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匂いと臭いと香りと薫り
今日、自転車でちょっとだけ鼻マスク
広い公園横の道は五月らしく木々がぐんぐん伸びていて
この時の特定の植物が持つ独特な青い匂いが好きなので
人がいない時だけでも、不織布の匂いから解放されたい
そして、この匂いと言う言葉を使う時、私は結構気を遣う
料理人の陳健一さんだったか、陳健民さんだったかは失念してしまったのだけれど、テレビで彼の料理に対して「いいにおいですね」と言ったアナウンサーに、陳さんが「料理はにおいではなくかおりです」と言ったのだそう
だそう、というのは私がこれを母から伝え聞いたからで、本当に陳さんだったかどうかもわからないけれど、とにかく強く印象に残ってる
今、我が家は外壁塗装中で、これはペンキの臭いだと思う
花は香りだけれど、草の青さは匂いだろう
もっと、生々しくて本能的で動的なのが匂い
なので、料理に対して香りを使うか匂いを使うかはちょっと迷う
香辛料の香り、出汁の香り、でも、肉の焼けるときたら匂いと言いたい
かじり付きたくなるあの感じ
ちなみに、先日取材したくさやはにおい、かな
臭いと言う人もいるだろうし、確かにそんな感じもする
でも味は好きだ、でもじゃあ食欲をそそるかと言われると言い切れない
なので、ひらがなのにおい
薫りはなかなか難しい
薫り立つ、広がる、溢れ出す、いっぱいになる
もうちょっと優雅な、優美な、華やかなイメージ
終わりごろの桜並木を歩いていたら、びゅっと風が吹いて花びらが舞い上がっていくイメージ
とにかく、今、草木がぐんぐん伸びて元気なこの季節
時々、マスクを外して匂いを楽しむのを許してほしい