[OW2/Spilo翻訳]メイン/フレックスサポートの呼び分けはもう古い?用語の歴史とOW2のこれから
備忘録用に勝手に翻訳。意訳あり、おそらく誤訳もあり。
動画の内容順に書いているので、途中質問が入ってきて話の流れが悪くなっている部分があります。
動画が投稿されたのは2024年6月4日です。
ヒーローの強さ・性能に関しては当時の話であることにご注意ください。
この記事では、サポートの構成で「A/B」と書いたら「AとBを使っている構成」を意味します。
例: 「アナ/ルシオ」は「サポートでアナとルシオを使っている構成」
動画: The Overwatch 2 Support Dilemma
本記事のまとめ
メイン/フレックスサポートの由来はOW1の競技シーン。
ルシオが強く、ほとんどのメタで使われたメイン/フレックスサポートの本来の意味は、
メイン: ルシオ
フレックス: ルシオ以外のサポート(特にアナ、ゼニヤッタ)
メタが変化すると、メイン/フレックスで既に練習の経験があるヒーローを優先して担当させた。
→ メイン/フレックスのピックプールの違いSpilo氏が考える、メイン/フレックスサポートの現在の意味は、
メイン: ルシオ担当のサポートがプレイしてきたヒーロー
フレックス: アナ、ゼニヤッタ担当のサポートがプレイしてきたヒーロー
メイン/フレックスは回復量やユーティリティで決まるものではない
OW1ではタンクが2人いた
→ 安定した回復力があるメインとフレックスの組み合わせが強かったOW2ではタンクが1人に減った
→ 回復力よりもユーティリティが優先されるようになった
→ 同じヒーローが使われやすい
導入(0:00~)
これは毎年のように起こることですが、グラウンドホッグデー(同じことが繰り返されることの例え)のようにメインサポートとフレックスサポートの違いについて議論しているのを見て、「ああ、またか」と思ってしまいます。そして結論はいつも同じです。Ocieコーチがこんなことをポストしています:
これは正しいです。メイン/フレックスサポートとは何か、その違いがどこから生まれるのか、そしてなぜその違いが重要なのかについて説明したいと思います。ただし、この違いはゲームバランスやヒーローデザインにおいてはさほど重要ではありません。
メイン/フレックスサポートの由来(0:45~)
メイン/フレックスのはじまり
昔々、OW1の競技シーンがありました。その当時の競技シーンを振り返ってみましょう。簡単に言えば、当時はルシオが非常に強力で、誰もがルシオを使っていました。ルシオ、マーシー、アナ、ゼニヤッタが主に使われ、特にブロウル(ラッシュに似た構成)やラッシュ構成では常にルシオが選ばれていました。ルシオは非常に強力で、ダメージも出せるし、アルティメットも強力、さらにはユーティリティ*も高かったのです。これはつまり、もう一人のサポートプレイヤーがゼニヤッタを使ったらゼニヤッタ/ルシオ構成になり、アナを出せばアナ/ルシオ構成、マーシーを出せばルシオ/マーシー構成になったということです。おそらく気づいている方もいるかもしれませんが、ルシオでない方のサポートは「フレックス(柔軟)」である必要があり、状況によってゼニヤッタ、アナ、マーシーを使い分けていたのです。マーシーが必要な状況は非常に少なかったので、基本的にはアナとゼニヤッタを「フレックス」していました。これでチームに「メイン」サポートと「フレックス」サポートがいることになります。「メイン」というのは、常に一つのロール、一人のヒーローを専門的にプレイする人のことで、フレックスは状況に応じてヒーローを変えたり元に戻したりします。これがメイン/フレックスサポートの由来です。
ダブルスナイパー時代
