[OW2/翻訳]OWLコーチが教えるターゲット・プライオリティ
勝手に翻訳。意訳を含みます。
元動画: overwatch target priority EXPLAINED… Find The Best Target
導入(0:00~)
かなり仕事をしているはずなのに、敵は誰もやられていないということがありますよね。私だったら台パンします。「トレーサーは敵のバックライン(後衛)かウィドウを狙わなければならない」と決めつけて、実際にはできないのにそれに固執しすぎるなんてことがよくあります。どうしたらもっとキルがとれるようになるでしょうか?どうしたら今撃っている敵が正しいターゲットであると判断できるようになるでしょうか?ターゲットの選び方について3つお話します。これらを理解するともっとキルがとれるようになるだけでなく、敵の弱点がわかるようになります。その3つとは、
周りをよく見ること
より良い相手を選ぶこと
広い思考を持つこと
です。
固定化(0:53~)
1つめに挙げたのは「周りをよく見ること」でしたが、その反対は「固定化」です。生徒をコーチングしている中で、その生徒がゴールドだろうがグランドマスターだろうが、一度ターゲットを撃ち始めたら、ずっとそれを狙い続けるという傾向があります。まるで1v1アリーナにいるかのように。
悪い例1(1:09~)
この1v1ではトレーサーはブリンクを上手く使ってキャスディとのリソーストレードに成功しています。しかし、主戦場での戦いには全く貢献しておらず、誰が倒せたはずかも分かっていません。敵のキャスディはトレーサーよりも早く主戦場に到着して、トレーサーが戦い始めるよりも早く味方を倒しています。最初のスキルトレードまでは良かったですが、そこからキャスディを狙い続ける必要はありませんでした。
悪い例2(1:32~)
このトレーサーはブリギッテをターゲットに選びましたが、最初のリソーストレードの後もブリギッテを狙い続けた結果、有利なリソーストレードができていません。
プレイボーイになれ(1:39~)
どうしたらこれを直せるでしょうか。「プレイボーイ(遊び人)」になるんです。現実世界ではパートナーに誠実な人であったとしも、ターゲット選択においてはそうなりたくはありません。ターゲット選択では、ミンディにメッセージを送って脈が無さそうだったらすぐにスージーとクリスティーンにもメッセージを送ります。常に選択肢を持っておくのです。アナが倒せそうだったとしても常に周りの状況を把握しておく必要があります。現実世界ではミンディと上手くいったらそれでハッピーエンドでおしまいですが、オーバーウォッチでは良いリソーストレードができたり、キルが取れたとしてもそれだけでは試合に勝つには不十分かもしれません。ミンディよりも良い人がいたら?ルセラフィムのチェウォンみたいな人がデートに誘ってくれたかもしれないですよね?プレイボーイスタイルの本質は、周りにいる女の子全員にメッセージを送ってより良い機会を探ることにあります。上手くいかなかったら他の子を探せばいいんです。
良い例(2:23~)
このクリップでのAlphaYi(プロ選手)は、まずトレーサーを撃っています。ゼニヤッタが孤立していると判断したら、味方のザリアにバリアを張ってもらいながらゼニヤッタに仕掛けに行きます。すると敵のD.vaが助けに来たのですぐに引きます。ミンディがメッセージを無視したときみたいに。少し待ってもう一度ゼニヤッタの様子を伺います。するとアナがゼニヤッタを回復していたので、ゼニヤッタに行くのをやめて、他の女の子、この場合は敵のトレーサーの元に移動します。敵のトレーサーからエリアを奪ったら、ウィドウメイカーが近距離にいるのを見つけました。ウィドウメイカーが一発撃ったらその隙に仕留めに行きます。ウィドウメイカーを倒したらトレーサーとD.vaの方に戻ります。ゼニヤッタが虹彩を使っているので、D.vaは倒せません。しかしこれは同時にアナが孤立しているということでもあるので、AlphaYiはアナを倒しに行きました。新しい女の子を見つけたプレイボーイみたいに。
プレイボーイになるコツ(3:09~)
