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「親ガチャ」のとらえ方は様々
親ガチャという言葉が大きく取り上げられています。NHKのオンラインニュースでも「親ガチャ」に関して配信。
SNSでは大盛り上がりをみせています。
親ガチャをザクっと言ってしまえば、「二極化が進んでいて、生まれながらにして経済的なハンデを背負っている」という意味です。
資本主義だろうが社会主義だろうか、生まれた家庭により人生の歩みや差が出ます。努力で何とかなるほど甘い世の中でもないのも事実です。
親が与える影響が大きいのは事実
私もある意味、親ガチャで少々ハズレを引いた家庭で育ちました。
ケンカをすれば包丁を出してくる父。彼は「ぶっ殺すぞ!」と口にしていました。一方の母は「こんな貧乏だとは思わなかった」と愚痴ばかり。
町内会では経済状況がブービーの家。1,2位を争っていた家はある日、忽然と姿を消しました。次に夜逃げする家、と目されていたほどです。
そんな家庭で育ち、いがみ合う両親の姿を見ては、「結婚とはなにか」「なんで結婚したんだろう」と物心ついたころから思っていました。
ですから、若い子達が親のせいにしたい気持ちは分かります。
とくに18歳から20歳になるまでは親の存在は大きく、進路選択など「人生が上手くいくか・いかないか」も親次第というところはありますからね。
虐待やネグレストは論外だけれど
親ガチャという言葉は軽くてキャッチーです。その分、これだけネット上で広くそして熱く語られているのでしょう。
ただ、完全にハズレを引いたと言えるのは、虐待やネグレスを受けている・受けた子ども達。それに対して異論を言う人はいないでしょう。
私も親ガチャに関して少々ハズレと感じていますが、「少々」としているのは大学まで(国公立を厳命はされていましたが)出してくれた恩があるからです。
両親ともに、進学を断念した過去を持つことが幸いしたのでしょう。
貧乏で夫婦ゲンカが絶えず家庭の雰囲気は最悪でしたが、大卒で現在は穏やかな生活を送っていることをみれば「親ガチャに少々外れた人間」と言っても説得力がありません。
進学の考えは親の影響大
そう思うに至る大きな出来事があったからです。小中と同じ学校だったある同級生が高校に進学しませんでした。
当時はすでに高校進学が当たり前の時代(1990年代半ば)。その子になぜなのか聞いてみると、「親が中卒で働けという」「親も中卒で問題なかったから」という答えが返ってきました。
お互い似たような経済状況の家で育ちましたが、親の考え次第でこうも進学に関して意識が違うのかと衝撃を受けました。
中卒と大卒では職業選択の幅も異なります。その子が通信制高校で高卒認定を得たとしても、そんな簡単な道ではないです。
進路に関しては親の依存が大きい年齢だけに親の考えで左右されてしまうのも事実。
親ガチャという言葉を聞くたびにその子を思い出し、何とも言えない気持ちになります。