しかし、メタのへ進化によって、メイン/フレックスの概念が変わることがありました。その一例がダブルスナイパーメタ(ウィドウメイカー/ハンゾー)の登場です。この構成のサポートはゼニヤッタとマーシーでしたよね?(当時の動画ではアナ/マーシー)結局何が起こったかと言うと、長い間アナ/マーシーかゼニヤッタ/マーシーになりました。すると、ここ1~2年アナやゼニヤッタを使っていた人と、ルシオを使っていた人、どちらがアナやゼニヤッタをプレイしたらいいだろうかという話になり、ルシオを使っていたメインサポートがマーシーを使うことになったのです。マーシーはアナやゼニヤッタと比べると少し簡単である一方、ゼニヤッタは高いフィジカルが要求されるからです。これが何年か前の話です。つまり、アナやゼニヤッタを専門的にプレイするフレックスサポートがいる一方で、ルシオプレイヤーだったメインサポートがマーシーにフレックスする、という状況が生まれたのです。
GOATS時代
メイン/フレックスサポートという用語にこだわってきて、これ以上難しくなることはないと思っていました…が、難しくなりました。OWL(オーバーウォッチリーグ)でGOATS(3タンク3サポート)メタが誕生したからです。GOATS構成では再びルシオが使われるようになり、フレックスサポートも再びゼニヤッタを使うようになりました。ゼニヤッタの代わりにモイラを採用するチームもありました。基本的にはモイラはゼニヤッタよりかなり劣っていますが、限定的な状況で使われたのです。すると、こう思う人が出てきます。「エイムが上手なプレイヤーがなんでモイラなんかやってるんだ」と。しかし、オリーサ/シグマのダブルシールドメタではモイラとルシオが使われいた時代があり、実際にフレックスサポートがモイラを担当していました。エイムが上手なフレックスサポートが、エイムを必要としないモイラをやっていたのです。
なぜこうなったのかというと、ルシオもエイムが必要ですが、「エイムが上手いフレックスサポートと、過去3~4年ルシオをプレイしてきた人、どちらにルシオをやらせますか?」答えは明らかで、ルシオをやってきた人にルシオをやらせます。つまり、メインサポートがルシオを担当し、フレックスサポートがモイラ、ゼニヤッタ、アナをやります。別の話にはなりますが、過去にはDPSプレイヤーがブリギッテをやっていたこともありました。
ダブルシールド時代
次にゼニヤッタ/ブリギッテ、バティスト/ブリギッテの構成が登場します。よく見られたのはバティスト/ブリギッテの組み合わせです。動画ではバティスト/ゼニヤッタかもしれません。が、バティスト/ゼニヤッタの組み合わせでは次のようなことが起こります。(Twitchの)チャットの皆さん、バティスト/ゼニヤッタでは誰にバティストをやってほしいですか?エイムが上手いフレックスサポート?でもちょっと待ってください。フレックスサポートはこれまでにゼニヤッタの練習をしてきましたし、どちらもエイムが必要なヒーローです。
チャット欄: たぶんメインサポートにバティストをやらせる
そう、メインサポートにバティストを担当させます。バティストにたくさん撃ってほしいかもしれませんが、ゼニヤッタの経験が豊富なフレックスサポートにゼニヤッタをやらせたいのです。つまり、バティスト/マーシーならフレックスサポートはバティストを担当しますが、バティスト/ゼニヤッタならフレックスサポートがゼニヤッタを担当します。それではバティスト/ブリギッテの場合はどうでしょうか。バティスト/ブリギッテの構成の特徴はスパムだったり、ゲンジのようなヒーローが一緒に使われてDPSに「リペア・パック」を渡したり、ダブルシールドだったり、…ですよね?この構成ではメインサポートにブリギッテをやらせます。既に他の構成でブリギッテの練習をしていますし、エイムが上手いフレックスサポートにはバティストをやらせたいからです。フレックスサポートはバティスト/マーシー構成でバティストの練習をしたことがあるはずです。
ここでメイン/フレックスサポートという用語が崩壊します。「こいつがルシオやって、こいつがフレックス」みたいな単純な話ではなく、メインサポートがマーシーやブリギッテ、構成によってはバティストも担当することがあるのです。そしてフレックスサポートは、競技シーンの初期からエイムが必要なヒーローを練習してきたため、そういったヒーローをプレイするようになります。現在のプロプレイヤーの多くは、この時期にメタの最前線にいなかったかもしれませんが、環境が変わった今でも、競技シーンでは、ルシオを得意とするサポートと、エイムが上手でゼニヤッタ、アナ、バティストを得意とするサポートが求められています。