低ランク帯のプレイヤーだけでなくTOP500クラスのプレイヤーですらこのAlphaYiレベルのプレイボーイスタイルはできていません。「プレイボーイ」になるためのアドバイスは、周りの音をよく聞き、射線などの些細な情報にも気を配りましょう。こういった情報を元に周りを見ることで、どの敵が間違いを犯しているか、どの敵が脅威なのかが分かるようになります。
プロから学ぶ(3:29~)
プロのプレイ動画を見ると、パラノイドなんじゃないかと思うくらいに周りをよく見ています。プロはキルを取るのが上手いだけでなく、倒される回数が少ないです。これはウィドウメイカーやキャスディといった敵の射線を常にアップデートしているからです。新しいターゲットを選んだとき、実はそれが絶好のチャンスかもしれません。敵は攻撃されることを予測せず、避ける動きをしていないので、かなり単純な動きになります。こういった状況ではダメージをかなり出しやすく、リソーストレードでも勝ちやすいです。
Stalk3rの場合(3:58~)
ここではStalk3rはまずウィンストンを撃ち、次に新しいターゲット、新しいアングルを探します。すると敵のトレーサーを倒す絶好のチャンスであることがわかり、かなりのダメージを出せました。
トレーサー以外のヒーロー(4:07~)
「トレーサーの例ばっかじゃねえか」と言われてしまうかもしれませんが、ここ2ヶ月はトレーサー講座をやっていたからです。ではトレーサーのような機動力がないヒーローはどうしたらいいでしょうか。想像の通り、機動力がないヒーローでは難易度が上がりますが、基本的にやることは変わりません。
xzodyalの場合: ソジョーン(4:26~)
この例ではソジョーンは敵の本体を撃っていますが、より良いターゲットを探しながら敵がラッシュを仕掛けてこないか注意しています。
xzodyalの場合: キャスディ(4:35~)
キャスディは左にピークしましたが、オリーサがカバーにいることを視認したので攻めません。不意打ちで倒しやすいトレーサーの方にピークして、その後はすぐにポイントに対して2箇所からピークしています。敵がいなかったら別のアングルから次の敵を探しています。プレイボーイみたいにより良い敵を探しているのです。
より良い相手を選べ(5:00~)
ターゲット選択の2つ目のポイントは、よりよい相手を選ぶということです。プレイボーイスタイルを使っていないからキルを取れていないという場合もあるかもしれませんが、敵全員が目の前にいるみたいな情報が十分にある状態でも間違ったターゲットを狙っている場合があります。
悪い例(5:11~)
この例では敵チームの4人が目の前にいてオリーサの体力が一番あります。つまりオリーサが多くのリソースを持っているということです。しかし他の敵の方が倒しやすいにも関わらず、オリーサを撃ち続けてしまっています。
ターゲット選択の判断材料(5:22~)
どうしたらよりよいターゲット選択ができるようになるでしょうか。それを判断する材料がこちらです:
敵の体力はどれくらいあるか
敵のアビリティは何が残っているか
どれくらい開けた場所にいるか
どれくらい前に出てきているか
人数の有利/不利
味方は誰を撃っているか
敵は誰を回復しているか
敵は誰を見ているか
AlphaYiの例ではウィドウメイカーが撃つタイミングが合図でした。つまり、今挙げた判断材料は攻撃する合図です。体力が少なくアビリティも残ってない敵は格好の的ですし、敵がこちらを見ていなかったり回復されてなかったりしたらそれが攻撃の合図です。簡単に聞こえるかもしれませんが、これを実際に試合中に行うのはとても難しいです。しかしこれまで学んだことを応用すればいいのです。プレイボーイスタイルのとき、つまり特定の敵だけを狙っているわけではないとき、誰の体力が減っているのか、誰が倒せるのかということが自然と見えてくるようになります。プレイボーイスタイルでありさえすれば、目の前の敵と漠然と戦っているのではなく、自動的にこれらの合図に気づけるようになるわけです。
広い思考を持つためのマクロ(6:32~)
ターゲット選択の最後のポイントはマクロのことで、「より広い思考を持つ」ということです。大局的な話になります。
ライン(6:38~)
