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保護者や本人の選択に自信をもって子どもを導いてほしい

教員として有名校の改革に携わってこられた宗像諭先生、Edu.torのチューターとして個別相談にも乗ってくださることになりました。宗像先生の考え、想いをお届けいたします。

チューターになったきっかけは?

学校の現場でたくさんの保護者に出会ってきましたが、ご自身の判断に自信を持てないという保護者が多くいらっしゃることを感じていました。

子どもを信じ、この環境が合っている、こんな環境で学ばせたいと、その子の10年後までを想像できるのは保護者だけです。保護者には、その判断に自信を持っていただきたい、その子らしく導いてあげてほしい、と思っていましたが、実際には、その判断をするのは、なかなか難しいものです。でも、誰かが寄り添い、納得できるようなアドバイスができれば、子供も保護者も自信を持って、教育環境を選択できると思います。

そのような思いから、家庭環境や教育ビジョンを共有し、その子らしく成長できる教育環境を選び、保護者の方の背中を押して、自信を持って決断することができるようなアドバイスには、経験のある方が必要ではないかという思いから、チューターに参加させていただきました。

宗像諭先生

思春期と重なる受験に対し、保護者はどんな姿勢で子どもに寄り添えばいいと思いますか?

中学受験では、最終的に、どのような生徒も自分に合った学校に惹かれ、導かれるように思います。それゆえ、偏差値が高いとか、家からの距離が近いといった物理的な理由で選択肢を狭めてしまうのは、その子にあった学校の可能性を狭めてしまうと思います。また、通塾している先生の意見を重視しすぎて、先生(=塾の意向)の言う通りの志望校選択にしてしまうことも見受けられます。

情報が少ない中や気持ちが前のめりになりすぎている時は、どのご家庭にも、しばしば起こりうることです。しかし、自分に合った学校との出会いは、保護者が自分自身に向き合ったり、子どもの声を聞いたりする中で、自然と導かれていくものです。それは、その子が生まれた時から、今までを共に過ごした保護者が一番よくわかっているはずです。だからこそ、子どもとたくさん話をすることが大切だと思います。できれば、今までで一番話した!というぐらいまで、話を聞いてあげることが、何よりも大切だと思います。

ちなみに、私は今までに関わらせていただいた全ての学校で、夏休みや春休みに希望する保護者の方と1時間程度の面談を行なってきました。実は、中学受験では、合否よりも、その学校選択や日々の生活の様子の方が、心配事が多いものです。特に、保護者にとって入学後の数ヶ月は、入学先の選択が間違ってなかったのか、その子にとって最善の選択だったのだろうかと、むしろ入学後の方が、不安は高まり悩まれるものです。だからこそ、現在の選択に自信を持ってもらえるように、面談を通じてサポートさせていただいています。

もちろん、子どもが楽しく通学していて感謝のお言葉を頂いたり、受験時の様子を数時間話されてスッキリなされたり、ご自身の生い立ちやご夫婦の馴れ初め、定年後の過ごし方など、あまり受験や学校生活とは直接的に関係ない話などをされる方もいますし、保護者の方にしかわからないご苦労などを共有させていただいています。中でも男子生徒の保護者の多くは、「息子が何を考えているか分からない‥」と言われることがあります。そんな時は、(実体験から?)「男の子は、ずっとお母さんのことが好きですよ。全ての事が、お母さんのため‥という思いは持ち続けていますよ。手を放しても、心は離さないでくださいね。」と伝えたりもします。

受験期を通じて、その子も保護者も成長しているのですから、今までの選択に自信を持って、堂々と子どもと向かい合って欲しいと後押しをしています。

言語教育は思考力のベースであり重要。自分らしさが発揮できる学校選びを

教育者として、これからの学齢期の子どもたちに必要な教育はどんなことだと思いますか?