つまり、現在でもプロレベルでは同じ用語を使っていますが、もはやその意味は薄れています。「メイン」や「フレックス」という言葉は、もう適切な形容詞ではありません。
メインとフレックスの違い(7:20~)
ではなぜ今でも「メイン/フレックスサポート」という用語を使っているかというと、この用語が使われだした2017年当時は変える必要がなかったからです。当時の競技シーンでは、それが何を意味しているかを誰もが理解していました。しかし、この用語は直感的ではないので、視聴者から「ライフウィーバーはメインサポート?それともフレックスサポート?」といった質問をよくされます。答えは「分からない」です。だってライフウィーバーが競技シーンで真剣に使われたのはRakattack選手以外ほとんどないから(動画はFalconsがダラスメジャーでライフウィーバーを採用する前)。本当に分かりません。実際のところメインサポートとフレックスサポートに大きな違いはないのです。フレックスサポート系のヒーローが若干エイム重視ということ以外に、明確な区別はありません。一番の違いは、メインサポートがルシオを使い、フレックスサポートはルシオを使わないということくらいです。
もしライフウィーバー/ブリギッテの構成になれば、メインサポートはブリギッテの経験があるので、フレックスサポートがライフウィーバーを担当することになるでしょう。ライフウィーバー/ルシオ構成も同様です。アナ/ライフウィーバーだったら?フレックスサポートはアナの経験があるので、メインサポートがライフウィーバーを担当することになると思います。
チャット欄: 開発がメインサポートとフレックスサポートを区別するべきだと思う?
区別するべきではないと思います。
メインヒーラー vs ユーティリティ
なぜメインサポートとフレックスサポートを区別するのが重要なのか。回復量の多いヒーロー(=メインヒーラー)とユーティリティの高いヒーローがいますね。これは分かりやすい違いです。これらの間に位置するハイブリッド型のヒーローがたくさんいますが、これについては後で話します。さて、メインとフレックスの区別が重要なのは、一般的に良い構成は両方いるからです。OW2ではこのルールは破られていますが、OW1ではタンクが2人いたので、安定した回復力が必要でした。アナやバティスト、実装されていたらライフウィーバーもだし、マーシーは特別回復量が多いわけではないですが他のヒーローと比較したらマーシーも、そしてもちろんモイラもメインヒーラーです。OW1では、タンクがそんなに回復を必要としない構成でない限りは、ブリギッテ/ゼニヤッタ構成はトロールとまでは言いませんが、かなり不利を負うことになります。つまり、ユーティリティの高いサポートを2人起用すると、回復が足りなくなります。でもアナ/ルシオやアナ/ブリギッテ構成だったら、十分な回復とユーティリティがあります。OW1、2の歴史上、回復量の多いサポートが2人同時にメタになることは非常に稀で、ほとんどありません。アナ/バティストやアナ/キリコ(キリコはハイブリッド型なのであとで話します)はほとんど見ないですし、モイラも回復量の多いサポートと同時に使われることはほとんどありません。ライフウィーバーは少しユーティリティがありますが、ライフウィーバー/アナは良くないとされています。メインヒーラー(≠メインサポート)が2人いる構成で議論の対象になるのは、アナ/マーシーかバティスト/マーシーくらいですが、この構成になる理由は高い回復量だけでなく、マーシーのダメージブーストと蘇生です。十分な回復量がありながらマーシーの高いユーティリティもあるからです。
チャット欄: OW2のシーズン9以前はアナ/キリコ、アナ/バティスト、バティスト/キリコをよく見たけど?