まずはじめに「ライン」という概念について話します。それぞれのマップには、あるラインを超えるまで視野が狭いままという場所があります。オアシスのガーデンでは最初のチョークポイントがラインで、その線を超えるまでは視野が狭くなっています。これを利用して、ポイントからはラインを超えてきた敵(たいていはタンクやフランカー)を撃ちましょう。そうすることで敵のバックラインを分断して戦えます。
この例では、AlpyaYiは敵のバックラインに撃たれることなく、ウィンストンとトレーサーにかなりダメージを出しています。こうした状況では敵はジレンマを抱えることになります。ラインを超えれば危険な状況に身を置くことになりますし、ラインを超えなければ射線が狭いままです。
ラインは基本的にチョークポイントの場所と重なります。バックラインは周りにカバーが少なく、狭いエリアに固まることになります。ですので、ラインが、敵のタンクやフランカーを撃つのか、バックラインを撃つのかの指標になります。つまり、大局的な視点から見れば、ターゲット選択は敵のバックラインの射線がどれくらいあるかによるということになり、その判断基準で一番分かりやすいのがラインの概念になります。ラインの概念を理解できていれば、敵のバックラインの射線が届かないところから、ラインを超えてきたタンクやフランカーに十分なダメージを出すことができます。
弱点(7:52~)
ラインの概念に加え、敵チームで誰が弱点で誰が脅威なのかについても考えることができます。
Stalk3rの例では、相手がファラマーシーの構成なのでアナを狙っています。マーシーはファラをポケットすることになるので、アナが孤立しやすいからです。
プレイヤー自身も弱点になりえます。ランク(ライバルプレイ)で下手なプレイヤーがいたら積極的に狙ってそのアドバンテージを活かしましょう。相手チーム内の信頼関係にヒビを入れることができるかもしれません。
NYXLのコーチ時代に、当時OWLの東地区で最強だったソウルダイナスティーと試合がありました。私たちはメインタンクのMiroとオフタンクのKuKiのプレイスタイルの違いに弱点があると思い、Miroのウィンストンにプレッシャーを掛けられるロードホック構成で対策しました。OWLで初めてロードホックをメインタンクとして採用したのは私たちだったと思います。実際にメインタンクを執拗に狙い惨めな思いをさせることができました。これと似た話で、敵のウィドウメイカーが自チームにとってかなり脅威の場合、ウィドウメイカーを集中して狙うということも考えられます。ただ一つ気をつけてほしいのは、これはこうしなければならないというルールではなく、こういう考えもあるよということです。上手いプレイヤーは試合の流れを読み、下手なプレイヤーはやみくもにルールに従ってしまいます。ウィドウメイカーが消極的で良いアングルを取っていないなら無視すればいいのです。良いアングルを取っていて無視できないなら近づいて対処する必要があります。
勝てる条件(9:17~)
ターゲット選択は勝利条件を使って決めることもできます。自チームがポーク構成で敵チームがダイブ構成の場合、勝利条件は相手にダイブさせないことなので、ダイブの中心となるヒーローを集中して攻撃することでリソースを吐かせ、思い通りのダイブをさせないというプレイができます。もちろんこの時にも「周りをよく見ること」と「より良いターゲットを選択すること」という基本は変わりません。敵のサポートが前に出すぎているならワンピックを狙うのもいいでしょう。また、影響力の大きいアルティメットを持っている敵を狙うのも勝利条件になりえます。例えば、ルシオにAjax(サウンドバリアを使ってからバリアが付与されるまでの間に倒すこと)させたり、龍撃剣を使っているゲンジを集中して狙ったりするといいでしょう。仮に倒せなかったとしても、集中して攻撃することでアルティメットを使いたくないタイミングで使わせることができます。
エリア(10:41~)
最後にエリアです。それぞれのマップには強いポジションや大事な場所があり、そういった場所を取りに来た敵は狙うターゲットとして相応しいです。
もちろんこれら以外にもターゲット選択に関わるマクロな部分はありますが、今挙げた4つ(ライン、弱点、勝利条件、エリア)はターゲット選択においてキーポイントになりますし、実戦で使いやすいものばかりです。