
大前研一さんが明確にする「日本の教育に不安を感じる理由」
5歳児の悩める親御さんたち
従来の日本の幼稚園や保育園でなく、幼児の英会話教室や、インターナショナルプリスクールにお子さんを通わせる親御さんが、筆者の周囲にはたくさんいます。
(筆者の子供は、家庭の方針で日本の幼稚園に通いました。この事はこちらの記事に)
そのような方から、幼稚園後の進学について、お悩みを聞く機会があります。
幼稚園までは義務教育でないのでインターでも良いのですが、小学校の選択は一大決心です。
そのお悩みをまとめると大きく下の3つに分けられます。
1.インターに行かせいが、どのように入学させて良いかわからない
アクレディテーションのあるインターナショナルスクールの小学校は、人種配分の関係で日本国籍児童の席が少ないため、入学困難です。(下記に説明を貼っています)
2.日本人としては義務教育も気になる
日本人親としては日本の義務教育をしっかり受けさせたい気持ちがあるが、現在の日本の教育内容には不安がある。
3.私立小学校の受験対策にやる気が湧かない
インターナショナル幼稚園に通わせる親御さんの場合、経済的なゆとりや住まいの場所からも、私立へ通わせる選択を考える親御さんも少なくありません。
ですが、日本の私立小の受験対策は小学校ですらいわゆる日本式の「答えありき」の詰め込み受験対策。
幼児相手に決して楽しいことばかりでないプリント学習を、親が心を鬼にして毎日刷り込まなければなりません。これが、これまでしてきたインターでの「探求型学習」と真逆のため、取り組むモチベーションが湧かない、というお話をよく聞きます。
1に関しては、なぜインターナショナルスクールの小学校入学が困難か、こちらの記事にまとめています。(ここではIB校の話をしていますが、他のインター校と状況はほぼ同じです)
親の時代からほとんど変わらない?!日本の教育システムに我が子を任せる不安
昨今の親御さんは、自身も海外で教育を受けてきたという人が少なくありません。
また、少しでも国際的なチームで仕事をしてきた親なら、自分の子供にも、そのような環境で競争力を身につける教育を受けてほしい、と思うのは自然なことです。
そういう親が、子供にもっと早くから同じような教育を求めるため、インターナショナルスクール小学校の受験が狭き門となっているというのもあると感じます。
行かせたい小学校がない問題
先に挙げた1,2,3いずれの理由とっても、納得できる教育方針の小学校が日本にない。
このことに関して、大前研一さんが明確に理由を示していらっしゃる記事を見つけたので、引用します。
■21世紀の人材像がない教育方針
21世紀型の社会で活躍できる人材を育てるには、学校教育から根本的に変えていく必要がある。就職してからでは遅いのだ。しかし、日本の教育には21世紀の人材像がなく、海外では国家レベルで取り組んでいる問題に目を向けていない。
学校教育を担当する文部科学省が、そもそも21世紀に必要とされる人材像を描いていない。メーカーの仕事で言えば、まず商品企画があって、開発や設計へ進むはずなのに、最終的な商品(必要とされる能力)が決まっていない状態だ。
21世紀の人材像がないので、相変わらず明治以来の工業化社会に適した人材、欧米に追いつけ追い越せをするための教育になっている。すべての答えは欧米にあり、その答えを頭に入れて正確に速くできれば優秀だと認められる。答えそのものは自分で考え出さなくていい。20世紀の日本は、このような教育方針で非常にうまくいった成功体験があるので、21世紀になっても変えようとしないのだ。
文科省の役人や中教審(中央教育審議会)の会長に、21世紀型の人材像を尋ねても、まともな答えは返ってこない。そのイメージがないまま、教育プログラムをつくっているのだから怖い。現場の教師に不満を聞いて、中教審が改善するということを繰り返している。
さらに各分野の学者たちが、教育方針に口を出す。現場の意見に学者先生の意見を加えたものが、中教審が出す方針だ。現場の先生は、改善されてやりやすくなるだろうが、生徒たちはますます21世紀にフィットしなくなる。
現場の教師たちは実社会のビジネスを知らないので、21世紀型の人材像を描けるはずがない。明治以来ほとんど内容が変わらない学習指導要領に沿って教えているだけだ。学習指導要領はおよそ10年に一度改訂されるが、新しい指導要領を見ると、20世紀の教育を極めた完成形で、21世紀への対応はほとんど入っていない。企業の現場で進んでいる仕事が、昔とは大きく異なることもわかっていない。
幻冬者GOLD ONLINEより「大前研一が語る「学校教育が変わらなければ給料は上がらない」
みなさんもご存知のとおり、大前研一さんはIB一貫校の一つ、アオバインターナショナルスクールを運営する、ビジネスブレークスルーの代表取締役会長。
この大前さんの言葉が、まさに小学校の選択で悩める親御さんの意見を代弁していると思います。
ついでに、インターに通わせる親が周囲から言われがちな「英語教育が大切なご家庭なんですね」という誤解にも、この記事が応えてくれていると思います。
悩める親御さん、電話相談を受け付けます
インター小学校進学を真剣に希望する、日本のご家庭の親御さん。
受験準備はどうするの?
どのインターが自分の子供に向いている?
色々なお悩みがあるかと思います。インター受験はネットでも情報が乏しいため、我が家もそうでしたが、受験対策に悩みがちですよね。
もし一助になりましたら。電話相談ご利用ください。
こちらの記事からどうぞ↓
注 多忙につき電話相談は中止しています。
皆様のご家庭に、最適な選択ができますように。