見出し画像

東井義雄教育塾 講演会 平田オリザ

画像1

12月5日(日)に平田オリザ氏の講演を聞きました。これは,「白もくれんの会」が毎年主宰している東井義雄教育塾のひとつです。

いろんな機会が重なり,東井義雄先生について出会い,著作を読んだり,東井義雄記念館や生家に行き,教え子や関係者の方のお話を聞かせていただく機会がありました。そんな中で,東井義雄教育塾の存在を知り,参加しました。

さらに,今回は平田オリザ先生の講演でした。今年,直接インタビューさせていただく機会をいただきました。これがきっかけで,著作を読んだり,演劇を見に行ったりするようになり,平田オリザ先生の教育への考えに感銘を受けました。さらに,今回の講演を聞き,学びが深まりました。

オリザ氏は,大学入試改革を題材に,これからの教育を変えていく必要があることを訴えていました。
お話の中で,文部科学省が示している「主体的・対話的で深い学び」において,「対話的」という言葉の意味を問われていました。言われてみれば,おかしい日本語なのです。Google翻訳するとinteractiveとなるらしいのですが,訳し直すと「双方向」となるのです。
ただ,「対話的=双方向」となるのかという問いを投げかけていました。

これを踏まえ,これから求められる教育の方向性について主張されたのです。

①創造力を育てる
大学入試では,知識を問う入試はなくなっています。
知識習得ではなく,知識を活用し,創造する力が大切になるのです。

②協働性を育てる
「何を学ぶのか」ではなく「だれと学ぶのか」が重要!
これこそが学校の意義である。
この2つの主張には納得できます。変わりつつある変化から未来を見通し,今必要な教育を考える必要があるのです。

③多様性を受け入れる
大学入試改革によって変化させたいのは,学生の多様性だそうです。これからは,知識の量の多さを求める試験はなくなり,偏差値ではなく,大学でやりたいことを求めて大学に行く時代になるのです。そこで,多様な人を関われる力が必要なのです。

これからの教育の未来を見据え,オリザ氏が主張されていたのは,子どもの「身体的文化資本を育てる」ということです。これはオリザ氏の最近の著作でも主張されている内容です。

身体的文化資本
センス マナー コミュニケーション能力 美的感覚 感性 味覚
人権偏見や性差に対する偏見の有無(←オリザ氏の付け足し)

教育格差が拡がる中,子どもたちの身体的文化資本が十分に育てられていないという事実があるのです。
例えば・・・
 ・博物館や美術館に行ったことがあるか
 ・読み聞かせをしているか
 ・演劇を見たことがあるのか
このような経験をしたことがないことに問題があるわけです。つまり,これから求められる人材であるかを判断するものが大学入試となるわけです。
これからの家庭教育と学校教育が求められていることなのです。

最後に,「主体的・対話的で愛(共感)のある学び」をしてほしいと言われていました。

これは
 シンパシーとエンパシー
 同情から共感へ
 同一性から共有性へ

特に,「共感=エンパシー」を大切にしてほしいと言われていました。
つまり,おかしいと感じる行動や行為を見たときに,「知らない」,「私には関係ない」と捉えるのではなく,「なぜ,そのような行動や行為するのか」という相手の考えや思いや願いを理解できる力が必要なのです。
これに演劇的手法が有効となるのです。演劇において役の思いに共感するからこそ演じることができるわけです。

東井義雄先生が一生を過ごした豊岡の地で平田オリザ先生は,大学を開学し学長となっています。そして,東井先生の「村を捨てる学力,村を育てる教育」を考えているのです。
今,国がやろうとしている教育は「国を捨てる学力」をつけようとしていると主張されています。

きちんとまとまっていませんが,ひとまずここに記しておきます。

いいなと思ったら応援しよう!