が感染する一般的なウイルスであり、子宮頸がんをはじめ、多くのがんや病気の原因に関与しています。近年、若い女性の子宮頸がん罹患が増えており、その予防策として、定期接種が推奨されています。シルガード９は、HPVの主要な種類に対して高い予防効果を持つことが確認されており、2023年4月からは公費での接種が始まります。市町村によって接種方法が異なるため、予防接種担当課にお問い合わせください。女性の健康を守るためにも、適切な予防策を講じることが重要です。

FAQ

ヒトパピローマウイルス（HPV）とは何ですか？ HPVは、性的接触を介して感染するウイルスであり、女性の50％以上が生涯で一度は感染するとされています。HPVは、子宮頸がんを含む多くの病気の原因になることが知られています。

シルガード９とは何ですか？シルガード９は、HPV感染による子宮頸がん、肛門がん、膣がん、尖圭コンジローマなどを予防するワクチンです。HPV16型と18型に加え、31型、33型、45型、52型、58型の感染も防ぐことができます。
シルガード９の定期接種は、どのような場合に受けることができますか？シルガード９の定期接種は、令和５（2023）年４月から、公費で受けることができます。各市町村が主体となって実施しており、接種方法については、お住まいの市町村の予防接種担当課にお問い合わせください。
定期接種の期間はどのくらいですか？定期接種の期間は、おおよそ３年間です。しかし、詳細な期間については、市町村の予防接種担当課にお問い合わせください。
シルガード９の副作用はありますか？一般的には、シルガード９の副作用は軽度であり、注射部位の腫れ、発熱、頭痛などが報告されています。しかし、重度の副作用が起こる可能性もあるため、定期接種前に医師に相談することをお勧めします。

参考

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