知識やスキルも必要だと思いますが、それ以上に理解と思考の源になる「言語」はより重要だと考えています。

学生時代に勉強や学習をするにしても、社会人として社会経済活動を行うにしても、その人を表すのは、その人が触れて、身につけてきた「言語」だと思います。その人が持っている言葉以上に、相手に考えを伝えるのは難しいですし、逆に持っている言葉以上に、物事を理解するのも困難だと思います。それゆえ、学齢期の子ども達には、できるだけ多くの言語やコミュニケーションに触れて欲しいですし、言語を通じた知的好奇心で、刺激を与えてあげた方がいいと思っています。

そのため、様々な言語を使って思考することや対話をする事、自分自身の「言葉」を拡げていくために、適切な教育環境で知識や教養を身につけて欲しいと考えています。今まで関わらせていただいた学校(広尾学園・開智日本橋学園・神田女学園)が受験生や保護者の方から高いご支持をいただけるようになったのも、学習環境の裏側にある「言語運用能力」の向上に力を入れてきたからかもしれません。

もちろん、その子が得意としていることは限りなく伸ばしてあげてほしいと考えています。勉強や学習をしていると、どうしても苦手なことに時間をかけてしまうのですが、人生においては、自分の得意なことを生かして成長していくものですから、過度に苦手なことにこだわりすぎず、得意なことに時間を使って伸ばしてあげる方が、その子にとっても保護者にとっても、精神衛生上も豊かになると感じています。自分自身を振り返ってみると、成功体験の積み重ねが、行動力や思考力を高めているような気がしています。

親世代から見て、現在の中学校・高等学校は、大きく変化しているようにも見えます。学校をどう選択すると良いですか?

この数年は、本当に大きく変化しています。もちろん、別学校が共学校になったり、付属高になったりするなどの物理的な変化も大きいですが、それ以上に各学校の教育の質や対応力が格段に向上しているように感じます。近年では、グローバル教育を目指したり、英語教育や探究活動に力を入れたり、大学入試への学力向上の手法など、教育プログラムの変化は、かなり進んだように感じます。

しかし、一方で、学校自体は意外と変わっていないとも言えます。それは、情報化が進み、多様な選択ができるようになったからこそ、その学校が大切にしている教育の理念や根本的な考え方、目指すべき生徒像などに目がいくようになり、学校自体も背伸びをせずに、ありのままであり続けようとしている学校が選ばれていると思います。

伝統校に限らず、その学校が持っている雰囲気や教育環境は、すぐには変わらないものだということを目の当たりにしてきました。現任校(神田女学園)でも様々な学びの機会やプログラムを用意しましたが、もともと本校が持っていた教育環境に重きを置いて次世代の学びにアップデートしてきただけです。

それゆえ、前述の内容に戻りますが、学校選択をする時には、その子にあった教育環境や自己実現ができる環境が揃っている学校を、自信を持って選べば間違いはないと思います。

これまで3校に渡って学校改革をされてきましたが、どんな思いで携わって来られたのですか?

生徒たちには、10年後の社会で求められる力をつけさせてあげたいと考えて、次世代に求められる教育を提供できる学校環境を作ってきました。

一言で表すのは難しいですが、17年前の1校目では、知識やスキルが求められる時代に生きる生徒たちのために、これは大学進学にも結びつきますが、圧倒的な学力向上と、抜群の英語力、当時は珍しかったICT環境の整備など、従来の学校をアップデートする「学校改革」に注力をしました。

10年前の2校目では、さらに次の時代を見据えて、探究的な取り組みや思考力に重きを置いた「教育改革」をすすめ、現在では一般的となりましたが、国際バカロレアの教育プログラムの導入なども推進してきました。

5年ほど前から、現任校におりますが、今までの改革を通じて、さらに10年後には、より個人としての資質を高める教育が求められるのではないかという思いから、当時は低迷していた女子教育を再興したいと考え、受験生や社会に認知度を上げるために「市場改革(マーケット改革)」を行いました。

これからは男女関係なく、個人として尊重される時代が来ると確信しています。しかし、女子教育は、敬遠される事が多いため、女子ではなく個人として成長できる教育環境を目指して取り組んでいます。

実際に、女子は女子の環境だけで学ぶことで、その子らしく成長することができます。本校の生徒に限らず、別学の生徒たちは「私は私である」という個人の強さを持っており、自分らしさを認めてほしい生徒が多いように感じています。特に、社会全体で危惧されているように、女子には、個人として社会で活躍してほしいと願っていますし、自分らしく、自分の幸せを、自分で選択できるような人生を歩んでほしいと願い、それにつながるような教育環境を目指しています。

おかげさまで、女子校は人気がない‥.と言われた時期もありましたが、女子校も再認知されてきており、元々多くの学校に良い環境が整っていましたので、それに気がついて選択する保護者が増えてきたのは、喜ばしい限りです。

教育は、自分らしく生きていくための、知識・スキル・思考・行動規範・品格・経験などを身につける環境を設定する機会であると考えています。それらを身につけて、成長する事で、それぞれの幸せにつながるのではないでしょうか。

子どもとの対話の量が、子どもの意思を大事にできることにつながる

少し話は変わりますが、先生にも中学生のお子さんがいらっしゃいます。お子さんに期待することはありますか?

