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自分1人で声をあげる孤独感
学校で子どもがいじめに遭ったとき、親として何よりつらいのは「誰も一緒に闘ってくれない」という孤独感です。クラスの保護者に相談すると、「それは大変だね」と共感してくれる人もいます。でも、いざ一緒に学校に抗議してくれるかというと、誰もそこまではしてくれない。
それはなぜでしょう。
やっぱり他の保護者も「自分の子どもを守る」ことで精一杯だからなんですよね。その気持ちもわかります。誰だって、学校の先生ににらまれたら、自分の子どもが嫌な思いをするかもしれないと不安になるものです。学校という閉鎖的な環境では、先生との関係が子どもの学校生活に大きく影響します。
「余計なことを言って、うちの子の評価が悪くなったらどうしよう」
「先生から、自分の子が冷たくされたり、評価に響くのではないか」
「他の親たちから、面倒な人と思われたくない」
多くの保護者はこんな気持ちになるのではないでしょうか。
だから、行動に移すのは難しいんです。
しかし、このような状況では、被害者の親は「自分が声を上げても誰も助けてくれない」と感じ、さらに孤立してしまいます。
被害者の親としては、どうしてもやるせない思いが残ります。「みんなで力を合わせて学校に伝えれば、状況を変えられるかもしれないのに」と思っても、結局、自分一人が声を上げることになる。そして、その声も学校にうまくかわされてしまう。そうなると、「もう何をやっても無駄なのかな」と感じ、疲れ果ててしまいます。
この孤独をなくすためには、学校側がもっと公正で透明性のある対応をしてくれることが大事だと思います。親が声を上げても、子どもに悪影響が及ばないと信じられる環境があれば、保護者も安心して意見を言えるはずです。
そして、被害者の親が孤立しないように、保護者同士がもっと連携できる場があればいいなと思います。一人では難しいことも、同じ気持ちの仲間がいれば、きっと大きな力になる。子どもを守るために、親同士がつながれる場所や仕組みが必要だと感じます。
学校で起こる問題は、一人で抱えるには重すぎます。そんなときに頼れる場所があったらいいなと思います。子どもたちが安心して通える学校を作るために、親同士が支え合い、学校とも向き合っていける環境を、一緒に作っていきたいと思います。