ランクは含みません。ランクではダメージも出せて回復量も多いヒーローは強力ですが、この場合ランクは含みません。アナ/キリコはOW2でときどき見られますが、これは後で話します。
なぜ今はブリギッテ/ルシオなのか(11:45~)
なぜアナ/バティスト構成は使われないのか
なぜ(競技シーンにおいて)メインヒーラー同士の構成が見られないのでしょうか。ユーティリティ性があったら?答えは「それだけでは不十分」です。バティストやアナのダメージでは足りません。ゼニヤッタは調和・不和のオーブとその攻撃力でバティストやアナよりもずっと高い価値を出せます。アナの回復量は高いですが、既にバティストで回復は足りているので、ほとんどの場合ゼニヤッタの方が良いです。バティスト/アナの構成はランクでは悪くないかもしれませんが、競技レベルで「悪くない」では不十分です。
チャット欄: イラリーが実装されてからはOWCSでもたまにバティスト/イラリーを見るね
イラリーはメインヒーラーではないからですね。理論上回復量が多かったとしてもメインヒーラーになるわけではありません。回復できる範囲が狭いので、タンクからすればイラリーをメインヒーラーとして頼るには心もとないです。事実すぐにクールダウンが発生してしまいます。イラリーを起用する理由はユーティリティ、つまりオフアングルを取ってダメージを出すことにあります。決して信用できる回復リソースとして起用しているわけではありません。特にタンクにとっては。だからアナ/モイラ構成を見ないのです。アナがユーティリティに専念してモイラにDPSモイラをやらせることはできますが、そうするならもっと良いサポートがいますよね。
なぜアナ/キリコ構成は使われるのか
ではなぜ一部メインヒーラー同士の構成を見ることがあるのでしょうか。バティスト/マーシーについては既に話しましたが、他にも組み合わせはあってアナ/キリコをたまに見ますよね。繰り返しになりますが、キリコはハイブリッド型です。競技シーンのアナ/キリコ構成を見てみると、キリコは常にトレーサーと一緒にフランカーの動きをしています。回復しているのではなく、機動力の高さを活かしています。OW2ではそれほど多くの回復を必要としていないのです。
チャット欄: サポートやっていて味方にマーシーがいると、メインヒーラーをやらないといけないと感じてしまうんだけど、マーシーがメインヒーラーならゼニヤッタとかブリギッテでもいいってこと?
マーシーはOW2になって回復量が減ったので、メインヒーラー適性は低くなりました。OW2のカオスになりやすいという性質上、マーシーの移動はぎこちなく感じることがあり、ハイブリッド型のメインヒーラーとしては個人的に好きではありません。OW2ではマーシーはもっとニッチなカテゴリーが合っていると思います。
なぜブリギッテ/ルシオなのか
話は戻りますが、なぜこれが大切なのでしょうか。なぜ競技シーンでは常にルシオ/ブリギッテが採用され、他の構成は全く見ないのでしょうか。チャットの皆さん教えてください。この質問の答えはとても重要で、このことはオーバーウォッチのデザインを理解する上でも大切です。
チャット欄: ユーティリティ
そう、ユーティリティ。それだけです。プロレベルでマーシーとルシオのユーティリティを比較すると、ほとんどの場合マーシーの蘇生もずっとダメージブーストをしているのも機能しません。アルティメットのヴァルキリーも弱く、スキルシーリング*がありません。
ブリギッテとルシオでメインサポートとしての差はありません。単体回復力が少ないだけで、連携が取れる環境で優れているブリギッテ/ルシオがいるのにマーシーを使う理由がありません。役割が違うものの、短期間ながらイラリーはユーティリティでブリギッテに匹敵していました。ゼニヤッタはアナ/ゼニヤッタで攻撃的に行くときにユーティリティサポートとして時々機能していました。競技シーンでも見たことがありますよね。ゼニヤッタで欲をかいたプレイをするために高い回復量は不要です。ゼニヤッタは味方のサポートにカバーしてもらう必要があるときもありますが、アナはゼニヤッタをカバーするためにユーティリティにかなり専念できます。ライフウィーバーの回復量は高いですが、それほどではありません。モイラはメインヒーラー寄りですが、フランクしてダメージを出すプレイスタイルは競技シーンでは通用しません。キリコはたまに見かけますが、今はユーティリティがそんなに高くないのに回復量はかなり高いです。先ほども言ったように、アナ/キリコやバティスト/キリコのような回復力は必要ありません。つまり、この点において、他の構成のほうが優れているということになります。だから今はブリギッテ/ルシオの構成が使われているわけです。回復量はそれほど高いわけではありませんが、独特の強さがあるからです。