よく教員は、自分の子には目が行き届かない‥.などと言われますが、一人の親として接する時には、まずは娘の考えと意思をとても大事にしています。

そして、甘やかしとは異なると思いますが、常に寛容の気持ちで、いろいろなことに挑戦させています。幼稚園時代から、なぜか水泳ではなく、本人が選んだボルタリングをずっと続けていますし、何かに熱中したいというので、少し誘導はありましたが、小学校受験に挑戦させ、中学校受験では、今までに携わった学校を受験してほしいな‥.と思いつつも、本人が内部進学を選びましたので、迷わずに応援をしました。

おかげさまで、友達に恵まれ、学校の雰囲気にフィットして、毎日元気に心配事なく、1時間くらいかけて通学している姿を見られる事が何よりも幸せだと改めて感じています。ポジティブに学校生活を送っているからでしょうか、周囲から頼られることも多いようで、学級委員を引き受けたり、体育祭では学年代表で表彰を受けたり、普段でも友達の困りごとを助けているようです。

私ごとですが、いつも誰かのために力を尽くそうと心がけてきましたので、自然とその影響が出ているのかもしれません。自分のためにも、誰かのためにも、力を尽くすことができる、自分なりの幸せを見つける事ができる、そんな大人になってほしいと願っています。でも、なぜか部活は学内で一番ハードな演劇部に入って、長いセリフや発声の練習、ダンスや筋トレなどをしているので、学習面は不安ですね‥.。

大切している教育方針はありますか?

教員と一人の親としてでは、教育方針の優先順位に違いはありますが、ここでは、娘に対しての教育方針として心がけていることに、いつでもどんな時でも、良いことも悪いことも、とにかく娘が話すことは、何よりも優先してたくさん聞くようにしています。

小さい時から、まるで話し聴かせのように、娘が眠るまで話をしてもらうことをしてきました。さすがに、小学校高学年頃からは機会も減りましたが、今も会話をしている時間は多いと思います。自分の考えを話せる、違うことは違うと考えられる、感謝を伝えることができる、人の話を聴けるなど、対話の時間を持つことによって、このようなコミュニケーション力が育まれたように思います。

幸いにも、海外にバイリンガルのいとこがいて、自分の環境とは違った話を聞くことも多いですし、在籍している学校には帰国生も多いので、海外での学びにも憧れを感じ始めています。国内で育ってきたので、海外への留学をさせるのではなく、留学に挑戦したいという選択肢が出てきたら、その時は後押ししたいと思っています。

保護者が迷うことは当然、少しでも後押しができたら

最後に、個別相談検討中の方へメッセージをお願いします。

様々な選択肢が増え、次の時代に求められる能力が早いスピードで変化する時代にあって、志望校選択や入学校選択で、保護者の方々が迷われることは当然だと思います。迷えば迷うほど、良い選択をしたいという気持ちが強くなるものだと思います。その迷いや不安が生じた時に、経験則や感情論だけでなく、まずは、その子にとって最適な教育環境を見据えて、ロジカルで、クリテイカルに考えられるようなアドバイスをしたいと心がけています。

そのためには、保護者の方も、できるだけ多くの方からアドバイスを得ていただき、その中から、我が子にとって最適なアドバイスを選択し、その上で私たちチューターと一緒に最善の選択ができるように相談内容を深めていただければ、より良い判断ができると感じています。

人生は選択の連続だからこそ、どんな人でも本能的により良い選択ができると思っています。しかし、迷いや不安から本質を見失い、本来の選択とは違う判断をしてしまうことがあると思います。その可能性を少しでも減らし、相談者に寄り添い、子どもにとって最適な教育環境と、その後の幸せがイメージできるようなアドバイスをして参りますので、安心して、私たちEdu.torチューターにお任せください!


今回インタビューしたチューターのプロフィールはこちら
https://edutor-tutor.com/tutors/71

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