そして非常に重要なことですが、ブリギッテ/ルシオ構成はプレイヤーのスキルが大きく反映されます。ブリギッテとルシオはどちらもスキルシーリングが非常に高いヒーローです。ブリギッテのリペア・パックの管理やポジショニング、ウィップ・ショットやサウンドウェーブのノックバックアビリティによる敵の排除など、多くの要素が求められます。先週、Vega選手のブリギッテを見ましたよね?彼はDPSを非常にうまくサポートしていて、この構成では大量の回復が必要というわけではないため、「いつ回復するか」が非常に重要でした。ブリギッテ/ルシオ構成の主な理由は、回復量ではないのです。
この構成は攻撃にも防御にも柔軟に対応できる上、見過ごされがちですが、プロレベルではラリーやサウンドバリアは、コアレッセンスやヴァルキリーよりもはるかに強力です。これはゼニヤッタが使われなくなった理由でもあります。心頭滅却が、ラリーやサウンドバリアほど強力でなくなったからです。プロ選手たちが、あるメタではブリギッテを使い続け、またあるメタではゼニヤッタを使い続けることに不満を漏らすのを見かけますが、それはスキルシーリングが非常に高いヒーローだからこそ使われるのです。こうしたヒーローは、回復量が高くないことが多いので、もし回復量が高いヒーローが定まれば、その時点で構成も決まってしまうのです。アナ/マーシーにする?それではうまくいかないでしょう。アナ/キリコは?場合によっては良いですが、高度な連携力が必要です。キリコ/ルシオは、タンク1人を回復するのに十分な回復量があり、ユーティリティも強力です。オフアングルを取るのが容易で、アルティメットも強力、さらにノックバックも可能です。これに取って代わるヒーローはいますか?ダイブ構成なら、アナ/ブリギッテも良いですね。ウィンストンを回復するのに十分な回復量があり、遠距離にいるDPSも回復できます。さらに、相手のダイブを防ぐのに効果的なアルティメットが2つもあります。ダイブ構成でアナ/ブリギッテ以外にする理由がありますか?レッキングボールのように、回復をそれほど必要としないタンクなら、ゼニヤッタ/ブリギッテ以外の選択肢はないでしょう。最低限の回復があれば、ユーティリティに全振りできます。ブロウル構成なら、バティスト/ルシオ以外に選択肢はありますか?イモータリティ・フィールドやアンプリフィケーション・マトリックスがあり、ダメージ力や回復力も高く、さらにスピードも兼ね備えています。
チャット欄: ダイブ構成でキリコ/ルシオを見たことがあるよ。
確かに、ダイブ構成でキリコ/ルシオを採用することもありますが、それは機動力が求められるダイブなので、アナ/ブリギッテのダイブとは少し異なります。
これが、アナ、ブリギッテ、キリコ、ルシオ、そして時々ゼニヤッタがメタの中心となる理由で、彼らはスキルシーリングが高く、そのポテンシャルを最大限に引き出すことができるからです。
メイン/フレックスサポートとは何なのか
私の意見はこうです。
Q. メインサポート、フレックスサポートとは何なのか?
A. メインサポートはルシオをプレイする人、フレックスサポートはルシオをプレイしない人。
OW2の問題点: なぜ同じヒーローばかりメタになるのか
メインサポートは基本的にブリギッテも担当しますが、基本的にはこれがメインサポートとフレックスサポートの違いです。競技シーンで常にブリギッテ/ルシオが採用される理由は、高いユーティリティと強力なアルティメットで単体回復力を補えるだけでなく、そのユーティリティが他のサポートヒーローと比べても非常に優れているからです。同等のユーティリティを持つヒーローが現れない限り、ブリギッテ/ルシオ以外の選択肢になることは少ないでしょう。次回かその次のパッチで、回復量は高くないけれどもユーティリティが非常に高いヒーローが登場すれば、アナやバティストと組み合わせる形で新しいメタが生まれるかもしれません。たとえば、イラリーやモイラがリワークされてユーティリティが向上すれば、彼女たちがメタになる可能性もあります。また、スペースレンジャー(ジュノのコードネーム)がその役割を担うかもしれませんが、現時点では分かりません。
現在のサポートの問題点は、同じヒーローが繰り返し使われていることです。ライフウィーバーやマーシー、モイラのようなヒーローはスキルシーリングが低く、イラリーも単調なプレイスタイルになりがちなため、競技シーンではあまり採用されません。
チャット欄: ルシオやブリギッテをメタから追い出すユーティリティって例えば何?
現状ではその可能性は低いですが、もしポーク構成が復活した場合、機動力の重要性を考慮すると、バティストやゼニヤッタ、イラリーのユーティリティが非常に重要になるでしょう。それでもマーシーがメタになるとは考えにくいです。OW2ではスピードと機動力が非常に重要なので、高いユーティリティや複数のユーティリティを持つヒーローが求められます。
チャット欄: イラリーは実装時にプロでも使われてたね。
それはタイミングが良かったからです。当時、トレーサーやソンブラが猛威を振るっていたため、イラリーがその対策として有効だったのです。
チャット欄: ゼニヤッタ/イラリー構成がメタになる日が来ると思う?
正直なところ、分かりません。イラリーには不思議なところがあります。ポーク構成ではアルティメットがやや弱く、スナイパーにカウンターされやすいのです。中距離戦では強力ですが、長距離ではウィドウメイカーやゼニヤッタに対して苦戦すると思います。
チャット欄: マーシーはメタになると思う?
いいえ、現状ではメタになるとは考えにくいです。ポケットDPSスタイルはそれほど強力ではなく、ゲームバランスにも良くありません。私はソジョーンやキリコを擁護しますが、それ以上にブリギッテ/ルシオ構成を支持します。正直、キリコ/ルシオは面白くないので、現状のブリギッテ/ルシオのままでいいと感じています。モイラ、マーシー、ライフウィーバー、イラリーのメタはいらないです。
チャット欄: 前にマーシーがメタになったことあったよ。
マーシーメタが存在していたのは事実ですが、正直なところ、それは非常に退屈でした。
チャット欄: 見ていて一番楽しいメタは何だと思う?
私が一番楽しいと思うメタはアナ/ゼニヤッタ構成です。どちらのヒーローもユーティリティが高く、ポーク能力に優れていますが、一度ミスをするとすぐに倒されてしまいます。これは「ダブルフレックスサポートメタ」と呼ばれますが、こう呼ばれる理由は回復量が多いからではなく、どちらのヒーローも伝統的にルシオを担当するプレイヤーがプレイしないヒーローだからです。
Q&A(24:20~)
チャット欄: ゼニヤッタ/ルシオ構成好き
そうですね、ゼニヤッタ/ルシオは見ていて楽しいです。
チャット欄: マーシーをリワークするなら?
少し前にマーシーのリワーク案について動画を出しました。マーシーで一番楽しいのは機動力なので、どうしたら積極的に動くようになるかについて話しました。
チャット欄: アナ/ルシオはやれることが多くて楽しい
アナ/ルシオは楽しかったですね。ここのところアナ/ルシオが良くないのは、アナは本来ブロウル系ヒーラーだったからです。バティスト実装前までは使われていましたが、バイオティック・グレネードが盾で防がれやすいので、バティストの方がよりブロウルに向いています。ナノブーストも良いですが、密集しがちなブロウル構成ではアンプリフィケーション・マトリックスの方がわずかに良いです。そのため、アナはブロウル構成から外されるようになり、ダイブ系の構成で使われるようになりましたが、アナはじっとしている構成の方が能力を発揮しやすいです。
チャット欄: プラチナ帯以下でサポートのメタは大切?
いいえ。高ランク帯になるまではサポートの構成が重要な要素になるとは思いません。高ランク帯でもモイラ/ライフウィーバーで勝てることもあります。不思議な話かもしれませんが。
サポートがバックラインにいがちなのはNOOB向けのヒーローが多いからです。高ランク帯では通用しません。
繰り返しになりますが、メインサポートとはルシオを担当していたプレイヤーと関係があるヒーローで、フレックスサポートはアナやゼニヤッタを担当していたプレイヤーと関係があるヒーローのことです。フレックスサポートがアナ、ゼニヤッタ、モイラ、バティスト、イラリーを担当していたのは見たことがありますよね。ニッチなメタですが、OW1でもブリギッテ/ルシオを採用していたチームがありました。コンテンダーズで数チームだけでしたが、とても良かったです。この構成ではフレックスサポートがブリギッテを担当していました。ルシオ担当は既にいますし、ルシオの方がキャラコンが要求されるからです。メインサポートがモイラを担当していたこともあります。OWLのフロリダメイヘムがたまにアナ/モイラのダイブを採用し、モイラをアナ/キリコのキリコのようにフランカーとして使っていました。
チャット欄: メインサポートはIGL(試合中の指揮)とかアルティメット管理とかもやるよね?
はい、多くの場合はメインサポートが担当します。昔の話ではありますが、ルシオプレイヤーは面倒くさがりが多かったです。昔はルシオが簡単だったからということではなく、あまり前に出ないプレイスタイルが多かったので、「ルシオは簡単だからアルティメット管理しろよ」と言われるようになりました。これは過去の話で今はそうではありません。ルシオやブリギッテのプレイヤーはたくさん動いたりよく考えたりするだけでなく、キャラコンも求められます。しかし、昔からメインサポートがアルティメット管理をするのが定着していたので、今でもそうするのが当たり前になっています。
チャット欄: てことはフレックスサポートが回復担当ってこと?
違います。フレックスサポートとメインヒーラー、あるいはメインサポートとメインヒーラーに相関はありません。メインヒーラーは回復量が高いサポートヒーローにすぎません。フレックスサポートはエイム重視のヒーローが多いので、多くの場合はフレックスサポートがメインヒーラーを担当することになりますが。
チャット欄: ルシオ使いはサポートのトールビョーン使いみたいなもん。
たしかに、ルシオがペイロードに座っているだけのミームが昔ありました。ルシオがペイロードを押す必要があったわけではなく、ゲームの理解度が足りていなかったからです。しかし、それも今となっては昔の話で、今のルシオプレイヤーはしっかりと仕事してます。
チャット欄: サポートをメインヒーラー、ユーティリティ、ハイブリッドの3つのカテゴリーに分類した方がいいのでは?
カテゴリーに分ける必要はないと思います。合理的だと思いますが、メインヒーラーにもユーティリティに優れているヒーローは多くいるので、分類することには反対です。ランクではメインヒーラーを2人起用するのは全然問題ありません。アナ/バティストでは回復能力が過剰になってしまいますが、ユーティリティも高いので、ダメージを出しやすく味方のサポートもしやすいです。プロの競技レベルでは物足りないですが、ランクでは十分な性能です。他にもバティスト/ライフウィーバーが挙げられます。モイラ/ライフウィーバーのような構成は、ユーティリティの組み合わせが合っていません。タンクをライフグリップで引っ張りたいのにモイラでフランクするのは変ですよね。モイラ/ライフウィーバーはユーティリティが足りないのではなく、ユーティリティの種類がそれぞれ1つしかないので、そのユーティリティが必要とされない場面ではユーティリティを持っていないのと同じになってしまいます。モイラがフランクできないマップでは、モイラのユーティリティは0になってしまうのです。ポーク構成で対スナイパーの戦いをしている時はライフウィーバーのユーティリティは0になってしまいます。その一方で、相手のバックラインが脆く、ラインハルトのような攻撃的なタンクが味方にいるならば、ライフウィーバー/モイラは上手くいくと思います。ただし、ユーティリティのバリエーションがないことに注意しなければなりません。アナ/バティスト構成は回復量が高いので、それぞれのアビリティを自分のために使えますし、近距離でも遠距離でもいろんな方法でユーティリティを組み合わせて戦うことができます。
チャット欄: モイラ/バティストは誰がどのDPSを回復するかが分かりにくい
ある程度同意します。
チャット欄: ユーティリティって何?
ユーティリティとは回復や敵のタンクを撃つこと以外の価値を指します。
例えば、モイラには2つの要素があり、1つは高機動力のタイマン性能、もう1つは高い瞬間回復力です。つまり、モイラのユーティリティである機動力を封じてしまえば、モイラの価値は瞬間回復力だけになります。
キリコもやれることはモイラと同じですが、モイラと違って壁を通り越してテレポートできるので、安定して機動力を活かすことができます。キリコには鈴のご加護があるのが強いと言われることが多いです。たしかに「鈴のご加護」で状態異常を解除できるユーティリティは役に立ちます。しかし、たとえ鈴のご加護に状態異常解除の効果がなかったとしても、キリコは常にフランクすることができるので、モイラよりもユーティリティに優れていたことでしょう。
チャット欄: ユーティリティを高めるにはどうしたらいい?
バイオティック・グレネードは攻撃と守りのどちらの手段としても使えます。敵のタンクを追い返すもよし、敵のDPSに圧力をかけるのもよし。スリープ・ダーツは自衛として使ってもよし、敵のタンクを眠らせて嫌がらせするのもよし。ダメージを出すというのは攻撃にも守りにもなります。
ブリギッテは敵のダイブから味方を守れるだけでなく、攻撃的なプレイもできるし、遠くの味方を回復することもできます。
ライフウィーバーはペタルプラットフォームがあるので、理論上は高いユーティリティを持っています。しかし、実際のランクではペタルプラットフォームは高台を取る以外では使われません。ライフグリップも強力なユーティリティですが、ライフウィーバー自身の機動力がないため、敵がライフウィーバーを攻めてきたとき、あるいは味方が攻めているときにしか使えません。ポーク構成だったら…残念でしたね。
チャット欄: 初期のシンメトラ(OW1の最初の頃、シンメトラはサポートヒーローでした)が、イラリーのような回復できるタレットを持っていたら良いサポートになっていたと思う?
断言はできないけど、多分なっていたと思います。
チャット欄: なんでダイブ構成でルシオじゃなくてブリギッテなの?
ブリギッテは複数人を同時にサポートできるからです。ブリギッテはアナを守れますよね。ルシオより守れるとは言いませんが、同じくらいは守れます。それと同時に遠く離れた味方を回復することもできます。ルシオは一箇所でダメージを出したり、回復したりするのが得意です。その一方でブリギッテは相手を追い返すことはできても、ルシオほどダメージを出せません。しかし、同時に他の人のサポートもできるのがブリギッテの強みです。ブリギッテとルシオの違いは、常に位置を変えるような作戦をとる場合、ブリギッテは移動に向いていませんが、ルシオは敵を追ったり、敵から逃げたりすることができます。
チャット欄: プロのチームはアルティメットでどのサポートを使うか決めてるの?
部分的にはそうです。基本的には(使用率の意味で)人気が高いサポートヒーローほど競技シーンで強力なアルティメットを持っています。
チャット欄: ライフウィーバーをハイレベルな試合でも出せるようにできる?
そうは思いません。万が一ライフウィーバーがランクで使えるようになったとしても、きっとライフウィーバーより良いサポートがいると思います。
チャット欄: Rakattack選手はライフウィーバーをうまく使ってるよ
たしかに。しかし、ライフウィーバーは明らかに弱いし、そんなにうまくいってなかったです。ただ、ライフウィーバーを出す状況が理に適っていました。高所があるマップの対ダイブ構成で使っており、理論上ライフウィーバーにとって完璧な状況でしたが、結果は全然だめでした。プレイ自体は良かったですが、勝つのに十分ではなかっただけです。
チャット欄: ウィンストン/トレーサー/ソジョーン構成でキリコ/マーシーはどう?
うまくいくとは思いますが、状況が整っている必要があります。キリコ/マーシーは回復力が高いので、マーシーのポケット先が常に必要です。DPSに使われることでマーシーのいる意味が出てきます。キリコはタンクをサポートしたりオフアングルを取ったりしましょう。ウィンストンではなくドゥームフィストだったらもっとうまくいくと思います。キリコがそこまで回復に専念する必要がないので、トレーサーと一緒にフランカーに回ることができるからです。
チャット欄: ライフウィーバーは敵の盾を割るのに向いてる?
はい、ライフウィーバーの火力は高いので。